帝国劇場にて201945月に上演されるミュージカル『レ・ミゼラブル』の新キャストお披露目会見が1010()都内にて催されました。

会見場には、1万通以上の応募から抽選で選ばれた約300人のオーディエンスが見守る中、ジャン・バルジャン役の佐藤隆紀さん、ジャベール役の上原理生さんと伊礼彼方さん、ファンテーヌ役の濱田めぐみさん、エポニーヌ役の屋比久知奈さん、マリウス役の三浦宏規さん、コゼット役の熊谷彩春さん、テナルディエ役の斎藤司さん(トレンディエンジェル)、マダム・テナルディエ役の朴璐美さん、アンジョルラス役の小野田龍之介さんが登壇しました。

本作はヴィクトル・ユゴーの小説を原作とするミュージカル。19世紀初めのフランスを舞台に、主人公ジャン・バルジャンと彼を取り巻く人々を通して動乱期の社会情勢や民衆の生活が描かれている不朽の名作。1985年に英・ロンドンにてミュージカル版が初演。日本では19876月に帝国劇場にて初演され、以降も上演を重ね、国内での上演回数は3172回となりました。

 

ジャン・バルジャン役を演じる佐藤さんは「自分なりにスキルアップしていかないとお客様に感動を与えることができない作品」と本作について述べ、「これから自分に向き合って、人としても役者としても歌手としても大きく成長してこのジャン・バルジャンという役をお届けできるように精一杯努めて参ります」と意気ごみました。

ジャン・バルジャン役については「いつかやってみたい、という気持ちが心の中にあったが、まさかこんなに早くやれるとは思わなかった。今、ものすごく焦っています」と笑い「自分が音大卒であるがためについ技術に走ってしまうが、ミュージカルは歌詞や言葉を「伝える」意識を持ってやらないとミュージカルではなくなってしまう。感情と技術のバランスを取るのが難しく、今もそう思っていますし、来年までずっと思い続けると思います」と今後の課題に向き合っているようでした。

 

上原さんは長年演じ続けてきたアンジョルラス役からジャベール役への転身となります。「今までは革命をしてきたこの僕が、今度は革命を鎮圧する側になります。今までと違う役柄を違う立ち場からやらせていただくことになるので、これまでとは全く違う『レ・ミゼラブル』の世界が見えるんじゃないかな。どれだけできるのか分からないですが、2幕冒頭の「昔、俺も戦った」という台詞は凄く説得力を持たせることができるのかな(笑)。作品に、真摯に誠実に向き合ってジャベール役に臨んで行きたいと思います」とこれまでの役も踏まえてコメントした。なお、ずっとアンジョルラス役を演じてきた上原さんは、前回演じたときに「もう最後だな」という気持ちになったと語りました。「やらせていただけるのはありがたい話なのですが、いつまでもその役にあぐらをかきたくないと思ったんです」

 

伊礼さんはジャベール役に特に思い入れが深い事を口に。「ジャベール役は何年も前にこの作品を見てからずっとやりたいと思っていました。一発で衝撃を受けて、「いつかは、いつかは」と思っていたので、自分が持っているワイルド感、イケメン感、悪役感、そしてストレートプレイやミュージカルで培ってきたものを全て駆使して挑みたい」と熱を込めていました。伊礼さんは多数発売されている『レ・ミゼラブル』CDの中で、たまたま村井國夫がジャベールを演じたときのCDに心打たれた事にも触れ、「僕の思考はミュージカルでも芝居寄り。村井さんの歌を聴いた時にものすごく芝居寄りに聞こえて、その歌詞が自分に届いたんです。僕はミュージカルやアーティストの歌詞をなかなか聞き取れないんですが、村井さんの歌を聴いたときにああ、僕もこんな素晴らしい役者になりたいと思ったんです」とジャベール役への熱い想いを重ねていました。

 

