フランスの気鋭の演出家・ラディスラス・ショラー氏によって2012年にパリで初演を迎え、2014年にはフランス最高位の演劇賞・モリエール賞最優秀脚本賞のほか様々な賞を受賞した『Le Père 父』。英語版に翻訳された後には、ウエスト・エンド、ブロードウエイのほか世界30カ国以上で上演され、トニー賞、ローレンス・オリビエ賞の主演男優賞など各国の主要な賞を受賞している注目作の日本初演が2月2日(土)・東京芸術劇場 シアターイーストで開幕しました。

フランスオリジナル版を演出し、今回日本で初演出に挑んだラディスラス・ショラー氏、今回日本で初演出本作の主人公で、認知症の症状にある父親アンドレを演じる橋爪功さん、橋爪功さん演じるアンドレの娘・アンヌを演じる若村麻由美さんから開幕コメントが到着しました。

 

演出:ラディスラス・ショラー氏

私たちの仕事の成果を舞台で見ることに胸躍らせています。同時に、日本の観客がこの作品にどのように反応するのか、非常に興味があります。フランスのように笑うのか?それは同じ個所で?私の演出作品が母国からこんなに遠い場所で上演されるのは初めてなのです…。

稽古は、率直に言って、素晴らしくうまくいきました。言語の違いは、制作側が選んだ優秀な通訳のおかげで障壁とは感じませんでした。フランスと同じリズムで仕事をし、日本の俳優の傾聴力や、フランス人である登場人物を体現する能力に感銘を受けました。そして、橋爪さんと若村麻由美さんは、非常に違う種類の俳優だと思いました。麻由美さんは人の話を聞き、パフォーマンスの完璧さを追求しつつ、役に入り込むのに時間をかけます。橋爪さんは稽古のたび、私の提案の方向性に沿いながらも、何かしら違うことを編み出します。この2人のは俳優の共演は、間違いなくマ ジカルなものになるでしょう。

フランスの偉才フロリアン・ゼレールの戯曲の公演をぜひ観に来てください。彼のドラマティックな文体が、今回素晴らしいチームによって演じられます。もろく複雑で非常に人間的な登場人物たちに、皆さんは必ず自分自身を見出すこ とでしょう。時には笑うことでしょう。そして、私自身と同じく、皆さんがこの「父」に心揺さぶられることを願っています。

 

アンドレ役:橋爪功さん

日本の多くの俳優さんにラッド(ラディスラス・ショラー氏)の演出を経験してほしいと思うほど、明快で明晰な演出 でした。ラッドは俳優への演技指導もとても的確で、演劇への愛に満ち溢れた素敵な演出家です。

ラッドと共演者と共に地道に稽古を積み重ねる事ができました。セリフが完全に入っていない時は共演の皆さんには ご迷惑をおかけしたこともあり、申し訳ありませんでした(なんてね、謙虚です)。

多くの方々に劇場にいらしていただき、この作品をお楽しみいただきたい。何かしらお持ち帰りになれるモノがあると思います。

アンヌ役:若村麻由美さん

初来日のラッドは、言語の壁を超え、演者の内面を見抜いて次々と具体的に解決する、作品と出演者への愛に溢れた演出家です。全稽古が終了した時、橋爪さんがおっしゃった「イイ稽古だった」の一言に思わず涙ぐんで声をつまらせたラッドを忘れられません。

共演の皆様は、演出家の言葉を即体現出来る実力派揃いで刺激的なお稽古場でした。橋爪さんのアンドレは卓越した技術と魂を刻む圧巻のJAZZ演奏のようです。胸をお借りして、娘アンヌの苦悩と選択を多彩に描きたいと 思います。

この作品は、父親の錯綜する記憶の混乱を観客も同じように体験するスリリングな芝居です。人と時系列の辻褄が合わないのは当然なので、安心して笑って頂き涙して頂ければ、大きな物を持ち帰って頂けると思っております。

 

橋爪功さん演じるアンドレの娘・アンヌに若村麻由美さん、二人の周辺の人々を元宝塚歌劇団トップスターの壮一帆さん、進境著しい太田緑ロランスさん、そして実力派俳優として定評のある今井朋彦さん、吉見一豊さんが演じます。

誰しもに起こりうる、まるでSFのような現実世界を演劇で表現する本作。

時間とは記憶そのものであり、その記憶が混乱していった人の現実はどうなっていくのか。また、その人を取り巻く家族たちはどう向き合っていけばよいのか。

少子高齢化が深刻化する日本においてますます増えていく認知症の問題を、極めて演劇的に突きつける衝撃作。日本初演お見逃しなく。

 

【公演概要】

■タイトル 『Le Père 父』

■日程・会場

東京公演:2019年2月2日(土)~2月24日(日) 東京芸術劇場 シアターイースト
兵庫公演:2019年3月16日(土)・17日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
上田公演:2019年3月2日(土)・3日(日) サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター) 小ホール
高知公演:2019年3月6日(水) 高知市文化プラザかるぽーと 大ホール
名古屋公演:2019年3月9日(土)・10日(日) ウィンクあいち
松本公演:2019年3月21日(木・祝)まつもと市民芸術館 小ホール
■作 フロリアン・ゼレール

■演出 ラディスラス・ショラー

■出演

橋爪功 若村麻由美 壮一帆 太田緑ロランス 吉見一豊 今井朋彦

■公式サイト https://www.father-stage.jp
■公式twitter @father_stage

(2019,02,04)

photo:引地信彦

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