216()から舞台『怜々蒐集譚 Reirei Syusyu Tan』が、東京・新国立劇場 小劇場にて上演されます。石原理さんのコミック「怜々蒐集譚」を原作に、キネマ(映画)とキノドラマ(舞台)のふたつのメディアで連動して描く本作は、大正7年の東京を舞台に、文壇界が華やかな時代の現世と異世界で、人とあやかしが巻き起こす事件の謎に、新人編集者・南、人気挿絵師・出泉、そして歌舞伎役者・葛葉が迫っていく大正浪漫ミステリーです。

本作で南役を演じる溝口琢矢さんと出泉役を演じる藤原祐規さんに本作の見どころやおふたりが感じる事などをたっぷりと語っていただきました。

 

まずは原作を読んだときの感想から聞かせてください。

溝口琢矢さん この物語はいわゆる2.5次元とは違うなと思ったんです。実際漫画を読んだ時、これは人間の物語だなと感じたんです。だから2.5次元作品のようにキャラクターを作り込むというのも何か違うように思えて、演出の八鍬健之介さんに聞いたら「今は2.5次元と言う言葉が生まれているのでそう分類しがちですが、これはたまたま原作が漫画だっただけ」と言われて納得しました。

藤原祐規さん 大正時代をテーマにしているのが大きいかな。衣裳や街並みひとつ取ってもどこか懐かしさあり、憧れのようなものもある時代。そんな美しさがある作品だなと感じました。もうひとつは日本古来からある妖怪、物の怪、オカルト的な要素もあって。いいとこ取りの作品ですね。

左から溝口琢矢さん、藤原祐規さん

まだ試行錯誤しながらの稽古中と聴きましたが、自分が演じる人物の人となりや魅力をどう捉えていますか?

溝口さん 僕が演じる南は誠実な男ですね。出版社の編集者ですが、作品愛に溢れている様を見ると天職なんだろうなと。さらに出泉先生の事も好き。幸せな仕事についていますよね。

藤原さん 出泉の過去に何かあったのかは分からないんですが、曲者だと思います。とても自分の感情を隠す方であり大人。人の痛みがわからない訳ではなく、とても優しく思慮深く気を回す人だけど、それを殊更に表には出さない。それを表現するのは難しいですね。飄々として何が本心か分からないけれど、何か漏れ出てくるものがあるんです。稽古をしながら原作の出泉に近づけていきたいですね。

原作でも出泉はあちこちに動いているが、その割には自分が考えている事を言葉に表していないですしね。

藤原さん そこなんです。だから稽古をやっていても動いているのは周りの人間なんです。周りの感情が動き、その相手がいなくなってからぽろっと本音を漏らす。これからも深めていきたいですね。

稽古の話が出ましたが、溝口さんは稽古中に役作り含めてどのような気づきがありましたか?

溝口さん 南は芝居の冒頭から喋りまくっているんですが、演出家さんからは「喋る相手を意識しつつ、空間全体を意識して喋って欲しい」と最初に言われて凄く腑に落ちたんです。と共にそれをやる事が凄く大変。それが仕事ではあるんですけどね。「今の演技はこうだった。でもここで求めている演技はこうじゃないかな?」と八鍬さんが筋道を示してくれるので皆で一生懸命そこから掘り下げて考えている最中です。

 

普段のコンビネーションは芝居とは逆!?

原作だと、出泉さんが何かを調べにいったりあちこち歩きまわったりしている一方で南さんはバタバタしている感じですよね。

溝口さん そうですね。出泉に振り回されています。でも舞台ではしょっぱなから喋り倒しています!!

 

適任ですね()!!

溝口さん ありがとうございます()。でも芝居で一番最初に喋る人って大変なんだなあと感じています。その世界観を作るのも大事ですし。また喋り口調も方言ではないですが、この時代ならではの口調なので僕は難しいなと思います。

 

南と出泉の関係は見えてきましたが、普段の溝口さんと藤原さんの関係はどんな感じですか?

藤原さん 溝口はずっと喋っています。あのう、ずっと喋ってます。本当にずっと喋っています()

溝口さん (大笑)

 

藤原さん、3回言いましたね()

藤原さん 昨日食事に行ったんですが、その時もずっと喋っていたんですよ。

溝口さん 僕も「ずっと僕が喋っているなあ」と思っています()。藤原さんはウンウンと聴いてくれてます()

藤原さん 聞いていたりつっこんだりね。あと注意とかも。突拍子もない事を言い出したときなどにね()。僕自身あまりガンガン喋る方ではないんです。以前出演した「おん・すてーじ『真夜中の弥次さん喜多さん』」の時も弥次さん役の唐橋充さんが喋りたおしてグシャグシャにした後を僕が処理していた()。でも、ひと回り下の子とがっつり絡むときはこっちから話しかけたり引っ張る方がやりやすいんじゃないかなと思って最初は自分からわっと行ったんですが……そんな必要は全然なかった()!!

溝口さん ()。僕は同世代の友人より歳が離れているほうが落ち着くんです。

藤原さん でもこれだけしゃべっているのに、不思議と嫌な気持ちにならないんですよ。好感度が高い!!あと真面目ですね。そして邪気がない!!いい子なんです。

溝口さん ありがとうございます!!嬉しいです。藤原さんを見ていると、この世界で長く続けている方ってやっぱり人柄がよい方ばかりだと凄く実感します。優しさ、芝居に対する誠実さがあって。藤原さんは全然上から目線でないので、そこがまた素敵だなと。舞台の上に立つと親身になって相談に乗ってくれるんですよ。

キネマとキノドラマ。どっちから観て欲しい?

