2017年5月から6月にかけ、KAAT神奈川芸術劇場ほか、京都、北九州、兵庫で上演され、大好評を得た舞台『春のめざめ』。そして初演から2年。初演を観劇してこんなに演じたいと思った役はなかったと語る岡本夏美さんがヒロイン・ヴェントラを演じます。そんな岡本さんに作品への想い、演じるヴェントラへの想いをたっぷり語っていただきました。

 

−『春のめざめ』を演出される白井晃さんの印象を教えてください。
芸術監督としての考えているもの、こう表現したらいいっていう芯のある演出をされるという印象です。オーディションの時もヴェントラのセリフをいただいて、それを覚え、白井さんが相手役になって、その時からすでに、演出を受けさせてもらい、その時にいただいたアドバイスもすごく的確でした。遠くに飛ばす時に出る声の声量や、舞台でのセリフの吐き出し方もオーディションで教えていただきました。言葉でその空間に居させてくれているような演出で、今病院の一室にあなたは閉じ込められて居て、窓の外は晴れてるけど風が少し強くてという言葉でその空間の中にいるヴェントラを想像させてもらえる感じで演出をして頂いていたので、役者の気持ちが乗りやすいように、的確な演出をつけてくださるという印象です。稽古中には、きっと「そうじゃない」と言われて、役者自身が考えるということもあると思うのですが、それも全部ひっくるめて正解のやり方をしてくださるんだろうなという思いがあります。THE・天才演出家というイメージです!!たまに冗談を言ってくださるので、そういう部分も楽しいなと思います。

 

−「春のめざめ」に出演すると決まったときはどんな気持ちでしたか?
事務所の方から「決まりました」という電話がかかってきて、とにかく嬉しかったですね!!舞台を観てこの役を演じたいと思ったのはヴェントラが初めてでした。前回の上演を拝見させていただいたときは、再演があるということはもちろん知らない状態での2年前、悔しかったんです。この作品が素晴らしすぎて、そしてヴェントラという役に感情を持っていかれてしまっていたので、こういう役を演じたかったな。どうして私にはこの役を演じるチャンスがなかったんだというすごく悔しい気持ちでいっぱいでした。「春のめざめ」に出演できるかどうかはわかりませんでしたが、ちょっとでも白井さんに近づけるように役者としてもっともっと成長したいなと当時思っていたので、「春のめざめ」が再演するっていうこともびっくりしましたし、ヴェントラの役をオーディションで受けられるということにもビックリしました。本当に奇跡的だなと感じ、「だったら絶対にやるしかない」という想いで、オーディションに挑んでいたので、決まった時はとにかく嬉しかったです。ヴェントラを通して、白井さんからいろいろな言葉を頂いて、役者として大きくなりたいと思っています。

 

−この作品への想いがすごく溢れているのを感じますね。
ヴェントラとしてどう生きて行くのかという未来の自分にワクワクしています。

 

主人公・メルヒオールを本作が舞台初主演の伊藤健太郎さんが演じます。伊藤さんの印象を教えてください。
肝が座っているというか全く物怖じしないのかなっていう風に思っていました。個人的な印象ですが、製作発表の時もすごく笑って話をしていましたし、度胸があって心強い!!メルヒオールとヴェントラは幼馴染で近い距離にある役柄だと思うので、困ったときに頼りになる座長だと思いますし、伊藤さんの力をお借りできればなと思っています。

 

−この作品の主人公と同じご自身が14歳の頃の思い出を教えてください。
14歳の時に初めてオーディションを受け、「おはスタ」のおはガールに決まり、初めての大きな仕事で、そこから人に見ていただく機会が増えた瞬間でもあったので、自分のたくさんあるターニングポイントの中のひとつだったなと思っています。私自身大人っぽく見られていて「頼りにしてるね」とか何かあったときには私に、みたいな空気感があり、プレッシャーに感じるところがありました。ヴェントラも身体は大きくなっているけど、心がまだまだそんなに追いつかない。でも大人の世界にも興味があってというところがあるので、そういう部分では通じるものがあるなと思います。私が14歳の頃は、普通に日焼けをして遊んでました。本当に普通の中学生だったなと思います(笑)。その中でもやりたいことがどんどん明確になっていって、ファンの皆さんや応援してくださっている皆さんに楽しんでいただきたいという気持ちが芽生え始めた頃だと思います。

 

−その当時、岡本さんが感じた大人の人のイメージはありますか?
周囲への気遣いができて周りが見えている方は大人だなと思っていました。ちょっと誰かの様子がいつもと違った時に、ふわっと声をかけている方ですね。当時中学生で繊細な時期、若い子も多い番組でご一緒した山寺宏一さんは、私の子供っぽいところも含めてすべてを大切にしてくださった方です。今でもご連絡くださったり、食事に連れて行ってくださるんです。そういう包容力のある方、周りを気にかけることができる方は素敵だなと思います。

