井上芳雄さん、吉沢亮さん、大野拓朗さんらが出演するブロードウェイミュージカル『プロデューサーズ』が11月9日、東京・東急シアターオーブにて開幕します。初日前日には同劇場にてゲネプロが公開されました。

 

本作は、1968年の同名映画をもとに、2001年にブロードウェイで舞台化され、その年のトニー賞において新作ミュージカルが受賞可能な13部門のうち、史上最多の12部門で最優秀賞を受賞した大ヒットミュージカル。ブロードウェイでの成功後、ロンドンをはじめ世界各国で上演を重ね、日本では2005年にブロードウェイキャストによる来日公演、2005年と2008年にV6の井ノ原快彦さんと長野博さんによって上演されています。

 

落ち目のプロデューサーである主人公マックスを演じるのは、井上さん。マックスに巻き込まれていく気の弱い会計士レオを、ミュージカル初出演の吉沢さんと、舞台でも活躍する大野さんがWキャストで演じます。また、本作の演出を手掛けるのは、舞台・ドラマ・バラエティとコメディ作品で定評のある福田雄一さんです。

 

【あらすじ】

かつてヒット作を生んだブロードウェイのプロデューサーであるマックス(井上さん)は、今は落ちぶれて破産寸前。マックスのもとを訪れた気の弱い会計士のレオ(吉沢さん/大野さん)が帳簿を調べると、舞台が成功するより失敗したほうが利益を生むことに気づく。マックスは、わざと舞台を失敗させ、資金をだまし取るという詐欺を思いつき、レオを巻き込んで、最悪のシナリオ、最悪のスタッフ、最悪のキャストを集めて、大失敗作を作り上げようと計画する。

 

お金持ちのホールドミー・タッチミー(春風ひとみさん)を言いくるめ資金を調達。ヒトラーをこよなく愛するフランツ(佐藤二朗さん)が書いた『ヒトラーの春』というハチャメチャな脚本に、最低の演出家であるロジャー(吉野圭吾さん)とその助手カルメン(木村達成さん)のゲイ・カップル、主演女優には英語が話せない女優志望のウーラ(木下晴香さん)を迎え、舞台は大コケ間違いなしと思われたのだが――。

 

ゲネプロでは吉沢さんがレオ役を務めました。

井上さんは本当に凄いの一言。これまでの作品で見せたクールで時には恐怖をも感じさせる存在感はどこへやら。3枚目のキャラクターを全力で演じ切って、それがまた驚くほどハマっていて何度となく笑わされました。もちろん笑いが必要ない場面では本来の井上さんらしい、密度の濃い演技を披露し、その振り幅の広さにまた驚かされました。

ミュージカル初挑戦の吉沢さんは芝居もさることながら歌がこんなに歌える方とは知らず、またダンスも見事で驚きました。また少し肩に力が入っている印象もありましたが、おそらく明日からの本番でほぐれていい状態になるのではないでしょうか。

ミュージカルベテラン勢の木下さん、吉野さん、木村さん、春風さんそれぞれの存在感はいうまでもなくすばらしく、そして福田組常連の佐藤さんは出てくるだけでクスクス笑いが聴こえてくるくらい。時には井上さんをアドリブなのか本気なのか分からないイジリをして、また笑わせていました。

 

なお、ゲネプロ前に井上さん、吉沢さん、大野さん、演出の福田さんからコメントが届いたのでご紹介します。

◆自己紹介

井上芳雄さん:マックス・ビアリストック役の井上芳雄です。マックスはブロードウェイのプロデューサーで、今は落ちぶれているという役です。

吉沢亮さん:レオ・ブルーム役の吉沢亮です。レオはホワイトホール・アンド・マークス事務所で働く会計士の役です。会社名にホワイトとあるんですけど、実はブラックな会社で…(笑)そこで働く気弱な会計士です。

一同:あ、ブラックだったんだね(笑)

大野拓朗さん:同じくレオ役の大野拓朗です。レオはホワイトホール・アンド・マークス事務所という、会社名にホワイトとあるんですけど、実はブラックな……はい!(笑)

井上さん:同じ役なんだから、同じだよ!

福田雄一さん:演出の福田雄一です。

左から福田雄一さん、吉沢亮さん、井上芳雄さん、大野拓朗さん/photo:オフィシャル提供

 

◆稽古中のエピソード

井上さん:福田さんがいらしてからの稽古3日目には一幕を通すって言われ、嘘だろうと思ったんですけれど、必死に一幕を覚え、そして二幕を続けて覚えて、必死すぎてそこからの記憶があまりないんですけど、とにかく毎日全力でふざけるというのをやっていました。どうなるんだろうなと思いながら稽古していたんですが、なんとかなるんですよね。劇場に来て、こうして出来上がって、夢を見ているようです。

福田さん:みんな(稽古中)とても楽しそうでしたよ!

