11月6日(金)、亀梨和也さん主演の舞台『迷子の時間-語る室2020-』の公開ゲネプロと取材会が行われ、主演の亀梨さんをはじめ、貫地谷しほりさん、浅利陽介さん、松岡広大さん、古屋隆太さん、生越千晴さん、忍成修吾さんが演出を手掛ける前川知大さんと共に登壇しました。

 

本作は、とある田舎町で5年前に起こった神隠し事件を軸に展開していく、過去、現在、未来を行き来するSF作品です。

亀梨さんは、故・蜷川幸雄さん演出の『靑い種子は太陽の中にある』以来の舞台出演となり、ストレートプレイに初挑戦します。
会見前には浅利さんが「チェック、ワン、ツー、ワン、ツー」とマイクテストを始め、貫地谷さんに「それ、終わってますよ」と笑いながら突っ込まれるところからスタートしました。

 

まずは全員に本作の見どころが聞かれます。前川さんは見どころを言うのがとても難しい芝居なんですけど」と前置きしつつ「ミステリー的な、昔の子どもの失踪事件のことが明らかになっていって、この7人が絡み合いそうで、絡まなそうで、でも、深いところでとっても絡んでいるというのが、徐々に分かってくるというお話です」と説明。その上で「ややこしい話ではあるんですが、難しく考えてもらうよりは、感覚で見てもらえるように作ったつもりです。ですので、この7人のつながりみたいなものが、見終わったあとに温かい形で残ればいいかなと」と作者としての心境を語りました。

前川知大さん

 

亀梨さんは「僕自身、PARCOさんとこうやってお仕事させていただけるのも初めてですし、PARCO劇場でのお芝居も、ストレートプレイもそうですし。そういった意味では、初めてのことだらけの中で」とやや緊張した面持ちで話し出します。「浅利くんは、ドラマでチラッとご一緒しましたけど、皆さんはじめまして、というところから入って。でも、すごくステキな稽古場で、稽古時間を過ごさせていただきました。とにかくこういった状況の中でステージに立たせていただけることは、しっかりと感謝しつつ、来てくださる方にもいい時間を過ごしていただけるように、尽くしたいと思っています」としっかりとした口ぶりで語ります。

左から古屋隆太さん、亀梨和也さん、松岡広大さん

 

貫地谷さんは、「憧れの前川さんの作品に参加できるということで嬉しかった」と喜びを口にします。「PARCO劇場は何度も足を運んでいたんですけれど、こうやって出演するのは初めてで。PARCO劇場にいつか出てみたいな、と思っていたので、すごくうれしい」と笑顔。前川さんの作品については「懐かしい感じもするのに、前川さんの時空を自在に操るといいますか…懐かしいとはまた違う部分も融合した、本当に面白い…面白いって自分で言っちゃった(笑)!!」と素直な想いを述べていました。

左から貫地谷しほりさん、生越千晴さん

 

浅利さんは「PARCOさんには以前、新しくなる前に(舞台に)立たせていただいて。いやぁ、もう、見ていただいて分かるように、間口(ステージの空間)が広がりました!!」とさもPARCO側の人のように話すので、亀梨さんからは「あれ?PARCOさんですか!?」そして松岡さんから「PARCOの回し者みたい」と次々つっこまれます。

浅利さんはそんなつっこみにもひるまず、「こけら落としですので、このメンバーはもはやスタメンのような、そういう意味合いもあるんじゃないかという。ここに僕らがいるということは、今後もPARCOのスタメンのような感じで出てくるという。前川さんの作品があれば、今後ももしかしたら誰かしらが出ているかもしれないという期待を膨らませています」と笑いながらも仲間たちをリスぺクト。

そして自身の役どころについては「ゆるく出て、ゆるく去っていく」ヒッチハイカー役と説明し、「風のごとく流れていくような、橋爪功さんのような、ちょっと出たら笑えて、存在感のあるようなものを目指しております。頑張っております!!」と話してまた笑いを誘っていました。

浅利陽介さん

 

帰る事ができない未来人を演じる松岡さんは「前川さんは、俳優をやっていたら絶対にご一緒したい演出家さん。その作品の中に入れてすごく嬉しいですし、何より、このキャストの皆さん、諸先輩方に囲まれて、芝居ができるのも最上の喜び」とコメントし、「本当に稽古場から、いろいろなものを学んで、いよいよ初日なんですけど、しっかりとぶつけられそうな気がしますし、演劇ってやっぱり楽しいなと思いましたし、日常には不可欠だなと感じたので、皆さんの生活圏に演劇が入っていけばいいなと思います」と演劇愛を口にしました。

松岡広大さん

 

