ミュージカル『イノサンmusicale』の記者会見が6月24日、都内にて行なわれ、主演を務める古屋敬多(Lead)さんと、梶裕貴さん、武田航平さん、太田基裕さん、浅野ゆう子さん、そして演出の宮本亜門さん、脚本の横内謙介さん、楽曲を提供するMIYAVIさん、音楽監督・作曲を務める深沢桂子さんが登壇しました。

 

本作は、坂本眞一さんが手掛けた漫画「イノサン」と「イノサンRouge(ルージュ) 」を原作としたミュージカル。「イノサン」とはフランス語で「Innocent(イノサン)」、英語の「Innocent(イノセント)」を意味し、フランス革命の“闇”の立役者であり、実在した死刑執行人一族・サンソン家の兄シャルルと妹マリーの壮絶な人生が描かれます。兄シャルル役を古屋さん、妹マリー役を中島美嘉さんがW主演で務めることとなりました。

会見冒頭で、まず壇上にあがったのは宮本さんと横内さん。
宮本さんは「この話を受けたのがなんと今年始まってから、癌の宣告があった後、話が来たんです」とご自身にとっても忘れられないタイミングだったと打ち明けました。「今までやった事がない2.5次元的なものが自分にできるかなと思っていたら“2.5次元でないものを”とプロデューサーから言われ、“だったら思い切ってチャレンジさせてください”と答えました」と決定の背景を語りました。

一方、横内さんは「2.5次元ものはたくさんやっているんですが、この作品は2.5次元に留まらせておく事はしたくないな、2.5次元を超えてしまおう」ときっかけを話していました。そして本作について原作者の坂本さんと話をしたところ「僕らが知っている歴史はどれだけ偏って描かれてきたのか。フランス革命もマリー・アントワネットという奇跡的に女性がいましたが、結局は、男社会の中で右だ左だと語られ、そこに女性がいたことすら考えられていない、それをひっくり返すことを考えなければいけない」と本作のテーマについて触れました。
「日本は女性の参画が当たり前となってるけれど、一方で医学部の受験で全然違う点数をつけられる。これはマリーから見た怒りと通じるものがあると思います。つい男から見た世の中ばかりを語ってしまうけど、とことんやりたいです」と意気込んだ横内さんでした。

 

宮本さんも坂本さんに会った時の話を口にします。「坂本さんは現代の日本の差別への怒りを持っていて、なかでも女性に対する差別が多すぎて、その想いを『イノサン』にぶつけたというところから(話が)始まった」それを聴いた宮本さんは、「“だからか!!”と。綺麗なフランス革命や歴史ものになると思いきや、残虐で生々しく見たくないものも見せられてしまう漫画。坂本さんの漫画は美しく収まる物を見事に打ち崩している大変チャレンジ精神の強い漫画」であると敬意を表します。続けて「演出は(フランス革命など多数手がけてきた)小池修一郎さんの方がいいのかな?と思ったんですけど(笑)、小池さんとは違う、ある意味生々しく、リアルなフランス革命を舞台にできるのではないか」と自身が携わる意義を確認するかのように語っていました。

続いてステージ上に登場したのは深沢さんとMIYAVIさん。

深沢さんは「元々ギターが好きでMIYAVIさんのギターが大好きだったので、今回一緒に仕事が出来る事を光栄に思っています」また本作で描く音楽の世界については「やはりロックかな。その時代の中で女性の生き方から差別され、“最悪!!”と言いながらバンバン男を斬っていったマリーのたくましさが音楽の中でも表現できたら」と構想を述べました。

 

また、MIYAVIさんは「宮本亜門さんの熱い想いと原作の世界観がすごく強烈だったので、正直僕になにができるのか迷った部分もあったんですけど、登場人物それぞれが信念に懸けるパッション、その熱量を僕は音楽で表現したいと思って」と参画した背景を語りました。

宮本さんは特にMIYAVIさんについて、以前東京オリンピック・パラリンピックのイベント(「東京2020参画プログラム 文化オリンピアードナイト」)で関わった時の印象が衝撃的だったと語ります。「彼の音楽性とパッションが本当に好きで、『イノサン』の世界にぴったりだと思っていて。作ってきてくれた曲を聴いたときに身震いしました。これだ!!今までにない世界観があった!!」と熱くリスペクト。
その言葉に思わず笑顔を浮かべるMIYAVIさんは、「原作を読ませていただいた時、衝撃で、“自分が関わってもいいのかな?”と。死生観を含めて、まだ正直、理解しきれていない部分もあるんですけど。男女平等、女性の権利、そしてあの時代の“生きる”ということに対して渇望している人々のパッションを自分もギターで表現できればなと思いました。そしてこの作品は日本だけではなく、パリでも上演されるということで、日本発の作品として世界でも観てもらえる事を楽しみにしています」と期待を込めました。

