12月26日よりAmazon Prime Videoにて独占レンタル配信がスタートした図夢歌舞伎最新作『弥次喜多』。
この作品は、市川猿之助さんが初監督をつとめた映像作品で、2009年にPARCO劇場にて上演され、猿之助さんが現代劇に初挑戦した前川知大の「狭き門より入れ」を原作に、幸四郎さんと猿之助さんの二人が“弥次喜多”コンビを演じる大人気シリーズの最新作。
配信開始当日の12月26日に配信開始を記念した囲み取材が開催され、松本幸四郎さん、監督・脚本・演出をつとめた市川猿之助さんが出席しました。会見途中に市川染五郎さん、市川團子さんもかけつけ笑顔溢れる会見となりました。

 

初監督を務めた猿之助さんは「(新型コロナウイルスの影響で)歌舞伎の上演ができなくなったときに、幸四郎さんが図夢歌舞伎を立ち上げて、忠臣蔵の配信がありました。毎年8月には弥次喜多を二人でやらせていただいていたんですが、8月の歌舞伎座開場公演では弥次喜多を上演することはできませんでした。毎年弥次喜多を楽しみにしてくださっている方がいらっしゃったので、図夢歌舞伎を1回だけで終わらせるのではなく、第二弾として弥次喜多をやってみようと撮影に入りました」と図夢歌舞伎第二弾に弥次喜多を選んだ理由を語りました。

今回の配信のこだわりは「舞台でもない、映像でもない図夢歌舞伎ならではの可能性を目指した」と語り「表と裏のパラレルワールドなので、表の世界なのか、裏の世界なのか、よく見ていただくと、表と裏の世界ではコンビニの商品が増えたり減ったりして、その時系列の把握が非常に大変でした」と猿之助さん。

幸四郎さんさんは「歌舞伎であるかないかというのは新作歌舞伎を作るときにいつも思うことで、でも行き着く先は面白いびっくりするお芝居を作ろうという気持ちです。この作品もそういう気持ちで取り組みました。弥次喜多は歌舞伎座でシリーズ化した作品なので、その世界観や匂いをしっかり出しながら、このお芝居を楽しもうという思いをエネルギーにして頑張りました」と作品への思いを語ってくれました。

また、途中に猿之助さん、中車さん出演のドラマを思い出すシーンの演出を「歌舞伎は古い作品でもその時々の時事ネタを入れるんです。歌舞伎はシリアスな芝居でも観客の興味を引くようなものを入れないといけないので、ネタがあってよかったと思って使わせていただきました」と笑顔。

会見に駆けつけた弥次喜多と珍道中を共にした梵太郎、政之助を演じた市川染五郎さん、市川團子さん。
梵太郎を演じた市川染五郎さんは「今回は不良の役になっていましたが、今までの作品も弥次さん、喜多さんより大人っぽい役でしたが、少年の部分もあったので、そこは変わってないなって思いました」と話し、政之助を演じた市川團子さんは「クラスメイトのこんな雰囲気の友達を参考にして役作りをしました」と話してくれました。

「実際に反抗期は?」との記者からの質問に、染五郎さんは幸四郎さんに「ありますか?」と逆質問。幸四郎さんは「大丈夫じゃないかぁ」と笑顔を見せ、團子さんが「反抗期ではあると思います」とコメントすると、猿之助さんが、「そんな時期だよね。でも二人が不良になったらそれぞれの親の教育が良くなかったと僕は思うよね(笑顔)。ねぇ!!」と言うと幸四郎さんの方をむき笑顔を見せます。すると「残念ながらそれに返す言葉がないんですが(笑)」と語る幸四郎さん。取材陣からも思わず笑いがこぼれました。

この作品を通してどんなメッセージを送りたいかという質問に猿之助さんが「弥次喜多で僕らはバカやっていますが、この作品で一番考えて欲しいのは、果たして今私たちがいる文明は本当に正しいのか。自分たちの生き方は本当に正しいのか。地球をめちゃくちゃにして、疫病が流行って。これ人災じゃないのか!?自分たちの生き方がこのままでは滅びるぞっていうことをちょっと考えてもらいたいと思う」と語る真剣な眼差しが印象的でした。

図夢歌舞伎『弥次喜多』は下記にて配信されます。

 

【配信詳細】
■タイトル 図夢歌舞伎『弥次喜多』(ずぅむかぶき やじきた)
■監督・脚本・演出 市川猿之助
■原作 前川知大「狭き門より入れ」
■構成 杉原邦生
■脚本 戸部和久
■監督 藤森圭太郎
■出演
松本幸四郎 市川猿之助 市川中車 市川染五郎 市川團子
市川猿弥 市川笑三郎 市川寿猿 市川弘太郎(声の出演)
■製作 松竹株式会社
■配信元 Amazon Prime Video(国内独占レンタル配信) 111 分
■独占配信開始 2020年12月26日(土)
■レンタル料 1,900 円(税込)
■作品ページ www.amazon.co.jp/kabuki

また、今回図夢歌舞伎『弥次喜多』出演の松本幸四郎さん、市川猿之助さんは年明けに歌舞伎座で上演される『壽初春大歌舞伎』にご出演!!
幸四郎さんは、白鸚さん、染五郎さんと親子孫三代で『車引』に、猿之助さんはお家芸のひとつ『悪太郎』に出演されます。


https://www.noriem.jp/magazinenews/11024

上記リンクよりニュースをご覧いただけます。

(2020,12,29)

photo&text:Akiko Yamashita

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