6月に三越劇場で上演される新派公演『夜の蝶』河合雪之丞さん演じる葉子、そして今回新派初出演となる篠井英介さん演じるお菊。開幕を前に合同取材会が行われました。
浴衣の稽古着で登場した河合雪之丞さんと篠井英介さんのきりっとしたスタイルに思わずため息が溢れます。

6月に上演される新派公演『夜の蝶』について河合雪之丞さんは、「この作品は題名の通り、夜の銀座を舞台にした作品で、川口松太郎先生の傑作です。過去に2度舞台化されていますが、(葉子とお菊を演じるのは)女方と女優さんという形でした。今回は初めて篠井さんに参加していただき、女方同士で初の『夜の蝶』になります。親子劇の部分が色濃く出ていた作品ですが、せっかく女方同士なので、女同士のバトルをしっかりとご覧いただきたいと思い、脚色・演出の成瀬芳一先生にお願いして、少しニュアンスの違った『夜の蝶』に仕上げて行きたいと思っている」と語り、「初の女形同士の『夜の蝶』をどう見せて、お客さまにどのように楽しんでいただけるかということを日々試行錯誤しています。一味違ったものをと稽古に励んでいます」と意気込みを語り、今回新派初出演となる篠井英介さんは、「今回の『夜の蝶』は、女方ふたりが女の戦いをするというところがポイント」と作品の見どころをしっかりとアピール。

そして「100年以上の歴史があり、歌舞伎や現代劇とは違う日本の良い郷愁を誘い、風情のある独特なお芝居を作り続けてきた新派に呼んでいただき、やっぱりちょっと怖かったですよ。歴史と格式のある劇団に飛び込むというのはなかなか勇気のいることでしたが雪之丞さんと喜多村緑郎さんがいらっしゃるなら」と初参加への想いを語り、「この作品は、僕らがイメージする新派より少し新しくて、昭和30年代の高度成長期の日本。これから新幹線はできるわ、オリンピックは来るわ、テレビは来るわ、洗濯機も来たという本当に良い時代。ちょうど僕らが子供の生まれ育った時代。そういう活気のある日本の夜の銀座ってきっと凄かったと思うんですよ。お客さんには、政財界、文壇、そういう人たちが入り乱れて、ゴージャスな、そして、新派らしい優しさ、情があるんです。女の戦いと言っても殴り合う訳ではなく、独特の皮肉、嫌味、そして火花みたいなものが見えることが面白い。口先は優しい優しいけど、実は・・・っていうのはワクワクするし面白いじゃないですか(笑)。そして根底にある情愛は忘れられないでいるという兼ね合いがとても面白いと思います。映画は最後ふたりの主役は死んでしまうのですが、新派の作品は、素敵な形でエンディングを迎えるので、ほっこりした気持ちでお帰りいただけると思います。あとはもう少しコミカルなところもあっても良いかなっていう欲もあります」と笑顔で語る篠井さん。

現在お稽古真っ最中!!お稽古場の雰囲気は、「とても良くて、個々の意見も伝え、若い人たちにはしっかり指導もしています。そういう中で演出家の先生、作曲家の先生とのコミュニケーションもしっかり取れています。全員が一丸となって、この『夜の蝶』という作品を良いものにしたいという雰囲気があふれています。ある程度の緊張感もあり、みんなが集中してお稽古場らしいお稽古場です」と雪之丞さん。

お稽古場での雪之丞さんは、「粋で、洒落ててかっこいい。雪之丞さんが演じる葉子は、これぞ新派の女方の演じるべきかっこいいお役なので、自分が出てないところでは見惚れています」という篠井さん。

お互いを信頼し、とても雰囲気の良いおふたりが舞台上でどんなバトルを繰り広げるのか、そして新派ならではのエンディングにもぜひ注目ください。

 

【公演概要】
■タイトル  六月花形新派公演『夜の蝶』
■日程・会場
2019年6月6日(木)〜6月28日(金) 三越劇場
■出演
喜多村緑郎  河合雪之丞  瀬戸摩純  山村紅葉  篠井英介 ほか
■公式ホームページ https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/shinpa201906/

(2019,06,05)

photo:Hirofumi Miyata

text:Akiko Yamashita

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