霊媒師役を務める古屋さんは、「ご想像の通り、ちょっと…目に見えないものとのアクセスというか、そことのコネクションを人一倍大切にする感じ」の人物だと説明し、「この作品自体も、目に見えないけれどきっと確実にあるもの、人の人生にとってとても大切なものが深く描かれていると思っていまして。早くより多くの方にこの作品をお届けできたらと、静かに闘志が膨らんでいる状態でございます」と丁寧に話しました。

古屋隆太さん

 

生越さんは浅利さんの妹役を演じます。「舞台って、稽古期間があって、そこがすごく特別だと思うんですけど…お話の中で、7人がすごく深いところでつながっていて、そこを作り上げる稽古での皆さんが本当に素敵なんです。温かい人たちで。言葉じゃ伝えきれないくらい本当に素敵。その7人がつながっている空気感を、稽古でみんなで作り上げられたんじゃないかなと感じています。それをお客さまに届けられるのがすごく楽しみで。千穐楽までまだまだあるので、もっと発見をしていけたらな」と真剣に語りました。

生越千晴さん

 

最後に忍成さんが「初めての舞台がPARCOさんだったのですごく感慨深いんですけど。また、何年も工事していたPARCOが出来上がって、新しいPARCO劇場でやらせていただくことをとても嬉しく思っています」と笑顔。

前川さんの作品はいくつか観たと語りつつ、「今回ご一緒できるのをうれしく思っていて。どんな稽古をされるんだろうと思っていたんですけど、皆さんが仲が良いと口をそろえて言っているように、本当にチームワークが良くて。一人ひとりの個性がどんどん出てくるような稽古場で、そこがチームワークにつながっているなと思っています。そしてそれが本番で役に立つというか、底力になるんじゃないかなと思います」と話していました。

忍成修吾さん

 

亀梨さんには稽古中に苦労した事は?と質問が及ぶと「日々、苦労というよりは、挑戦であり、発見であり、気づきを前川さんが本当にたくさん与えてくださって。明日から本番ですが、お家に帰ってから“大丈夫かな?”と思いながらもう1回台本を見てみたりとか、”あそこはこうかな?”と振り返ってみたり…」となかなか寝付けないような生活を垣間見せると、浅利さんが「やめてよ~明日、全力で睡眠不足で来るの!!」と気遣うコメントを。さらに貫地谷さんは「だって、(亀梨さんは)1週間前からもうドキドキしてるんですよ(笑)」と座長の緊張をあえて暴露し、亀梨さんが苦笑いを浮かべる一幕もありました。

劇中にはBBQをする場面があるそうで、「実際に経験しようということでBBQ稽古をしました」と亀梨さん。

「パンフレット撮影も兼ねてだったんですけど」というと「あいにくの雨でした。ザーザー降り!!」と浅利さんが笑う。

「前日に、みんなで“何を持ち寄るか、いっせいのせで言おう”と言って。そうしたら、なんと、お肉がなかったんです」と貫地谷さんがハプニングを告白しますが、「(亀梨さんが)“朝から(お肉を買いに)行ってきました”と大量に買って持ってきてくれました!!」と座長の気遣いに触れ感謝の気持ちを伝えていました。

 

改めて最後に亀梨さんが皆を代表して、「前川さんとご一緒させていただき、キャスト皆さんと素敵な時間を過ごす中で、この場に立たせていただけるということをしっかり噛みしめながら、来てくださる皆さんに…今回、【時間】がひとつキーになるので、【時間】というものを良い形で(作って)、良い思いの中で劇場をあとにしていただけるように、過ごしていけたらいいなと思います」と力強く挨拶し、会見を締めくくりました。

左から前川知大さん、古屋隆太さん、松岡広大さん、浅利陽介さん、亀梨和也さん、貫地谷しほりさん、忍成修吾さん、生越千晴さん

舞台『迷子の時間-語る室2020-』は、11月29日まで、東京・PARCO劇場にて、その後12月8日から13日まで、大阪・サンケイホールブリーゼにて上演されます。

 

【公演概要】

■タイトル 『迷子の時間 -語る室2020-』​

■日程・会場

東京公演:2020年11月7日(土) 〜2020年11月29日(日) PARCO劇場

大阪公演:2020年12月8日(火) 〜2020年12月13日(日) サンケイホールブリーゼ

■作・演出 前川知大
■出演
亀梨和也
貫地谷しほり 浅利陽介 松岡広大 古屋隆太 生越千晴 忍成修吾
■企画・製作 パルコ
■公式サイト https://stage.parco.jp/program/maigonojikan
(2020,11,07)

photo&text:Saki Komura

#NorieM #NorieMmgazine #ノリエム #迷子の時間 #亀梨和也 さん #貫地谷しほり さん #浅利陽介 さん #松岡広大 さん #古屋隆太 さん #生越千晴 さん #忍成修吾 さん