神奈川・KAAT神奈川芸術劇場の2019年度ラインナップ発表会が2月6日(水)に同劇場にて行われました。KAATの芸術監督を務める白井晃さんが芸術監督になられて4年、KAATのオリジナリティを出していこうと演劇やダンス、身体表現、現代美術、音楽などが複合的にある劇場を目指して上演作品を選定されてきました。その2019年のラインナップをダイジェストでご紹介します。
この日、白井さんと共に登壇した演出家の皆さんからのコメントと共にご覧ください。

集合写真下段左から森雪之丞さん、渡邉尚さん、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん、杉原邦生さん、長塚圭史さん、山田うんさん

上段左から白井晃さん、小金沢健人さん、多田淳之介さん、松井周さん、山本卓卓さん

2019年度(2019年4月~2020年3月)主催公演ラインナップ
※このほかの作品についてはKAAT公式サイトでご確認ください。

・白井晃演出作品 連続上演企画『春のめざめ』
■日程・会場 2019年4月13日(土)~4月29日(月・祝) 大スタジオ
■原作 フランク・ヴェデキント
■翻訳酒寄進一
■音楽 降谷建志
■構成・演出 白井晃
■出演

伊藤健太郎、岡本夏美、栗原類/小川ゲン、中別府葵、古木将也、長友郁真、竹内寿、有川拓也、川添野愛、三田みらの/あめくみちこ、河内大和、那須佐代子、大鷹明良

白井晃さんコメントはこちらをチェック!!

 

・KAAT EXHIBITION 2019『小金沢健人展 Naked Theatre-裸の劇場-』
■日程・会場 2019年4月14日(日)~5月6日(月・振休) 中スタジオ
「僕は現代美術という世界で生きてきたので、ここKAATで上演されているものについてはまったくの門外漢です。初めて劇場をあちこち見てみたら、部屋は真っ暗で、何かの装置がたくさんあり、天井からは何かがいっぱい吊るされていて、素人から見ると劇場って面白いなと思い、劇場からすべての物をとっぱらって裸にしたいと考えました」(小金沢さん)

 

・白井晃演出作品 連続上演企画『恐るべき子供たち』
■日程・会場 2019年05月18日(土)~2019年06月02日(日) 大スタジオ

■原作 ジャン・コクトー(コクトー 中条省平・中条志穂:訳『恐るべき子供たち』/ 光文社古典新訳文庫)
■上演台本 ノゾエ征爾
■演出 白井晃
■出演 南沢奈央、柾木玲弥、松岡広大 ほか

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・『ゴドーを待ちながら』
■日程・会場 2019年6月 大スタジオ

■原作 サミュエル・ベケット(白水社『新訳ベケット戯曲全集1』)
■翻訳 岡室美奈子
■演出 多田淳之介
「今回の作品は出演者の年代を分け、ざっくり言うと“えらい長く待ったな”という上の世代と“これからこの人たちずっと待つんだなあ”という若い世代、元号で例えるなら“昭和平成バージョン”と“新元号バージョン”として2バージョン上演する予定です。元号が変わるいいタイミングでお客さんも新しい時代に入ったなと思って楽しんでいただきたいです」(多田さん)

 

・『ビビを見た!』
■日程・会場 2019年7月上旬 大スタジオ

■原作 大海赫
■上演台本・演出 松井周
■出演 岡山天音、石橋静河、樹里咲穂、久ヶ沢徹、瑛蓮、師岡広明
「この原作者・大海赫さんの作品『メキメキえんぴつ』がトラウマ絵本というか、子どもの頃に本当に怖くて押入れの隅に隠しておく、でも気になって見ちゃって目に焼き付いてしまい夜眠れなくなる、そういう本だったんです。『ビビ』も子どもの頃に読んだらトラウマになるだろうなという、終末世界のお話です。目が見えない男の子が7時間だけ目が見えるようになるんですが、その代わり彼以外全員の目が見えなくなり、日本中がパニックになるという話。日本人が、何か同じ方向にワーッと流れてしまう状態をうまく舞台に乗せられないかと考え、この作品を選びました」(松井さん)

 

・KAATキッズ・プログラム2019 『二分間の冒険』
■日程・会場 2019年8月中旬 大スタジオ

■原作 岡田淳
■上演台本・演出 山本卓卓
■出演 百瀬翔、佐野瑞穂、下川恭平、亀上空花、小林那優、若松武史
「登場人物が小学生なので舞台でも実際に小学生を使いたいとオーディションをしました。オーディションで僕の指示に眉をひそめるような子を選びました(笑)。作品はできる限りデジタルに、映像を駆使していきたいと思いますが、演劇はデジタル化していくと、不思議と結果的にアナログになるもの。“結果アナログじゃん!!”というツッコミをお待ちしています(笑)」(山本さん)