−岡本さんご自身の中で、大人になる過程でもがいたことはありますか?
高校を卒業してから学生という看板が外れて、私は世間でいう社会人です。年齢だけだと大学生の友達と同じですが、お仕事で大人の方と接する機会も多かったので、二十歳を迎える前は本当に大人と子供の狭間にいるような感覚がありました。心配なこと、不安なこと、マイナスに思ってることはたくさんあるのに、そうじゃないと自分に嘘をついてしまい、どんどんマイナスな気持ちが膨らんで自分自身が苦しくなってしまう時期もありました。二十歳になってから環境が少しずつ変わっていく中で自分に素直でいいし、怖かったら怖かったでいいし、楽しかったら楽しいでいい。良い意味で自己中心的にやってもいいんだなと思った瞬間にちょっと気が楽になって、ちゃんと自分に嘘をつかずにやっていたら、周りもきちんと評価してくださるし、たくさん言葉をかけてくださる。自分にしっかり寄り添ってあげることが、私の中で大人になったんだろうなと思える時間でしたね。

 

−様々な想いを重ねて、お仕事の上でもそうですが、精神的にも成長されてきた岡本さんの経験も踏まえて、ヴェントラをどう演じたいと考えていらっしゃいますか?
思春期の子供が感じる気持ちの揺れやぶれは、誰しもが通ると思います。自分で解決できる人もいるかもしれないけど、その繊細な揺れのまま大人になっていき、大人として自立してから変わっていくという方も多いと思います。私もたくさんぶれながら揺れながら過ごしてきた学生時代でしたので、ヴェントラを子供役とかではなく、ひとりの女の子として、ひとりの人間としてしっかりと細かい気持ちの変化や移り変わりを演じられたらいいなと思っています。メルヒオールとヴェントラが起こしてしまった事柄がこの作品においてはすごく重要なテーマであり、要素であると思うので、ぼかさずにクリアにそういう性的なことも含めてしっかりとお客さまに伝えていけたらいいなと思います。実際に私が観た時も苦しくなる場面や、残酷とか恐怖を感じる部分もありましたが、オブラートに包むのではなく、しっかりと心に提示していけたらと思います。

 

−お話をうかがって、ますます岡本さんがどうヴェントラを演じるのか楽しみになりますね。岡本さんご自身が感じる舞台の魅力は何でしょうか?
たくさんありますが、稽古日数がすごく長いのでひとつの作品について考える時間が多くあり、その中で本番を迎え、千穐楽を迎えという1ヶ月の集大成を見せる場ですね。芝居づけの毎日ってすごくいいなと思っています。生で感じる汗や声の質を直で感じていただける場だと思っています。カメラを通してご覧いただくドラマや、スクリーンを通してご覧いただく映画とはまた違った芸術があるなと思います。それが舞台の魅力だと思います。

−この作品をご覧になっていただいたお客さまにどんな気持ちを持って帰っていただきたいって思っていますか?
きっと世代によって、性別によって、お子さんがいらっしゃるかどうかでも感じることは違うのかなと思いますが、生きるということと性が隣り合わせだということが少しでも心に残れば嬉しいなと思います。

 


岡本夏美さんのこの春のファッションのこだわりはここ!!
セットアップ、半ズボンタイプのものがたくさん出ているので、あまりセットアップは挑戦したことがないのですが、この春はちょっと挑戦してみようかなと思っています。
アイテムでは帽子は結構好きで、乗馬ガールのようなハットや変わったキャップも好きです。お洋服もシンプルでもみんなと被らないものが好きで、スタイリストさんとかファッションに触れている方に「その服かわいいね」と言っていただけるものを身に付けたいなと思っています!!

【profile】
1998年7月1日生まれ。神奈川県出身。
2011年度『ラブベリーモデル・オーディション』グランプリ受賞しモデルデビュー。
2012年4月から『おはスタ』におはガールとして出演。2013年に『夜行観覧車』でドラマ初出演。2019年1月発売の『non-no』から専属モデルとして活動。5月には、西洞院百合子役で出演した映画『賭ケグルイ』の公開が控えている。


【公演概要】
■タイトル KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『春のめざめ』
■日程・会場
神奈川公演:2019年04月13日(土)~2019年04月29日(月・祝) KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
東広島公演:2019年5月6日(月・振休)  東広島芸術文化ホールくらら 大ホール
兵庫公演:2019年5月11日(土)〜5月12日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
■原作 フランク・ヴェデキント

■翻訳 酒寄進一

■音楽 降谷建志
■構成・演出 白井 晃
■出演

伊藤健太郎 岡本夏美 栗原類
小川ゲン 中別府葵 古木将也 長友郁真 竹内寿 有川拓也 川添野愛 三田みらの
あめくみちこ 河内大和 那須佐代子 大鷹明良
■公式ホームページ https://www.kaat.jp/detail?url=harumeza2019

(2019,04,13)

photo:Hirofumi Miyata
interview&text:Akiko Yamashita


☆PRESENT☆

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