『怜々蒐集譚』はキネマとキノドラマ(舞台)というふたつの表現方法を取る事になりますが……おふたりからのオススメの鑑賞の仕方ってありますか?

藤原さん どこに視点を当てるか次第かなと思うんです。乙貝というキャラクター、もしくは乙貝を演じる相馬圭祐という役者が好きな人はシネマから、出泉と南のコンビが好きな方はキノドラマからをお勧めしますが、何も知らない方はどちらから観てもいいと思いますよ。ひとつの作品をキネマとキノドラマという違う表現の仕方で形にしましたが、3人の動きの根幹にあるのがキネマなので。

溝口さん えーっと……原作をご存知の方であれば僕はどちらから観てもいいと思います。原作の世界観を分かっていらっしゃると思うので。そしてこれが「初めまして」の方は強いて言うならばキネマを先に観て人物関係を把握してからキノドラマを観るといいかも。「だからこんなにココで敏感に反応するんだ」と分かると思うんです。とはいえ、キネマとキノドラマは中心となる人物も異なるし、同じ時代ではない。出演者も一部違うので、キネマをご覧になるとキノドラマが気になり、キノドラマを観るとキネマが気になる……結局どっちも観る事になるんじゃないかな()

藤原 片方を観たらもうひとつも気になって仕方がなくなると思いますよ。

 

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普段のファッションに某所からNG!?

最後に、おふたりが普段のファッションについてどのようなこだわりがあるのか、聞かせてください。

溝口さん 高校生の頃はジャージで十分だったんです。稽古場と家の往復生活だったので。でも事務所から「それはいかがなものか?」と強めの指摘をされまして()。自分でも「ちゃんとしよう、人前に出る仕事だし何とかしないと」と思ったんです。で、自宅の近くに洋服屋さんを見つけまして。小さいお店なので店に入った瞬間そこにあるものが全部目に入るので、気に入ったものがあったら買って、なかったら買わない……となりました。大きな店に行くときは目的買い、何かないかなと探すときはその小さな洋服屋さんに行くようになりました。

 

好きな色は変わりましたか?以前インタビューしたときは「黒と青」っておっしゃってましたけど。

溝口さん 青が担当カラーでしたしね。今日着ているグレーのコートは僕の中では明るい色なんです。最近少しだけ挑戦しているんです。でも好きな色は変わらないですね。

 

藤原さんのファッションのこだわりは?

藤原さん 僕はストライプとドットが好きで、特にストライプのジャケットはたくさん買って着ていたんです。そうしたらあまりに似通ったデザインばかりだったので「あいつ、いつも同じジャケットを着ている」と指摘が入り、事務所から「ストライプNG」が出てしまいまして(笑)。今は意図的に外していますが、やっぱりストライプが好きなんですよ!!

おふたりとも事務所NG()。似た者同士なのかもしれないですね()

溝口さん・藤原さん (笑)

profile

溝口琢矢
1995年5月9日生まれ。東京都出身。
2007年俳優デビュー。代表作に、仮面ライダーシリーズや、NHK大河ドラマ「天地人」など。
2018年には、5次元アイドル応援プロジェクト「ドリフェス!」DearDream 及川慎役で声優・キャストとして武道館ライブ2DAYSも成功させるなど幅広い活動で注目を集める。6月には、ミュージカル『リューン~風の魔法と滅びの剣~』への出演を控えている。

藤原祐規
1981年4月24日生まれ。三重県出身。
主に舞台・声優として活躍中!出演作品として舞台おん・すてーじ『真夜中の弥次さん喜多さん』、
『ペルソナ3』シリーズ。アニメ『DOUBLEDECKER!ダグ&キリル』、『この世の果てで恋を唄う少女YU‐NO』など多数の舞台・アニメ作品に出演。

 

インタビュー後、稽古の模様を見学させていただきました。キャラクターの動きひとつひとつに細やかな演出を加えていく八鍬さんの指示のもと、溝口さん、藤原さん、そして葛葉役の味方良介さんや乙貝役の相馬さんが時にはその場でお互いに話し込み、あるいは八鍬さんの指示を自身の言葉や表情、身体の動きに翻訳して確認を取りながら作りあげていく様が印象的でした。 

相馬圭祐さん 

味方良介さん

 

【公演概要】

タイトル キネマ(映画)・キノドラマ(舞台)連動興行『怜々蒐集譚』

日程・会場 2019217 () 2019226 () 新国立劇場・小劇場

原作 石原理「怜々蒐集譚」シリーズ(株式会社リブレ)© Satoru Ishihara / libre 2018

舞台演出 八鍬健之介

映画監督 武島銀雅

出演

溝口琢矢/南(みなみ)

藤原祐規/出泉七朗(いでいずみななお)

味方良介/幽興斎葛葉(ゆうきょうさいくずは)

相馬圭祐/乙貝紅葉(おとがいこうよう)

相葉裕樹/烏鷺公外(うろこうがい) キノドラマのみ

鯨井康介/来島(くるしま)  ほか

公式ホームページ https://www.zuu24.com/rrsysy/

■公式twitter @rrsysy_zuu

(2019,02,13)

photo:NORI(溝口さん、藤原さん)/Saki Komura(稽古場)

Interview&text:Saki Komura

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