能・狂言を土台に現代演劇を創作する、世田谷パブリックシアター芸術監督企画の最新作
現代に生きる人々の幸福について描き出す『幸福論』に出演の清水くるみさんに、稽古開始前に作品への想いをたっぷり語っていただきました。

 

ー『幸福論』への出演が決まったときの気持ちを教えてください。
「昨年、長田さんと瀬戸山さんのワークショップに参加させていただき、とても楽しくて。その時にお二人の脚本がすごく面白いと思っていました。このお話をいただいた時に私はまだ世田谷パブリックシアターの劇場に立ったことが無かったので、その劇場に立てる!!ということが嬉しかったです。私にとって世田谷パブリックシアターは、当日券を並んで買って作品を観るところだったので、その劇場に立てる喜びがありました」

 

ー『幸福論』での清水さんにとっての挑戦とは?
「最近の舞台では明るい役やコメディーっぽい役が多かったので、舞台上で爆発的な感情を出すことが無かったですし、ストレートプレイで感情を内に秘め、そして外へも出すのは初めてに近い役なので新しい挑戦だと思っています」

 

ー以前清水さんが出演された『ファクトリーガールズ』の印象があったので、『幸福論』のビジュアルを拝見した時にこれはまた新しい清水さんがみれるのではと期待が高まりました!!
「デビューしてからしばらくは舞台より映像のお仕事が多かったので、どちらかというとこのイメージの方が私の持っているニュアンスに近いんですよ(笑)」

 

ー共演の方もベテランの方が揃いますが、楽しみにしていることはありますか?
「今回共演する方は初めての方が多く、今まで舞台で拝見してきたTHE・演劇の方ばかりです。役を通して拝見してきたので、実際はどんな方なんだろうと未知の世界で楽しみですね!!」

 

ー顔合わせ、読み合わせとお稽古と進んでいくのが楽しみですね!!
「鷲尾さんは一度ワークショップでお会いして、とてもチャーミングで優しい雰囲気を持っていらっしゃる方だなって思っています。毎回顔合わせや読み合わせってどんなテンションで行けば良いのかいつも一番緊張するんですよね(笑)」

 

ー稽古が始まるとまた楽しみが増えていきますね。
「前だったら稽古のあとに終わったら飲みにいこうとかあったと思うのですが、今はそう出来ない状況ですよね。それも含めて、稽古から本番までのコミュニケーションのすべてが演劇の仕事だと思っています。お酒を飲んで先輩たちといろいろな話をすることも含めて演劇の醍醐味だと思っていたので、それができないのがすごく悲しいですね。新型コロナウイルスで休演の作品もあり、とても久しぶりの舞台なので、今までとは違った新しいコミュニケーションの取り方を模索していくと思います。もっと良い方法があるかもしれないですし、それが楽しみですね。with コロナの公演になるのでそこは未知ですね」

 

ー作品としては能楽を現代にアレンジされた内容で「道成寺」「隅田川」それぞれの物語が展開されていきます。今の段階でイメージしていることはどんなことでしょうか?
「能楽となると難しいなって思うのですが、現代風にアレンジされることでとても身近で親しみやすくなっていると思います。でも伝えたいことやメッセージ性は一致していて、“なるほど現代に置き換えるとこんなにわかりやすくなるんだ”と自分の中で消化しやすく、感動しました。その中で、能に繋がるメッセージや登場人物が抱えているものは昔も今も変わらないと思います。そのメッセージをうまく伝えられるように、大事に演じられたらいいなって思っています」

 

ー清水さんの役作りはどのように進めていくのでしょうか?
「その時々で違いますが、基本的には自分の中に要素が無い役を演じるということは難しいと思いますし、この役をいただいたということは、私がこの役を演じるということを想像して選んでくださったということだから、自分の中の引き出しを引っ張り出しつつ、現場で話をしながら新しい物を見つけつつ、こういう表現を自分は出来るんだっていうことを模索していく感じです。稽古の中で思いつくことってたくさんあるので、稽古ってやっぱり面白いですよね!!」

 

ーこの作品は新しい挑戦とおっしゃっていましたが、これからどんなことに挑戦していきたいですか?
「コメディーが好きなので、コメディーの作品に出演したいですし、話すことも好きなので、ラジオとか喋るお仕事をしたいです!!役者だけでなく表現者として「話す力」も自分をプロデュースしていく上で必要だと、この自粛期間中にすごく感じたので、自分の持っている何かを出せる場があったらいいなって思っています。今回の作品も新しいことに挑戦させていただいているので本当に嬉しいです」

 

ー今日の衣裳もとても素敵ですが、プライベートのお洋服でのこだわりを教えてください。
「布地の多い服を着ます(笑)!!これは自分で思ったわけではなく、仲の良い役者さんから“本当に布地の多い服を着るよね”って言われて“確かに”って思ったんです。今日の衣裳もすごく分量が多いんですよね。夏でもキャミソールっていう感じではなくて、ちょっと大きめで風通しの良いビッグシルエットのTシャツとかを着て、ボトムスは、ワイドパンツもハーフパンツもミニスカートもロングも何でも着ます。あと気をつけているのは身体を冷やさないことです。冷え性なので上着を必ず持っていくようにしたり、肩を出さないようにしたり気をつけています」

 

ー最後にこの作品の見どころとメッセージをお願いいたします。
「能楽と聞くと難しいのではと構えてしまうと思うのですが、学生の方にもよりわかりやすく能楽に触れていただける機会になると思います。世田谷パブリックシアターの学生割引には私もとても助けられたので、学生の皆さんはぜひ利用して観に来てください。そして昔と今に通じる変わらないメッセージを感じて帰っていただけたらと思います。新しい私も楽しみにしてください」

 

【Profile】


1994年7月16日生まれ。愛知県出身。

2007年「アミューズ30周年全国オーディション」にて、応募総勢65,368人の中からグランプリを獲得。以後、女優として映像・舞台の話題作に立て続けに出演し、高い演技力で注目を集めている。主な映画出演作品は、『桐島、部活やめるってよ』(2012年)、『ジンクス!!!』(2013年)、『青の帰り道』(2018年)、『チア男子!!』(2019年)。主な舞台出演作品は、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(2013年)、『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』(2018年)、ミュージカル『サムシング・ロッテン!』(2018・2019年)、『黒白珠』、A New Musical『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』(2019年)。

 

【公演概要】
■タイトル
現代能楽集Ⅹ『幸福論』~能「道成寺」「隅田川」より
■日程・会場
2020年11月29日(日) ~ 2020年12月20日(日) シアタートラム
■作 長田育恵(弐「隅田川」)・瀬戸山美咲(壱「道成寺」)
■演出 瀬戸山美咲
■監修 野村萬斎(世田谷パブリックシアター芸術監督)
■出演
瀬奈じゅん 相葉裕樹 清水くるみ 明星真由美 高橋和也 鷲尾真知子
■公式ホームページ
https://setagaya-pt.jp/performances/202011koufukuron.html


☆PRESENT☆

今回インタビューで登場いただいた清水くるみさんサイン入り写真を1名さまにプレゼントいたします。

ご応募は下記をご確認ください。

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2.プレゼント該当twitterをリツイート。

3.該当ツイートにコメントで応募完了です。

※締切は11/20(Fri) 23:59、当選の方へはtwitter DMでご連絡いたします。プレゼントツイートは11/16(Mon)配信致します。

プレゼントの発送は日本国内のみとなります。たくさんのご応募お待ちしております!!


(2020,11,13)

photo:Yuji Watanabe/styling:Ryuji Yamamoto/hair&make-up:Chika Horikawa/interview&text:Akiko Yamashita