 

会見後半では古屋さんはじめキャストが舞台上に登場。それぞれに自身が演じる役を説明しつつ、意気込みを見せていました。

処刑人一族の長男、シャルル-アンリ・サンソン役を演じる古屋さんは、「シャルルは、過酷な時代背景のなか、死刑執行人という一家のなかに生まれて、壮絶な人生を送った方なんですけれど、演じるにあたりその辺をよりリアルに演じていけたらいいなと思っています。あとはなんといっても“美しさ”を常に意識しながら表現していきたいと思っています」。

 

マリーが恋したただ一人の男性、アラン・ベルナール役を演じる梶さんは「フランスとアフリカの混血の青年で、褐色の肌や黒髪がこの時代異質なものとして映るんです。その点が原作でも大きな部分となるんですが、アランは誇り高く、真っ直ぐ意志を貫く青年でとても共感できる男だなと感じています」。

 

梶さんとWキャストでアラン・ベルナール役を演じる武田さんは「梶くんがほとんど言ってしまった」と苦笑いしつつも、「アランは純粋に夢や希望を歌いながら時代と戦っていく男だと思うんです。そこが観てくださるお客さまにとってもこの世界に入り込みやすい役柄だと思うので、僕も声高に夢や希望を堂々と演じたいです」。

 

後の国王ルイ16世となるルイ・オーギュスト役の太田さんは「フランスという国に対して絶望を感じながらも、もがきながらフランスと戦い続けた人物。この耽美な世界観のなかで人間臭く、繊細に演じていけたら」。

 

最後にサンソン家の絶対女君主であり、シャルルとマリーの祖母であるアンヌ・マルト役の浅野さんは「私、ミュージカルは30数年ぶり。さらにロック・ミュージカルなんですね!!今衝撃を受けています」と笑いを誘いつつ、自身が演じるアンヌについて「シャルルやマリーを立派な処刑人に育てるために、今では許されないだろう“折檻”をするんです。マリーにはやり返されるんですが。それがどの程度のものなのか、楽しみにしていただけたら」。また浅野さんは「アンヌは怖くて厳しい女性なので」と言いながら古屋さんに向かって「頑張って耐えてね。折檻するから」というと、古屋さんだけでなく梶さんや、武田さん、太田さんも大笑いしていました。

なお、会見中にはマリー-ジョセフ・サンソン役を演じる中島美嘉さんからのメッセージも読みあげられました。
中島さんは「イノサン」との出会いについて「ふらっと立ち寄った本屋さんで、とても綺麗な絵だなと表紙に惹かれ、思わず全巻買いしたところからでした」とコメントし、その後TV番組にて、ずっと会いたかった坂本さんとの対談も叶い、「そして今回『イノサンmusicale』のお話もいただき、私の大好きなマリー-ジョセフ・サンソンを演じさせていただけること、とても光栄に思っております。初めてミュージカルに挑戦させていただくので不安も大きく、今から緊張していますが全力で頑張らせていただきます」と熱い想いを綴っていました。

 

『イノサンmusicale』は、11月29日から12月10日まで、東京・ヒューリックホール東京にて上演。2020年2月にはフランス・パリでも上演されます。

 

【公演概要】
■タイトル 『イノサンmusicale』
■日程・会場 2019年11月29日(金)~12月10日(火) ヒューリックホール東京
■原作 坂本眞一(『イノサン』『イノサンRouge(ルージュ)』集英社刊)
■脚本 横内謙介
■演出 宮本亜門
■出演
マリー-ジョセフ・サンソン役:中島美嘉
シャルル-アンリ・サンソン」役:古屋敬多(Lead)
アラン・ベルナール役:梶裕貴 武田航平(Wキャスト)
マリー-アントワネット役:小南満佑子
ジャック役:荒牧慶彦
フェルゼン役:鍵本輝(Lead)
オリビエ役:多和田任益
デュ・バリー役:貴城けい
アンドレ役:前山剛久
グリファン役:佐々木崇
ド・リュクセ役:林明寛
ルイ16世役:太田基裕
アンヌ・マルト役:浅野ゆう子
■公式ホームページ https://jnapi.jp/stage/innocent/index.html

(2019,06,25)

photo:Akiko Yamashita/text:Saki Komura

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