佐藤流司さんが主演する舞台『私立探偵 濱マイク ‐我が人生最悪の時‐』が2022年12月15日(木)から、サンシャイン劇場ほかで上演されます!!
原作は、1993年から1996年までに三部作として公開された同名の探偵を主人公とするハードボイルド探偵映画シリーズ。その後、テレビドラマ化もされ、2021年には同じく佐藤さん主演で朗読劇も上演されました。
今作にかける意気込みや見どころ、さらに後半にはNorieMならではの最近のファッション事情についてもお聞きしました!!
―朗読劇で演じた濱マイクを、今回は舞台という形で演じます。舞台化が決まったお気持ちを教えてください。
俺が(舞台を)やりたいと言ったので、実現して良かったです。朗読劇をやっている時に、体が疼く感じがあって、これは舞台でアクションたっぷりでやったら臨場感や世界観をより伝えられると思ったので、今回、改めて舞台でできるのが嬉しいです。
―朗読劇で手応えを感じたということですね。
お客さんがどう感じてくださったのかは分かりませんが、個人的にはすごく楽しかったし、演じがいがありました。何か朗読劇という枠にハマらない、一味違うものに仕上がったという感覚はありました。
―確かに、かなり世界観が作り込まれた公演だったと感じました。物語の後半では、台本を手放して、席から立ち上がってお芝居することもあったと聞いています。
先ほど、疼く感じがあったと言いましたが、台本を持たない方が芝居として良いものができると思ってのことでした。そもそも朗読劇は、文字を追いながらそれをどう表現するかに美学があるので、それを無しにしてしまうのはどうなんだろうと考えはしましたが、最後のシーンはどうしてもない方が良いと思ったので、台本を離して演じることも多かったと思います。
―濱マイク役は、朗読劇の時にもハマり役だという声が多かったと思いますが、ご自身では演じやすさはありましたか?
演じやすかったです。行動原理を考える必要があまりない役が、きっと自分のパーソナルに近くて演じやすいキャラなんだと思います。濱マイクはまさに「何でこの人はこんなことをするんだろう」と考えなくて良いので。
―それは自分と似ているところが多いということですか?
そうだと思います。自分の引き出しにない役は絶対できないですし、似ているところがたくさんあればあるほど、演じやすいんだと思います。
―今回演じる上では、どんなところをポイントにしたいですか?
今年は、自分が今後どういう役者になっていくのかとか、どこを目指していきたいかといったことを、一旦立ち止まって考えるタイミングがあった1年でした。考えた末、やっぱり自分らしくやっていきたいと思ったので、その人の人生を生き、自分なりに答えを出して、自分と融合させて演じていこうと思っています。お芝居の本質はモノマネではないと思うので、自分らしくお芝居することを受け入れてもらえるようにシフトしていかないといけないと今は考えています。
―立ち止まって考えるきっかけって何だったんですか?
俳優として13年活動してきましたが、この一年で携わった作品の中で、自分の中の俳優たる理由を探していく必要があるというところに行き着きました。
―なるほど。では、改めて、今、感じている濱マイクという人物の魅力は?
原作の映画を観たときに、日本男児ってこうだよなと感じる男臭い友情物語や家族愛が盛り込まれていて、不器用だけど人が大好きな濱マイクが、色々な人と出会って、その人たちの人生に変化をもたらせていくというのが魅力だと感じました。なので、(濱マイクの魅力は)やはり男らしく、情に厚いところだと思います。
―佐藤さんが思う“男らしい漢(おとこ)”というのはどんな人物ですか?
優しさがあって、人のために何かできる人です。ただ、その優しさは上っ面のものではなく、心の奥底で人を優しさで包める人というイメージです。女性と歩く時に車道側を歩くとか、そういう表面的なことではなく、本当に困っている時に手を差し伸べてあげられるような男の人にかっこよさを感じます。
―佐藤さんが目指す男性像もそういう人?