「『え!まさか濱めぐがファンテーヌを!?』と皆さんきっと驚かれたと思うんです(笑)」と話し出した濱田さん。「『レ・ミゼラブル』は学生の頃、劇団四季の頃、劇団を卒業してからと「観るもの」と思っていて(出演することを)諦めていたというか、チャンスやきっかけがなかったんです。ところがオーディションを受けさせていただくチャンスがあり、自分が亡くなって天国に行くときに後悔したくないなと思ったんです。最後のチャンスだと思って「受けさせてください」とお願いしました。これまで経験してきたものを全て投入して、ファンテーヌという役を心から愛し、楽しみ、深く深く大切に演じていきたいと思います」と並々ならぬ想いを言葉にします。自身が演じるファンテーヌ役について「母親というポジションで革命の中で翻弄されながらも子どもの事を第一に考える究極の女性像。彼女の価値基準が子どもであることに共感しました。自分の中の母性をどう表現できるのか考えたい」と話していました。

 

屋比久さんは「この大きな歴史ある素晴らしい作品に出演させていただき、嬉しく光栄に思っています。同時にエポニーヌ役としての責任も感じています。私なりに役に向き合って役を深めて『レ・ミゼラブル』という世界でを一日一日大切に生きたいと思います。皆様と劇場でお会いするまでにもっと成長した姿でお会いしたいです」とフレッシュさを感じさせました。「実際に舞台を昨年初めて観たときに、この舞台が生モノである意味をビシビシと感じ、なかでもエポニーヌという役に興味を惹かれました。もしこの作品に出られるならエポニーヌ役をやりたいと思っていたので、オーディションの時にエポニーヌをやらせてほしいとお願いしました」

 

三浦さんは上演時には20歳で、史上最年少のマリウスとなります。「今回初めてマリウス役をやらせていただくのですが、ずっと夢見て憧れていた『レ・ミゼラブル』という作品に自分が出ることができ、自分が今ここで喋っていることが夢のようで本当に嬉しく光栄に思っています。まだ未熟ですが自分にできることは全てマリウスに注いで『レ・ミゼラブル』という素晴らしい作品の世界の中でマリウスとして生きていきたいと思います」と謙虚。なお。初めて観劇した時は、ものすごく感動して、もう一度観たいと思い、なんとかしてチケットを入手して観劇したが、さらにもう一回観たくなり、残念ながらその願いはかなわなったと語る。オーディションでは「演出家さんに『カフェ・ソング1曲の中にもいろんな感情があって、それを表現して欲しい』とリクエストを受け、表現したくても技術が伴わずうまくできなかった。絶対に次はもっと出来るようになってやろうと思ったんですが……選んでいただけたました」と笑顔を見せていました。

 

コゼット役の熊谷さんは幼い頃イギリスに住んでおり、「3歳くらいの時に『レ・ミゼラブル』に連れて行ってもらい、ものすごく衝撃を受け、家のソファを舞台代わりにして、毛布をフランス国旗に見立て、振り回しながら「民衆の歌」を歌うという「レミゼごっこ」をしていました」と早熟な昔話を披露。「幼い頃から憧れていた『レ・ミゼラブル』という作品でコゼット役でデビューさせていただけることを本当に嬉しく、今こうしてここにいることが夢のようです。大先輩の方々からたくさん学びながら、精一杯全力でコゼットを演じたいと思います」と力を込めていました。

 

トレンディエンジェルの斎藤さんは、開口一番「今回、コゼット役ということで……テナルディエ役ということで大役を仰せつかりました」とひと笑い。「『レ・ミゼラブル』と言う作品は大作中の大作、お客様も愛されてる作品なので皆さんの足を引っ張らないように今から役作りを始めています……テナルディエ役なので、足を引っ掛けたりとか、物を盗り始めたりとか……」とまた笑わせる。「ミュージカルはいつかやってみたいと思ってました。仕事が自分を成長させると思って受けたんです。オーディションがあると聞いてダメ元でやってみようと。本当はコゼット役をやりたかったんですが、いろんな意味でダメと言われ(笑)いちばん自分に近しいもの、ひょうきんさと闇の部分ですよね(笑)?テナルディエ役に挑戦しました。オーディションの前に(同役の)駒田一さんのテナルディエの映像を何度も観ていたんですが、それと同じになるのもまずいと思って思考錯誤をしていたら「フリースタイルダンジョン」みたいになっていました」と最後まで笑いを忘れないトークを続け、共演者たちはもとよりオーディエンスも爆笑させてました。

