舞台『泣くロミオと怒るジュリエット』が、2月8日より東京・Bunkamuraシアターコクーンにて開幕。初日前日には同劇場にて、ロミオ役の桐山照史さん(ジャニーズWEST)、ジュリエット役の柄本時生さんをはじめオール男性キャストかつオール関西弁で上演される本作のフォトコールが行われました。本作の劇作・演出は鄭義信さんが務めています。

写真左から鄭義信さん、段田安則さん、桐山照史さん、柄本時生さん、八嶋智人さん

 

<あらすじ>
戦争が終わって5年。港を擁する工場街ヴェローナ。
工場から出る黒い煙と煤に覆われた鉛色の街。その街の空気をさらに不穏にしているのは、顔を合わせる度に揉め事を起こす二つの愚連隊“モンタギュー”と“キャピレット”だった。

“モンタギュー”の元メンバーで、今は更正してカストリ屋台で働く奥手でまじめな青年ロミオ(桐山さん)。ロミオの親友で、喧嘩っ早くいつも問題を起こす張本人のマキューシオ(元木聖也さん)と、正反対に聡明で理知的なべンヴォーリオ(橋本淳さん)。3人はそれぞれに、今の時代や自分の境遇に悩みや閉塞感を感じていた。そんな日々の憂さ晴らしに3人が出かけたダンスホールで、田舎から出てきたばかりのジュリエット(柄本さん)に出会い、ロミオは人生で初めての恋に落ちる。しかしジュリエットはなんと、敵対する“キャピレット”のリーダー・ティボルト(高橋努さん)の妹だったのだ…!!
そんなことはお構いなしに燃えあがる二人の恋。ロミオは白頭山東洋治療所の店主で父親のような存在のローレンス(段田安則さん)に相談するが…。
ふたりを取り巻く様々な人物と共に、街は大乱闘に巻き込まれていく…。

公開された場面はロミオとジュリエットが出会い、恋に落ちるダンスホールの場面、ティボルトの家の上にあるベランダで、ロミオがジュリエットに胸の内を語る場面、そして白頭山東洋治療所でロミオがジュリエットとの交際をローレンスに伝える場面でした。

吃音のせいか、人との付き合いに自信がないロミオですが、そんな不器用な男が胸の奥に生まれ、濁流のように溢れ出したジュリエットへの愛を必死に言葉にしようとするロミオ役・桐山さんの姿は観ていて胸や目頭が熱くなります。
そしてジュリエットという田舎から出てきたピュアな少女を演じる柄本さんは、ロミオと出会った瞬間の感情の高ぶり、兄ティボルトや姉のソフィア(八嶋智人さん)にロミオとの交際を反対されても心の中に生まれたロミオへの愛の炎は決して消えないものとなっていました。
オール関西弁で、しかも庶民レベルの話し方で演じられているが故に、どこか笑いを誘う物となっている本作は、ネイティブ関西人なキャストが多くいます。とはいえ、柄本さんやマーキュシオ役の元木さん、ベンヴォーリオ役の橋本さんなど東京出身の俳優たちも大健闘!!物語をどんどん笑いで大きく膨らませていました。

フォトコールが終わったあとで行われた囲み会見には桐山さん、柄本さん、八嶋さん、段田さんが鄭さんと共に出席し、今の心境などを語りました。

桐山さんは「めちゃくちゃ美しい世界の『ロミオとジュリエット』です。間違いないでしょ!!」と本作を自画自賛。「でもロミオ役をやらせていただけるという話を最初に聞いて、『泣くロミオと怒るジュリエット』というタイトルを見て、オール関西弁の台詞を台本で見て、鄭さんと初めてお会いして、舞台セットを見た時は、僕も全部が驚き、驚きでした。『ロミオとジュリエット』ってこんな描き方もできるんだって!!」と早口でまくしたてました。何より、ジュリエット役を柄本さんがやると聞いた時は「“時生!?”と素直に口にしました」と言うと柄本さんと共に大笑い。というのも「『ロミオとジュリエット』という物語はすっごくカッコイイ人とすっごくかわいい人がやるイメ―ジがあったので…一応僕もジャニーズの人ですから…」とつぶやくように話す桐山さん。すると「ジャニーズの中では(レベルが)低い方ですよ」と忖度なしで柄本さんが口走り、その瞬間「やめとけ!!」とすかさず切り返していた桐山さんでした。

