テノール歌手のヴィットリオ・グリゴーロさんのソロ・コンサート2021年日本公演が6月22日(火)から開催されます。

このコンサートに先立ち、5月31日(月)にオンライン記者会見が行われ、グリゴーロさんが公演への想いを語りました。

グリゴーロさんは、世界最高峰の歌劇場で活躍し、“パバロッティの再来”と称されるテノール歌手。日本では、2019年のロイヤルオペラハウス来日公演において『ファウスト』に出演し、話題を呼びました。今回の来日では、来日後に2週間の隔離生活を送ったのちに、公演を行うことになるそうです。

この日の取材では、グリゴーロさんはイタリアにある自宅から「今日はとてもいい天気で緑がきれい」とにこやかな笑顔で会見に参加しました。

まず、グリゴーロさんは、今回の公演での来日を「日本に行けることを嬉しく思っています」と喜び、「みんながとても怖がっていて、すべてが停滞しているこのような時に、私たちの可能性に賭けて音楽を届けることはとても重要なことです。なぜなら、私たちの人生はここから復活に向けていかないといけないのだから。私を信頼して、まだ早いと思われる時期に、私のコンサートを開催してくださることに感謝しています」と思いを寄せました。

続いて、「日本の皆さんにもとても感謝しています」とコメント。「私と日本の関係は、今でもお互いに対するリスペクトがあって、名誉を重んじて、正義を信じて関係を築いてきたと思います」と日本への思いも明かしました。

今回の公演も、盛りだくさんのプログラムが発表されています。グリゴーロさんは、サービス精神も旺盛で、常に観客を楽しませるパフォーマンスを行う歌手ですが、今回の公演でも「私は『アリア』を歌うときに突っ立って歌うタイプではないのと同じように、舞台にいる間中は常に、皆さんのために演技をするのを忘れないでやっています」と話します。

そして、「ボディーランゲージで、全身を使って演じながらコンサートで歌ったというのは僕が初めてなんじゃないかと自負しています。僕自身も(それが)楽しみですし、ワインが熟成していくのと同じように、自分もより成長しているはずですから、皆さんにもきっと好きになってもらえると思います」とアピールしました。

また、この1年3カ月、コロナ禍で舞台に立つことも難しかったグリゴーロさんですが、「大きなギフトがあった」と言います。それは、昨年8月に長女が生まれたこと。グリゴーロさんは「私は父親としてデビューし、それによって新しい感情をたくさん得ることができました。特に私の両親によりリスペクトや愛情を感じています。この大きなギフトをもらったので、ストレスを受けたり、緊張感のある生活をしなくてすみました。父になったことがコロナを忘れさせてくれたんです」と振り返りました。

さらに「(コロナ禍では)経済的なことは自分も含めて誰もが難しさはありましたが、自分は、それに言い訳をしないで、なんとか解決策を見つけていこうという前向きにやってきました。今はライブでみんなと音楽を共にし、みんなと微笑みを交わし、舞台の上で歌って踊りたいという気持ちでいっぱいです」と目を輝かせました。

最後に、公演に向けて「用意は万端だよ!!」とグリゴーロさん。「人生は予期できないことがあるから美しいと思う。コロナもあって、自分たちでは予期していないことがいっぱいあって人生の変化もいっぱいあったけど、常に新しい発見があるよね。毎日新しい発見があるからこそ人生は楽しいのであって、だから、日本に行ってみんなに会えるのが待ちきれないし、そこで新しい自分を見せられたらと思っています」と意気込みました。

 

【公演概要】

■タイトル ヴィットリオ・グリゴーロ ソロ・コンサート2021年日本公演
■日程・会場
東京公演:2021年6月22日(火) サントリーホール 大ホール
大阪公演:2021年6月27日(日) フェスティバルホール
福岡公演:2021年6月30日(水) 福岡シンフォニーホール
東京公演:2021年7月3日(土) 浜離宮朝日ホール
■出演

ヴィットリオ・グリゴーロ(テノール) マルコ・ボエーミ(ピアノ)
■プログラム

第1部 I

ドニゼッティ:歌劇≪愛の妙薬≫より「なんと彼女は美しい、なんと可愛い」

  G. Donizetti  Quanto è bella, quant’ è cara    “l’Elisir d’amore”       

ドニゼッティ:歌劇≪愛の妙薬≫より「人知れぬ涙」

  G. Donizetti  Una furtiva lagrima     “L‘Elisir d’amore”

リスト/ロッシーニ:「音楽の夜会」(ロッシーニ)より「饗宴」(ピアノ・ソロ)

  Liszt/Rossini  Soirees Musicales R.236 No.11   L‘orgia-arietta(piano solo)

ドニゼッティ:歌劇≪アルバ公爵≫より「清らかで美しい天使」

  G Donizetti  Angelo casta e bel    “Il Duca d‘alba” 

プッチーニ:アルバムブラット(ピアノソロ )

  G. Puccini  Foglio d‘album (piano solo)

プッチーニ:歌劇≪ラ・ボエーム≫より「冷たき手を」

  G. Puccini  Che gelida manina   “la Boheme”

リスト/ヴェルディ:歌劇≪ドン・カルロ≫(ヴェルディ )より「祝典の合唱」編曲版(ピアノ・ソロ)

  Liszt/Verdi  Trascrizione del Coro di festa dal Don Carlo(piano solo)

ヴェルディ:歌劇≪リゴレット≫より「あれかこれか」

  G. Verdi  Questa è quella     “Rigoletto”

ヴェルディ:歌劇≪イル・トロヴァトーレ≫より「見よ、恐ろしい炎を」

  G. Verdi  Di quella pira l‘orrendo foco   “Il Trovatore”

第2部 II

マスネ:歌劇≪マノン≫より「目を閉じれば」(夢の歌)

  J. Massenet  En fermant les yeux   “Manon”   

グノー:歌劇≪ロメオとジュリエット≫より「ああ、太陽よ、昇れ」

  C. Gounod  Ah! leve-toi, soleil” Romeo et Juliette”

マスネ:歌劇≪タイス≫より「タイスの瞑想曲」(ピアノ・ソロ)

  J. Massenet  Meditation “Thais” (piano solo)

マスネ:歌劇≪ウェルテル≫より「春風よ、何故私を目覚めさせるのか」

  J. Massenet  Pourquoi me réveiller        “Werther”    

オッフェンバック:歌劇≪ホフマン物語≫より「クラインザックの歌:むかしアイゼナハの宮廷に」

  J. Offenbach  Il étais un fois à la cour d’ Eisenach ”les contes d’Hoffmann

レオンカヴァッロ:「タランテッラ」(ピアノ・ソロ)

  R.Leoncavallo  Tarantella (piano solo) 

プッチーニ:歌劇≪トスカ≫より「星は光りぬ」

  G. Puccini  E lucevan le stelle  “Tosca”         
※曲目、曲順など、変更となる場合もございます。予めご了承ください。
■公式サイト http://concertdoors.com/

(2021,06,01)

photo:オフィシャル提供(コンサート・ドアーズ)/text:Maki Shimada

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