1月16日(木)、都内にて『CHESS THE MUSICAL』の稽古場の模様が公開されました。
米ソの冷戦時代に開催されたチェスの世界一を決める選手権を舞台に、そこに携わる人々の様々な思惑や、国の威信、男女の愛といったすべてを賭けた戦いを描いた大人気ミュージカル。音楽グループABBAのメンバーのベニー・アンダーソンさんとビョルン・ウルヴァースさんが作曲し、ティム・ライスさんが原案・作詞を担当しました。新演出版となる今回は演出・振付をニック・ウィンストンが務め、ロンドン初演版の台本を使用して上演されます。

写真左から演出・振付のニック・ウィンストンさん、ルーク・ウォルシュさん、ラミン・カリムルーさん、サマンサ・バークスさん、佐藤隆紀さん

 

稽古には『オペラ座の怪人』『レ・ミゼラブル』などに出演した世界的ミュージカルスター、ラミン・カリムルーさん、映画『レ・ミゼラブル』でエポニーヌ役を演じたサマンサ・バークスさん、『ROCK OF AGES』に出演した英国期待の若手の星、ルーク・ウォルシュさん、そしてLE VELVETSの佐藤隆紀さんが登場し、日本でも“歌うま”で知られるアンサンブルの方々と共に楽曲を披露しました。

スタート前、ステージの脇でスタンバイしているアンサンブルの方々がこちらの方を指さして何やら盛りあがっています。その目線を追うと、我々取材陣の後方で出演者のエリアンナさんが自前のスマホで一緒に撮影している姿が。エリアンナさんが違和感なく取材陣に溶け込んでいて思わず笑ってしまいました。

さてこの日、稽古で公開されたのは4曲。1曲目はアービター役の佐藤さんが「The Story of Chess」を、続いてフローレンス役のサマンサさんが「Nobody’s Side」を、フレディ役のルークさんが「Pity the Child」を、そしてアナトリー役のラミンさんが「Anthem」を歌いあげました。

「The Story of Chess」ではまるでチェスの駒のように機械的に動き歌うアンサンブルの間を分けるように佐藤さんがステージ奥から登場し、太く伸びのあるたくましい歌声を響かせます。

その後、サマンサさんがソロで登場し、華のあるキラキラした歌声で「Nobody’s Side」を熱唱。ともすると日本人キャストより細いのでは、と思うスレンダーボディからは想像できない声量で稽古場をサマンサ色に染めあげます。

その後登場したルークさんは独り言を言っているように「Pity the Child」を歌い出しますが、ステージ上に置かれたチェスの駒を手に取り投げつけ、いらだちをぶつけるように音程を徐々にあげ、最後はハイトーンボイスで歌っていました。

最後に登場したラミンさんはスーツケースを手に移動中、マスコミの取材攻勢に遭い、そこで思いの丈を歌で表します。ラミンさんの歌声はまさに神から与えられたギフト。低音から高音まで圧倒的な声量で聴く者すべての心を震わせ、わしづかみにし、そして熱量を持ってぐっと包み込むのです。ラミンさんが歌い終わると稽古場に響き渡る拍手と歓声、指笛の音も。マスコミのなかには涙を流しながら拍手を送る人の姿もありました。

 

稽古披露の後に行われた会見では、ラミンさんがまだ稽古に参加して2日目だという話が入り、その状態でこの完成度かと驚きが走ります。ラミンさんは笑顔で「また日本に来られて嬉しいです。きっと良い作品になると思いますので、ぜひ来てください」と語っていました。

 

そんなラミンさんから日本語を習っているという初来日のサマンサさんは「日に日に日本語が上達していますよ!!」と愛くるしい笑顔を振りまきつつ「『CHESS』は音楽がとてもおもしろいんです。今は劇中の楽曲『One Night In Bangkok』にハマって、同居する家族の頭がおかしくなるくらい家でガンガン流していました」と笑わせていました。

サマンサさんと同じく初来日のルークさんも「この作品を経験できるのは素敵な事ですね。また、日本のアンサンブルの皆さんが本当に素晴らしいです」と褒め称えていました。

 

最後に佐藤さんですが、ここまでの流れに乗っかって「Hello JAPAN!!My name is SUGAR!!」とワザと英語で挨拶を始め、皆の笑いを誘っていました。日本語に戻した佐藤さんは、「このキャストたちの歌声は奇跡だと思います。そして来日している皆さんに追いつけ追い越せの気持ちで、日本のキャストも頑張っていますよ」と仲間たちに尊敬の念を送りつつ「ご期待ください」と公演に向けて意気込んでいました。

『CHESS THE MUSICAL』の公演は1月25日(土)から28日(火)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて、その後2月1日(土)から9日(日)まで東京・東京国際フォーラム ホールCにて上演されます。

 

【公演概要】

■タイトル 『CHESS THE MUSICAL』

■日程・会場

大阪公演:2020年1月25日(土)〜1月28日(火)梅田芸術劇場 メインホール

東京公演:2020年2月1日(土)〜2月9日(日) 東京・東京国際フォーラム ホールC

■出演

ラミン・カリムルー サマンサ・バークス ルーク・ウォルシュ 佐藤隆紀
エリアンナ 増原英也 ほか

■公式ホームページ https://www.umegei.com/chessthemusical2020/

(2020,01,17)

photo&text:Saki Komura

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