 

人気声優としてキャリアの長い朴さんは「まさか四十路半ばで初めてミュージカルに参加させていただくことになりました。ミュージカルとは全く縁のないところで活動してきたので本当にどうなるのかと俺に自分に期待をしワクワクしてる状態です。私は歌を本当にやったことがないのですが、ボイストレーニングに通うなど、いろいろやりながら、自分の新たな扉を開きたい」と力を込めます。が、オーディション直前には相当ネガティブになっていた模様。「オーディションを受ける前、4回の歌唱指導を受け、励まされつつオーディションに向かいました。当日は控室の他にもう一部屋取ってもらって、そこで声出しをしようと思っていたんですが、帰りたくなってしまい、ふて寝して(笑)。これはだめだと思いなおして会場に行きましたが、歌唱指導してくださったスタッフさんたちが親のような目で見守ってくださり、そこでスイッチが入りました。すべてが終わって会場のドアを締めたら大号泣でした」と忘れられない一日を振り返っていました。

 

小野田さんは、自身が演じるアンジョルラスという役を「凄く神々しく感じているんです。学生達を率いて革命に身を投じるんですが、それとともにお客さん達も感化され、惹きつけられる役だと思うんです」と語ります。「15歳の時に『レ・ミゼラブル』のオーディションを受け、最終選考まで残ったんですが、まだ若いから20歳を過ぎたらもう一度受けにおいで、と言われたんです。その後、なかなかタイミングがなくて受けられず。その後『ミス・サイゴン』に出演した時、海外スタッフの方に「『レ・ミゼラブル』には興味ないのか?」と聞かれ、『大好きな作品だしオーディションを受けてみたいが、何役ならチャンスがあると思いますか?』と聞いたら『アンジョルラスは?』と言われ、僕がアンジョルラスを受けてもいいんだ!」と嬉しそうに話していらっしゃいました。

新しいキャストが交わることでさらなる化学変化が期待されるミュージカル『レ・ミゼラブル』。2019年が待ち遠しいですね。

 

【公演概要】

■タイトル ミュージカル『レ・ミゼラブル』

■日程・会場

東京公演:2019415日(月)~4月18日(木) プレビュー公演 帝国劇場

     2019419日(金)~528日(火) 帝国劇場

愛知公演201967日(金)~6月25日(火) 御園座

大阪公演:201973日(水)~7月20日(土) 梅田芸術劇場 メインホール

福岡公演:2019729日(月)~826日(月) 博多座

北海道公演:2019910日(火)~9月17日(火) 札幌文化芸術劇場 hitaru

■原作 ヴィクトル・ユゴー

■作 アラン・ブーブリル、クロード=ミッシェル・シェーンベルク

■作詞 ハーバート・クレッツマー

■オリジナル・プロダクション製作 キャメロン・マッキントッシュ

■演出 ローレンス・コナー、ジェームズ・パウエル

■翻訳 酒井洋子

■訳詞 岩谷時子

■出演

ジャン・バルジャン:福井晶一、吉原光夫、佐藤隆紀☆

ジャベール:川口竜也、上原理生☆、伊礼彼方☆

ファンテーヌ:知念里奈、濱田めぐみ☆、二宮愛

エポニーヌ:昆夏美、唯月ふうか、屋比久知奈☆

マリウス:海宝直人、内藤大希、三浦宏規☆

コゼット:生田絵梨花、小南満佑子、熊谷彩春☆

テナルディエ:駒田一、橋本じゅん、KENTARO、斎藤司☆

マダム・テナルディエ:森公美子、鈴木ほのか、朴璐美☆

アンジョルラス:相葉裕樹、上山竜治、小野田龍之介☆

(☆は新キャスト、上原理生は役替わり)

■公式サイト https://www.tohostage.com/lesmiserables/

(左から)熊谷彩春、三浦宏規、屋比久知奈、伊礼彼方、上原理生、佐藤隆紀、濱田めぐみ、斎藤司、朴璐美、小野田龍之介

(2018,10,11)

photo&text:Saki Komura

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