浜中文一さんが主演を務める舞台『スケリグ』が7月31日、東京・紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて開幕しました。
初日の前日には同劇場にてゲネプロが公開され、終演後には主演の浜中さん、金子昇さん、瀬戸カトリーヌさん、そして演出を務めたウォーリー木下さんが出席した取材会が行われました。
写真左から、金子昇さん、浜中文一さん、瀬戸カトリーヌさん、ウォーリー木下さん
本作は、古い家に引っ越した少年マイケル(大東立樹さん/ジャニーズJr.)がガレージの片隅でボロ雑巾のような状態になっている「彼」(浜中さん)と出会う物語。背中に羽根を背負った彼は「スケリグ」と名乗った……。
ゲネプロでは役者同士の距離感を保つため、舞台セットの奥の段が初演より高さを出したものとなっており、スケリグが登場する場所も初演と比べてより舞台前に設置されていました。またキャストは皆マウスシールドを装着しての芝居でしたが、そもそもファンタジー作品な事もあり、付けている事が何時しか自然な姿に見えていました。芝居中ではウォーリーさんが得意とする夢幻のような映像と不思議かつ美しい音楽が生演奏で奏でられる中、スケリグ役の浜中さんをはじめキャストたちが夢のような世界を作りあげていました。
終演後の取材会で、本作の再演が決まった時の気持ちを聞かれた浜中さんは「年末に(再演の話を)聞いたんですが、もう、すぐやん!!って思いました。でもその後コロナ禍があって、正直どうなるかなあと思いながら今日ここまでこれました」と笑顔を見せます。
浜中文一さん
マイケルの父親ほかを演じる金子さんも舞台の幕が開けられる事について「本当に嬉しくて楽しくて」と語ります。が、「コロナ禍の影響が出てからは(上演が)出来ないんじゃないか、と考える事も多く、最後まで駆け抜けられるか未知数。奇跡が起きて欲しい」と祈るように語っていました。
金子昇さん
瀬戸さんも不安を感じていたそうですが、「(ゲネプロで)演者の息遣いを感じ、お客さまと一緒に作る舞台ってすごいな、って気持ちを細胞で感じた」と独特な表現で気持ちを口にし、
瀬戸カトリーヌさん
演出のウォーリーさんは「客席にこんなにお客さんがいるのが久しぶりで!!ただの再演ではなく演劇だからこそ出来る事を伝えられる再演になりそうな気がしました」と、喜びを言葉にしていました。
ウォーリー木下さん
舞台上では本役とは別で何役も演じている本作。金子さんは「僕で5役。文ちゃんは?」と話を振ると浜中さんは「7か8役かな?」と応えると、金子さんは「文ちゃんは、赤ちゃんの泣き声とかもやってるんですよ。舞台の後ろで文ちゃんが“ふにゃあ、ふにゃあ”と泣いてて(笑 )」と舞台裏を語ると、浜中も「僕、着替えながら“ふにゃあ”ってやってるんです」と笑いを誘っていました。
ところで、“スケリグ”とはいったい何だ?という質問が飛ぶと、浜中さんはウォーリーさんにその答えを委ねます。
ウォーリーさんは「毎回違うものに見えるんだけど、今日は文ちゃんのおじいちゃんを見ている気分だった。亡くなったおじいちゃんが空から見おろしている感じ」と回答すると、浜中さんが「僕のおじいちゃん、昨日からLINEを始めて“仕事ご苦労さん”って今朝メッセージが来たんです。勝手に殺さないで(笑)」と突っ込んで笑いを誘っていました。
最後に浜中さんは「自粛期間に入る最後の舞台がここ、紀伊国屋サザンシアター TAKASHIMAYAでした。ここで中途半端で終わって僕の気持ちは消化不良なままでした、が、『スケリグ』でまたここで出来る事になって“まだ僕は芝居をしていいんだ”と感じました」と舞台役者としての素直な気持ちを言葉にしていました。
舞台『スケリグ』は以下の日程・会場で上演されます。
【公演概要】
■タイトル
シーエイティプロデュース 舞台『スケリグ』
■日程・会場
東京公演:2020年7月27日(月)~8月16日(日) ※一部公演中止
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
大阪公演 :2020年8月22日(土)、8月23日(日) 松下IMPホール
愛知公演:2020年 8月25日(火) 刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
所沢(埼玉)公演:2020年9月11日(金) 所沢市民文化センターミューズ マーキーホール
■作:デイヴィッド・アーモンド
■翻訳:浦辺千鶴
■演出:ウォーリー木下
■出演:浜中文一 ・ 大東立樹(ジャニーズ Jr.) 清水らら
奥村佳恵 工藤広夢 ・ 金子昇 瀬戸カトリーヌ
吉田能(演奏)
■公式ホームページ https://skellig.jp/
(2020,08,01)
photo:岡千里/text:Saki Komura
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