そうですね。だから助けすぎもよくないと思うんです。友達が転んだらすぐに手を差し伸べるようなのは優しさじゃない(笑)。
―いやいや、そこは差し伸べましょうよ(笑)。
俺は苦手なんですよね(笑)。男らしくないと思ってしまって。
―(笑)。では、共演者の方についてもお話をお伺いできればと思います。まずは、星野役の矢部昌暉さんとは、朗読劇でも共演していました。また、ミュージカル『ジェイミー』ではディーン・パクストンをWキャストで演じていらっしゃいましたね。
全幅の信頼を置いているので、矢部ちゃんが星野くんなら間違いないだろうと思っています。今回、引き受けてくれてありがたかったです。
―矢部さんの俳優としての魅力は?
すごく器用な人だと思います。明るくて、どこかいじられキャラ的なものが(矢部さん)本人のパーソナルにあるので、星野役はハマり役だと思います。きっと彼自身も演じやすいんだろうなと感じました。
―楊海平(ヤン・ハイピン)役の寺西拓人さんとは初共演ですね。
まだあまり話せていないのでどんな方か分かりませんが、共通の知り合いが多いんです。例えば、Rock Opera『R&J』で一緒だった諸星翔希くんとか、田中涼星くんとか。共通の知り合いの中でも、俺が「この俳優は面白いな」と思っている知り合いが被っているので、好みが似ているんだろうと思います。稽古でお会いできるのが楽しみですね。
―今回は、椎名鯛造さんや七木奏音さんなど、これまでに共演経験のある方もいらっしゃいます。座長としては、稽古場でどのような姿を見せたいと思っていますか?
みんなの邪魔をしないようにしたいと思います。自分が座長ではない時に、稽古場で邪魔されるのが嫌なんですよ。自分のタイミングで盛り上がりたいのに、そのタイミングではない時に檄を入れられると、逆にテンションが下がってしまうので、それはしないようにと。
―それぞれのペースを大事にということですね。脚本・演出の西田大輔さんとはドラマ『RE:フォロワー』、『演劇ドラフトグランプリ』でもご一緒でしたが、西田さんの作品のどんなところに魅力を感じていますか?
とにかく世界観が美しい。それに尽きると思います。それから、西田さんのオリジナル作品では、伏線の張り方が巧妙で、鮮やかなどんでん返しがある作品も多いので、クレバーな方というイメージがあります。
―そんな西田さんの演出で楽しみにされていることは?
実は、まだじっくりと演出をしていただいたことがないので、西田さんがどんなふうに演出されるのか分からないんですよ。なので、どんな演出か自体が楽しみです。
―改めて、本作の見どころを教えてください。
俺がいるということが見どころです(笑)。当然、アクションもあるでしょうし、今回は歌も歌うので、俺の真骨頂をお見せできるかなと思います。キャストも豪華です。鯛造くんがいることでアクションにも厚みが出ますし、矢部ちゃんも宮本(弘佑)くんもすごく器用に演じてくれると思いますし、奏音は芝居上手。そういう意味でも、かなり厚みのある舞台になると思うので、舞台が好きな方も原作が好きな方も、あまり舞台を観たことがない方も楽しんでいただけると思います。
―朗読劇では見られなかったアクション、楽しみです。
今回、きっとガンアクションになると思うのですが、初挑戦なので、それも楽しみです。ガンアクションは、遠距離でのやり合いになるのでどうしても地味になりがちですが、それを西田さんがどう料理するのかも含めて、ぜひご注目いただければと思います。
―では、タイトルにちなんで「人生最悪の時」を教えてください。
怪我をして公演を中止にしてしまったことですね。コロナの時期で、感染者を出さずに来たのに、怪我で中止だったので最悪でした。しかも、色々と調べた結果、ストレスと過労が原因だったようで…。その時の公演前に、お酒をやめたんですよ。普段はあまりしないんですが、アップしたりクールダウンも丁寧にやって…そうしたら怪我をしたんです。なので、普段通りでいることが大事だなと(笑)。余計なことをするもんじゃないという教訓をいただきました。
―2022年を振り返った時、やはり一番大きな出来事は怪我でしたか?
