高橋惠子さん、早霧せいなさんが出演する舞台『まほろば』が4月7日(日)、東京芸術劇場シアターイーストにて開幕しました。(出演者の急な体調不良のため、2日遅れでの開幕となりました)

蓬莱隆太さんが手掛けた本作は、2008年に新国立劇場にて初演され、翌年の岸田國士戯曲賞を受賞し、2012年には再演もされている名作です。女たちが“妊娠”、“家”、“血脈”という奥深いテーマに向かい合うこの作品を、今回は劇団チョコレートケーキの日澤雄介さんによる新演出版での上演となりました。

囲み会見には高橋さん、早霧さん、日澤さんが出席。

日澤さんは、本作のキャスティングについて「ある種、逆のキャラクターがぶつかりあうことを目指してお声がけをさせていただきました。高橋恵子さんは上品な、すごく気品のある感じのイメージですが、このヒロコは逆のイメージ。稽古場では聞いたことのない高橋さんの声が聞けるのが非常に面白かったです」と振り返り、続けて早霧さんの事は「宝塚歌劇団のトップスターだったので、華のある、かっこいい綺麗な印象。それがミドリというガサツでだらしない役を演じる真逆さ」をピックアップし、「早霧さんはコメディエンヌなので、その部分を非常に期待していただきたい」と強調していました。

そういわれた早霧さんは「ストレートプレイは初めてなんです。音楽や歌詞、振付などに頼ってずっとやってきたということを実感しました。だからこそ台詞劇に挑戦できる実感もありますね」と謙虚さと共に挑む姿勢も垣間見せていました。

高橋さんはこの作品について「一人一人のドラマが描かれているので、誰が主役っていうのはないです。だって実際の家族でも誰かが主役っていうのはないでしょう?そこが面白いんです」と語ると隣で早霧さんが母を見るようにやわらかな微笑みを浮かべてうなづいていました。「『まほろば』とは素晴らしい場所という意味があるそうで、それがこの家族なのかも。平成最後のこの月に、この作品ができる事を日本人として大事にしていきたいですね。時代が変わっても『こういう言葉って大事だよね』と思ってもらえるように」と想いを込めていました。

本作の舞台である長崎県の出身である早霧さんは「長崎の方言も飛び出します。それを誇りに思います。出演出来てよかったなと思います」と胸を張っていました。

ゲネプロでは開演前のアナウンスが長崎弁になっており、どこかほっこりとしたムードで幕が開きました。この日公開されたのは冒頭の第一場。都会の生活で付き合っていた彼と別れ傷心で地元に戻ってきた長女ミドリ(早霧さん)に「彼とヨリをもどせ、結婚して子どもを産み、この家の血を絶やすな」と追い込む母ヒロコ(高橋さん)とやり取りがコミカルで会場からも笑い声が。一方次女キョウコ(中村ゆりさん)が付き合っている(らしい)相手が昔からなさぬ仲の家の人物と聴いて断固拒否する母。さらにミドリとキョウコがものをなげあうくらい激しいきょうだいケンカを繰り広げる様が、ごく普通の家庭にありがちなリアルな光景を観ているようでした。なんといっても元トップスターらしい凛々しく気品ある姿を見せる事が多かった早霧さんが、がさつで胡坐をかき、ずんだれた(だらしない)姿を見せている事、またそれが不思議とハマっている事に昔からのファンはびっくりするかもしれません。早霧さんの新たな一面は必見です。

舞台『まほろば』は4月21日まで東京芸術劇場シアターイーストにて、その後大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて、4月23、24日に上演されます。

 

【公演概要】

■タイトル 舞台『まほろば』

■日程・会場

東京公演:2019年4月5日(金)~4月21日(日) 東京芸術劇場 シアターイースト

大阪公演:2019年4月23日(火)~4月24日(水) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

■出演

高橋惠子 早霧せいな 中村ゆり

生越千晴 安生悠璃菜 八代田悠花 三田和代

■公式ホームページ https://www.umegei.com/mahoroba/

(2019,04,08)

photo&text:Saki Komura

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