吉沢さん:僕は今回ミュージカル自体が初めてで、まわりのみなさんは本当にミュージカル界の素晴らしい方ばかりで、最初の歌合わせであまりのまわりとのレベルの差にすごい苦しくなって、仲間は(フランツ役の佐藤)二朗さんだと思っていたんですけれど…(笑)意外と二朗さんがミュージカルらしい歌い方をされていて、「おい、嘘だろ」と、裏切られたと思いました(笑)。なので僕は必死に頑張っているところです!

大野さん:僕はコメディが大好きで、芸人さんにも憧れてて、だからこそ福田さんの作品にも憧れていて、やっと今回初めてご一緒させていただけることになって、よしやるぞ!と思ったんですけど、自分が全然おもしろくなくて…

一同:ちょっと、ここは反省の場所じゃないから!これから始まるんだから!(笑)

大野さん:いや、こういうところなんです。僕、真面目なんです。(笑)

井上さん:本当に真面目な人は自分で真面目って言わないから!もう一周まわってふざけてるでしょ?(笑)でも、本当にみんながおふざけを持ち寄る現場なので、すごかったです。

福田さん:そうですね、アンサンブルから(笑いを)突っ込んでいくからすごいよね。

大野さん:笑いをこらえるの大変でした。芳雄さんがすごいのは、立ち稽古の初日からセリフが全部入っているのに加えて、ひとつひとつの笑いにも全部に突っ込んで返していくんですよ。

吉沢さん:ほんとうにすごかったです。

井上さん:未だにみんな違うことするから、未だに落ち着かない(笑)それに楽しくなるとどんどん自分もふざけちゃうんですよね!もう、上演時間が短くなる気がしないです!一言でバシッと突っ込めるようになりたいですね。

福田さん:僕はWキャストが初めてだったので、ちょっとドキドキしました。稽古も難しくて。でも結果的に良いWキャストの形になったと思います。

 

◆福田さんから見て、井上さん、吉沢さん、大野さんの印象は?

福田さん:芳雄くんはもう芳雄くんだから!芳雄くんって、ミュージカルになると全然違うんですよ。ミュージカルでは初めてご一緒したんですけど、口から声が出ているのではなくて体の全体から声が出ている感じでした。

吉沢くんは初めてのミュージカルということもあって、舞台役者っぽい芝居をしないのでそれがすごく新鮮でおもしろくて、一方で拓朗くんが王道のミュージカルのプリンスっぽく演じるので、個性が分かれてとても良いWキャストになったと思います。

井上さん:それぞれ違っていいですよね。(一緒に)やるほうは大変ですけどね!(笑)

 

◆見どころ

井上さん:劇場に来てみて驚いたのが、めちゃくちゃ豪華なんですよ、舞台が。今年は大変なことがいろいろありましたけど、そんな一年の締めくくりに、こんなに豪華なこんなにバカバカしいミュージカルを、この渋谷でできることが、なんて幸せなんだろうと思います。皆さんが想像するより数倍豪華な舞台が出来上がってるんじゃないでしょうか。現実を忘れられる、ミュージカルらしいゴージャス感があります。

吉沢さん:豪華なんです。

一同:(笑)

吉沢さん:いや、セットを見て、びっくりしちゃって、もしかしてこれ、ミュージカル!?と思いまして(笑)

井上さん:今までなんだと思ってたの?(笑)

吉沢さん:もちろんキャストの皆さまも素晴らしいですし、こんなに贅沢な環境でミュージカルの初舞台を踏めるということが幸せです。

大野さん:いやもう、豪華ですね。

一同:(笑)

大野さん:Wキャストの特権は客席から自分が出ているシーンを見られることなんですけど、本編ラストのマックスとレオの二人のシーンとか、めちゃくちゃ豪華です!

 

◆最後に一言

井上さん:ブロードウェイのオリジナル版の振り付けをそのまま使っていまして、ブロードウェイのスタッフや日本のスタッフの皆さんの尽力によって今に至っているので、今の時点で感無量なんですが、そういった今までの多くの皆さんの努力やエネルギーに応えるべく全力でばかばかしいことをやっているので、2020年最後に大笑いしにシアターオーブに来ていただけたら嬉しいです!

 

【公演概要】

■タイトル

ミュージカル『プロデューサーズ』

■日程・会場

2020年11月9日(月)~12月6日(日) 東急シアターオーブ

■脚本 メル・ブルックス/トーマス・ミーハン

■音楽/歌詞 メル・ブルックス

■オリジナル振付 スーザン・ストローマン

■日本版振付 ジェームス・グレイ

■演出 福田雄一

■出演

井上芳雄 吉沢 亮/大野拓朗(Wキャスト)

木下晴香 吉野圭吾 木村達成 春風ひとみ 佐藤二朗 ほか

■公式ホームページ https://www.tohostage.com/producers/

(2020,11,09)

photo(stage)&text:Saki Komura

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