そうですね、怪我に今年の記憶を持っていかれてますからね(笑)。ポジティブな話では、これが一番良かったとかそういうことではないので、そこは誤解しないで欲しいのですが、『HiGH&LOW』で(佐藤さんが演じた)西川泰志がもう一度スクリーンに帰ってきたというのが嬉しかったです。『ジェイミー』で共演した(森崎)ウィンくんが基晃役で出演しているので、スクリーンで共演できたのも嬉しかったですし、何よりもアクションが好きなのでそれができたのが良かったです。
―2023年はどのような1年にしたいですか?
今年は芝居についての考え方が少しずつ変わり始めたので、今後、目指すべき場所も徐々にシフトチェンジしていくことになると思います。そのためにも、来年は、自分の中で区切りがつく年になると思うので、「新しい佐藤流司」に向かって準備をする1年になるのかなと思います。
―「新しい佐藤流司」の姿はすでにイメージできているんですか?
できてます。まだお伝えできないこともあるのですが、色々と考えています。ただ、今までのお客さまを突き放すような変わり方ではないです。己の心持ちが変わるという感じです。
―楽しみにしています!! プライベートでは、何かやりたいことはありますか?
…これといってないですが、貯金かな…。すぐに人に奢ってしまうので、そろそろ貯金を始めないとなとは思います。来年は、しっかりと未来を見据えて、貯金をしていくようにしたいです。
―今作は、2022年最後のお仕事になると思いますが、お仕事がない時の年末年始の定番の過ごし方は?
定番は実家に帰ることですね。コロナ禍でしばらく帰れていませんが、実家に帰って、俺の親父の親友がやっている寿司屋に行って、家族ぐるみの付き合いのある幼馴染と一緒に寿司を食いながら年を越すことが多かったように思います。ただ、特別に絶対にこれをするというのもないんですよ。基本的に、その場の気分で動くことが多いので。あまり計画を立てられないタイプなんです。例えば、4日前に「どこどこに遊びにいこう」と誘われていて、スケジュールが空いていても面倒くさいなって思っちゃうんですよ。行きたいかどうかはその日によるんで。臨機応変に生きてます(笑)。
―じゃあ、オフの日の予定は、朝起きて決める?
起きてから決める感じです。もちろん、病院などの行かなければいけない場所は予約を入れてきちんと行きますが、それ以外はその日の気分で過ごすことが多いです。
―最近はどんな過ごし方多いですか?
一番最近の休みは、午前中に歯医者に行って、その後は作詞をしようと思ってメモ帳を開いたり、ポケモンの予告動画を観たり(※取材は発売前)…それくらいで、何もしてないです。
―ありがとうございました!! 最後に、読者の方にメッセージをお願いします。
作品に向かう本気度は観ていただかないと伝わらないと思うので、まずは観ていただければと思います。どう感じていただいてもいいです。ただ、全力で、皆さんに良いと思っていただけるものをお見せできるよう頑張ります。
▶︎佐藤流司さんのファッション事情◀︎
―最近は、どんなファッションが多いですか?
ルーズなスタイルが多いですね。昔はモード系ばかりでしたが、最近はカジュアルやストリート系の服が増えてきました。
―特にこだわっているところは?
ニット素材のカーディガンやセーターは着なくなりました。猫の毛を取るのが面倒くさすぎて、猫の毛があまりつかない素材ばかり着てます。色も、猫の毛が目立たない白が増えて、黒は減りました。黒シャツとかはもう出歩けないくらい目立つので、スウェット素材の服が多くなりましたね。
―ファッションの参考にしている人や物は?
特にないです。ただ、最近は特定のブランドから買うのはやめようと思って、セレクトショップに行ったり、色々なお店で買ったりして、1つのブランドで固めないようにしています。この前も、全く行ったことがない店に行って買ってきました。
―ネットで買うよりも実際に店舗に行って買う方が多いんですか?
ネットではあまり買わないですね。店を回りますが、ただ3、4軒が限界なので、それくらいまわって、いいなと思ったものを買って帰るという感じです。
―アクセサリーもよくつけていらっしゃる印象がありますが、こだわりはありますか?
全然ないです。ブレスレットやネックレスは友達からの貰い物なので、いただいたものはなるべくつけようと思ってつけています。時計は時間が見たいからですし、指輪は忘れないように常々つけているようにしているだけなので。
―指輪を忘れないとは?