 

一方、柄本さんはジュリエット役を、と話を聞いたとき「マネージャーさんに二度聞きしました(笑)。元々いただいたお仕事は絶対断らないんですが、初めて『一度、考えてみたい』って言いました。俺がジュリエットかって思ったので(笑)。でも頑張ればどうにかなるか、と思い引き受けました」と笑顔を見せた。

桐山さんと柄本さんが初共演という話からふたりの関係について話が及ぶと、八嶋さんは「桐山くんは時生くんを稽古中もそれ以外でも女性として扱っていました。休憩時間でも時生くんが動く時にはパッと手を差し伸べていたりね」と桐山さんのエピソードが語られます。すると桐山さんは「僕はこう向かい合って肩に手をかけて見つめ合っている時に暗転になると、ポンって相手の肩を無意識に叩くんですって。それが“クドキのテク”みたいだと言われまして〜」と笑うと、八嶋さんは「今までモテてきた男のやり口だなって思って」とちょっと羨ましそうに突っ込んでいました。

段田さんは若いキャスト陣たちの活躍を見て「もう僕は出ない方がいい」とぼやきトークを披露しつつも、柄本さんの女装姿には驚きを隠すことができなかったそうで「竹内まりやさんに見えてきた」ととんでもない発言を。それを受けて柄本はその場で竹内まりや風に振り返ると一同大笑い。「竹内まりやさんに失礼があったら謝ります」と段田さんが楽し気に詫びていました。

 

鄭さんは「今回シアターコクーンで芝居をやるのが初めてだったんです。シェイクスピアの時代から演劇は男性ばかりでやっていた事を踏まえてやってみたかったんです。でも実際男性だけでやると楽屋が部室のニオイになるのではとか(笑)、いろいろ不安に思ったんですが、男だけだからこそ生まれるパワーだったり、繊細な愛情表現などが生まれたり、これは逆におもしろい作品になるんじゃないかなって。桐山くんは男らしいし、時生くんで最後泣かされる事になろうとはと思うくらいふたりはベストカップルになっていますよ」と自慢の二人をリスペクトしていました。

最後に桐山さんが代表して「『ロミオとジュリエット』を関西弁、全員男性、で演じる事に違和感を感じる人がいるかもしれませんが、観ているうちに全部のキャストが愛おしくなっていて、最終的には何かを感じ取ってもらえるんじゃないかなと。僕が勝手に言っている事なんですが“世界一不器用なロミオとジュリエット”をぜひ観に来ていただきたいです」そう笑顔でアピールしていました。

舞台『泣くロミオと怒るジュリエット』は、2月8日から3月4日まで東京・Bunkamuraシアターコクーンにて、その後3月8日から15日まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演されます。

 

【公演概要】

■タイトル

シアターコクーン・オンレパートリー2020『泣くロミオと怒るジュリエット』

■日程・会場

東京公演:2020年2月8日(土)~3月4日(水) Bunkamuraシアターコクーン

大阪公演:2020年3月8日(日)~3月15日(日) 森ノ宮ピロティホール

■出演

桐山照史 柄本時生 橋本 淳 元木聖也 高橋 努
岡田義徳 朴 勝哲 みのすけ 福田転球 八嶋智人 段田安則

岩男海史 白石惇也 鈴木幸二 砂原一輝 西村 聡 平岡 亮 ふじおあつや 水谷 悟
宗綱 弟 ワタナベケイスケ

■公式ホームページ

https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/20_romeo-juliet.html

(2020,02,10)

photo&text:Saki Komura

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