歌舞伎座の今月の上演は、『芸術祭十月大歌舞伎』。
昼の部では、「廓三番叟」、「御摂勧進帳」、「蜘蛛絲梓弦」、「江戸育お祭佐七」の4つの演目。
夜の部では、「通し狂言 三人吉三巴白浪」、「二人静」の2つの演目が上演されています。

昼の部のひとつ目の演目は「廓三番叟(くるわさんばそう)」
見どころは、奏でられる音と踊りの調和の心地良さ。終盤の3人の総踊りはぜひ注目してご覧いただきたいシーン。そして、扇雀さん演じる傾城千歳太夫の艶やかな衣裳がとても豪華!!
お庭を見立てた雪吊りの松に、襖に描かれた竹と梅の松竹梅、床の間に飾られたお正月飾りが華やかさをプラスしてくれます。細かい演出にも注目しながらご覧いただくとより楽しめます。

『廓三番叟』左より新造=中村梅枝さん、傾城=中村扇雀さん、太鼓持=坂東巳之助さん

 

ふたつ目の演目は「御摂勧進帳(ごひいきかんじんちょう)」
見どころは、カラフルでアクセントの効いた鮮やかな衣裳の色使い。そして、愛之助さん演じる富樫左衛門家直の水色の衣裳。片袖だけが凧のように張りのある袖になっていて、不思議なかたちのこの衣裳は、龍神巻(りゅうじんまき)という歌舞伎特有の衣裳ですので、ぜひ注目してご覧ください。

そして勧進帳と言えばやはり気になるのが弁慶です。この作品では、勇猛で機転が利いた振舞が魅力的。その一方で、松の木に縛られてめそめそと涙をみせる意外な姿をみせるもこの作品の見どころです。江戸の荒事の趣向を存分に楽しめる演目です。

『御摂勧進帳』左より武蔵坊弁慶=尾上松緑さん、富樫左衛門=片岡愛之助さん、斎藤次祐家=坂東彦三郎さん

 

三つ目の演目は「蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)」
見どころは、愛之助さんの5役の早替りと見事な踊り分け!!小姓、太鼓持、座頭、傾城、蜘蛛の精の演じ分けの素晴らしさそして、ちょっとサプライズ感のある演出を楽しめる演目です。

『蜘蛛絲梓弦』左より蜘蛛の精=片岡愛之助さん、源頼光=市川右團次さん

 

四つ目の演目は、「江戸育お祭佐七(えどそだちおまつりさしち)」
菊五郎さん演じるお祭佐七と時蔵さん演じる芸者小糸の恋物語。第一場の江戸時代の神田祭の賑わいや第二場での、佐七の家での生活の場面では、客席にいながらもその時代の雰囲気を感じながら楽しめます。そして、後半では様々な陰謀や策略が小糸に仕掛けられ、ふたりはどんな結末を迎えるのか。ドキドキしながら現代でいうサスペンス的な要素も楽しめる演目です。

『江戸育お祭佐七』左より芸者小糸=中村時蔵さん、お祭佐七=尾上菊五郎さん

 

『芸術祭十月大歌舞伎』は、まさに芸術祭というタイトルにぴったりな作品が勢ぞろい!!
歌舞伎を初めてご覧になる方にもオススメの作品が並びます。10月26日(土)までの上演です。
ぜひ歌舞伎座へ足を運んで芸術の秋のひとつとして観劇してみてはいかがでしょうか。

【公演概要】
■タイトル 『芸術祭十月大歌舞伎』
■日程・会場 2019年10月2日(水)〜10月26日(土) 歌舞伎座
■公式ホームページ https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/638/

Photo:オフィシャル提供