今、出演している「ろくにんよれば町内会」(日本テレビ系で放送中)の収録でつけているんですよ。1回、付けるのを忘れて収録に行ってしまったことがあったので、忘れないように年中つけている感じです。それも特にこだわりがあってこの指輪ということではなく、あまり主張しない柄だからこの指輪にしているというくらいの理由です。
―女性のファッションでは、どんなファッションが好きですか?
それほどこれというものはないですが、きちんと気を遣っているのが分かる人がいいです。あとは、あえてあげるとしたら、マフラーを巻いて、髪の毛がモコッとなるのがいいですよね。
―佐藤さんご自身が、この冬にしたいファッションはありますか?
これまでは、チェスターコートやロングコートできれいめに着ることが多かったので、今年はストリート系を多くしようかなと思っています。ブルゾンとか、丈の短いアウターを考えているところです。
―カジュアルに惹かれている理由は?
モード系だとハットが合うじゃないですか。でも、今はバケットハット以外のハットはあまり流行っていないので、合わせる帽子があまりないなと思って。あとは、単純に疲れるんです、モード系の服は。得てして高いので、汚したくないと思って大事に着て肩が凝っていたので、あまり気にせずゆったり過ごせる服が良いなと思い始めたということだと思います。それならいくら汚してもあまり気にならないストリート系が良いかなと。
―では、今日のお衣裳のお気に入りポイントは?
パッと見た感じが、濱マイクっぽいと思って選びました。ゆったりとしたファッションが好きなので、パンツが太いのも良いなと思ったところです。
―最近のマイブームは?
最近は、筋トレばっかりやってます。
―それは役作りとして?
最初は役作りのために始めたんですが、せっかくならと思って健康的なことも考えて続けています。
―役によっては食事制限もされていたり、すごくストイックに体を作っていらっしゃいますよね?
普段、オフの時には適当な食生活を送っていますし、お酒も芸能界一強い自信があるほどなので、本番に合わせて体作りをしてやっとプラマイゼロだと思いますよ(笑)。
―お酒、かなり飲まれるんですね。
最後までついてこられる人を見たことがあまりないので、強いと思います。
―どんなお酒が好きなんですか?
何でも飲みます。体を絞っている最中ならウイスキーを飲みますし、オフの時にはビールもワインも飲むし、日本酒も好きですし。お酒は全般好きです。オフの日も、筋トレして、お酒飲んでと、だいたいそんな感じです。
【profile】
佐藤流司/Ryuji Sato
1995年1月17日生まれ。宮城県出身。
2011年『仮面ライダーフォーゼ』でデビュー。以降ライブ・スペクタクル『NARUTO』、ミュージカル『刀剣乱舞』など多くの舞台作品へ出演。ドラマ『聖徳太子のレストラン』、映画『HiGH&LOW THE WORST X』、日本テレビ『ろくにんよれば町内会』などテレビドラマ、映画、バラエティなど映像作品にも多数出演。Ryuji名義のバンドプロジェクトThe Brow Beat、ダンスユニットZIPANG OPERAなどアーティストとしても活動
■公式ホームページ https://sato-ryuji.com/
■公式Twitter @ryuji7117
■公式Instagram @ryuji_japan
【公演概要】
■タイトル
舞台『私立探偵 濱マイク ‐我が人生最悪の時‐』
■日程・会場
東京公演:2022年12月15日(木) ~12月18日(日) サンシャイン劇場
大阪公演:2022年12月29日(木) ・30日(金) 森ノ宮ピロティホール
■原作 林海象(濱マイクシリーズ 第一弾映画『私立探偵 濱マイク ‐我が人生最悪の時‐』)
■脚本・演出 西田大輔
■出演
佐藤流司 寺西拓人 矢部昌暉/宮本弘佑 椎名鯛造 小泉萌香 七木奏音 和興
※矢部昌暉は東京公演のみの出演となります
■公式ホームページ https://hamamike-stage.com
©林海象/舞台『私立探偵 濱マイク』製作委員会
(2022,12,03)
photo:Hirofumi Miyata/styling: Naoki Yoshida/hair&make-up:Hitomi kita/interview&text:Maki Shimada
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