 

・新作ミュージカル『怪人と探偵』
■日程・会場 2019年9月14日(土)~9月29日(日) ホール

■原案 江戸川乱歩
■脚本・作詞・楽曲プロデュース 森雪之丞
■テーマ音楽 東京スカパラダイスオーケストラ
■作曲 杉本雄治(WEAVER)
■演出 白井晃
■出演

中川晃教、加藤和樹、大原櫻子/水田航生、フランク莉奈、今拓哉、樹里咲穂、有川マコト、山岸門人、中山義紘、石賀和輝/高橋由美子、六角精児/齋藤桐人、石井雅登、碓井菜央、菅谷真理恵、大久保徹哉、咲良、茶谷健太、加藤梨里香

「ミュージカルはブームと言われていますが輸入品ばかりで、そろそろ日本独特のミュージカルがあってもいいんじゃないかなと思って白井さんに相談しました。二十面相役に中川晃教、明智小五郎役に加藤和樹、その間を取り持つ謎の令嬢に大原櫻子。ミュージカルはセリフでは絶対に言えない心の言葉を歌詞にするからこそミュージカルとして存在するわけです。これを大きな武器として作品を作っていきたいです」(森さん)

 

・KAAT DANCE SERIES 2019 日仏コラボレーションプロジェクト 頭と口×Defracto『妖怪ケマメ:L’esprit des haricots poilus』
■日程・会場 2019年10月 大スタジオ
「どんな文化でもジャグリングぽいものが生まれているんです。日本ではけん玉とかお手玉、蹴鞠もそうかも。ダンスという枠組みに恥じないくらいの身体能力をジャグリングでは使うので、ノンバーバルで伝わる作品の新作を楽しみにしてください」(渡邉尚さん)

 

・ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出『ドクター・ホフマンのサナトリウム~カフカ第4の長編~(仮)』
■日程・会場 2019年11月 ホール
■作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
「カフカの遺稿は3作しかないのに“4作目の遺稿が見つかった”という想定で、それを舞台化したいと思っています。戯曲が見つかった場合そのままやればいいのですが、小説が見つかったということにしてそれを舞台化する面倒くさいことになっています(笑)」(KERAさん)

 

・KAAT+KUNIO共同製作 KUNIO15『グリークス』
■日程・会場 2019年11月 大スタジオ

■演出・美術 杉原邦生
翻訳:小澤英実

「NHKで蜷川幸雄さんがやった『グリークス』を観て、こんなに長くても映像でも観続けられる面白い演劇作品があるんだ、と衝撃を受けたその日から、いつか自分で上演したいと思い続けてきた作品です」(杉原さん)

 

■『常陸坊海尊』
■日程・会場 2019年12月 ホール

■作 秋元松代
■演出 長塚圭史
「この作品は劇場の方から提案されたんですが、とんでもないモノに手を出すことになったなあと。やりたくないことはないんですけど、大変なものを引いてしまったなとは思っています。秋元松代さんの作品は読めば読むほどどうやってやればいいのかわからなくなる大変な作品ですが、そんな作品に向き合えることを光栄に思っています」(長塚さん)

 

・KAAT DANCE SERIES 2019『NIPPON・CHA!CHA!CHA!』
■日程・会場 2020年1月 大スタジオ

■作 如月小春
■振付・演出 山田うん

「作者の如月小春さんの想いに共感し、ダンスで表現することと共に演劇でしっかり表現したいと思い、2パターンで上演することにしました。オリンピックが始まる年に何を未来に観るのか、過去に何を観るのかをお客さまに感じていただきたい」(山田さん)

 

・『アルトゥロ・ウイの興隆』
■日程・会場 2020年1月 ホール

■作 ベルトルト・ブレヒト
■演出 白井晃
「ヒトラーを題材にした寓話劇をこの時代に上演すべきだろうと思い、決定しました。独裁者が出てくるということは、独裁者を求める群衆もまたいるのではないか、それを希望してしまっている我々の気持ちはどこにあるのだろう?という視点からこの芝居を作っていきたいです」(白井さん)

2019年のKAATにも期待が高まります!!

(2019,02,07)

photo&text:Saki Komura

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