大好評を博した「市場三郎」シリーズの待望の第三弾が6月30日に東京グローブ座にて開幕しました。本作は、福田転球さんが脚本、河原雅彦さんが演出、濵田崇裕(WEST.)さん主演で2016年に初演された『歌喜劇/市場三郎~温泉宿の恋』、2018年に上演された続編となる『歌喜劇/市場三郎~グアムの恋』に続く「市場三郎」シリーズ3作目。
「歌喜劇」というアカペラの歌唱に心情や情景をのせて物語を紡ぐ、人情味溢れるエンターテイメント作品です。
NorieMでは「市場三郎」シリーズ初出演、主人公・市場三郎が精進料理を食べに訪れる青福寺の僧侶・青蓮(しょうれん)を演じる朝月希和さんへ作品への想い、さらにはファッション事情までたっぷりお話を聞きました!!

 

ーコメディ作品へ出演したいと思ったきっかけはどんなことですか?
「作品を観終わったときに感じたワクワク感があって、自分もその中の一員になりたいと思ったことがきっかけです。重厚感あるお芝居も素敵ですが、コメディ作品を観劇した時のふっと溢れる微笑みは無条件に心を明るく、軽くしてくれますし、明日への活力になります。出演する事で、自分がどうやってそこを生み出していけるのかという自分への興味もありました」

 

ー朝月さんが舞台に立つときにお客さまへ届けたい思いとはどんなことでしょうか?
「私の朝月という名前に込めた思いが根本にあって、秋の空は、朝早く起きてみると朝でも月が見えるんです。そんなふうに私も一晩経ってもお客さまの心に残っている人になりたいと朝月希和という芸名をつけました。舞台の一場面や、セリフや音楽、何でも良いのですが、何か一つでもよいのでお客さまの心に届いて、頑張ろうと思えたり、楽しかったなという気持ちになっていただけたらいいなという思いはいつも持っております」

 

ー作品のポスターのビジュアルは本当に心があたたかくなるような表情、雰囲気ですね!役作りで意識していることを教えてください。
「ポスター撮影のときに僧侶ってどんな感じだろうと考えて、精進料理を食べられるところに実際に行ってみました。時間の流れがすごくゆっくりで、整った感じがしました。その時に、どんな方もそして何事も受け入れてくれる心がこの役の根本だなと感じ、感謝の気持ちを持って作品に挑もうと思いました。青蓮としては、”ようこそお越しくださいました”というお寺の空気感を落ち着いた雰囲気で表現していけたらいいなと思っています」

 

ーお稽古はどんな雰囲気で進んでいますか?
「皆さん役のキャッチが早くて、何役もナチュラルに演じ分けていくことがすごく刺激になりますし、コメディとして面白く作っていこうとするというよりも、真っ直ぐにお芝居をされていく中で派生していくものなんだと感じました。皆さん真面目に笑いを考える。まずはお芝居の根本があって、それが面白いというその匙加減がすごく絶妙だと思います。そういう小さい積み重ねが、市場三郎の舞台を作っているんだなと稽古場で毎日感じています。この作品は登場人物がみんな良い人で悪人がいない。真っ直ぐな人たちの中で、青蓮は少し浮いているところがあったりしてクスッと笑えるところだと思うので、そこに女性らしさと僧侶の所作の美しさを忘れずに大切に作っていきたいと思っています」

 

ー毎日刺激のあるお稽古場ですね!
「演出の河原さんから皆さんにこれどう思う?とかやってみて!というキャッチボールがあって、たくさんの選択肢が生まれて、その中から良いものを選択していくということがすごく勉強になります。そういう風に作品を作っていくのは初めてですので、とても面白いなと思っています。でも自分の中の引き出しが少なすぎて、なんで皆さんそんなにいろいろなことが思い浮かぶんだろうって思うこともあります。ボキャブラリーの少なさを痛感してるので、もっともっと豊かになりたいと思っています」

 

ーお稽古を通して感じるご自身の変化は?
「今すごく意識してるのは、役としての芯はしっかりと持ち、変に作り過ぎず柔軟にまっさらな状態で毎日稽古場に来て、その場その場で皆さんとのお芝居のキャッチボールを大切にしようと思っています。真っ直ぐに伝えられたらいいなと思うようになりました」

 

ーすごく充実したお稽古期間を過ごされているんですね!
「そうですね。本当に楽しいです(笑顔)。次は皆さんから何が生まれるんだろう!?と私自身もワクワクしています」

 

ー朝月さんが舞台をご覧になったときに感じる魅力はどんなところですか?
「役者の皆さんの空気感を直接劇場で体感することです。生の空気感というのは映像で観るのとは全く違っていて、毎日少しずつ変わっていくところも舞台の面白さだと思います。迫力のある臨場感も魅力かなと思います」

 

ー上演に向けての意気込みをお願いします。
「これは本当に私が感じていることなんですが、この市場三郎の独特のあたたかい笑いを皆さまにお届けできるように、しっかりと稽古をしていきたいと思います。アカペラの人間味溢れる良さみたいなところも、皆さんと和音を合わせて、声をひとつにして、市場三郎という作品の一員になっていけたらいいなと思っています」

 

ーアカペラというのは通常のお稽古とは方法が違いますか?
「違いますね。実際の音楽で歌うときは、音やリズムに声を乗せていく感覚ですが、アカペラは、皆さんの声をしっかりと聞いて、その声に寄り添っていくという感じですね。アカペラをよく聞ける耳を早く育てたいなと思ってます」

 

ー最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします
「いい意味でお芝居の作り方や捉え方が自分の中で変われるのではないかとお稽古を通して思っています。皆さんと一緒にその場で作っていくことを楽しんで、大切にして学びながら、柔軟な自分をを育てていきたいなと思っています。初挑戦がたくさんの作品です。ぜひ劇場で見届けてください」


▶︎朝月希和さんのファッション事情◀︎
ー朝月さんのお気に入りのファッションスタイルを教えてください。
「普段は割とパンツスタイルが多いです。最近はショート丈のトップスにパンツを合わせることが自分の中のブームです。意識しているのは、上下どちらかは白か黒のシンプルなものを選んで、そこに何か一点アクセントになるものを入れて、全体の印象がシンプルすぎたり、暗くならないようにしています。夏も近いので、少し明るめのピンクや明るめのグリーン入れたりしてスタイリングしています」

 

ーつい買ってしまうお気に入りのファッションアイテムはありますか?
「実はシャツが好きなんですよ!オーバータイプのシャツも好きですし、ショート丈も好きですし、気がついたらシースルーのシャツばっかりでいろいろな色があります(笑顔)。特にショート丈のシャツはすごく重宝していて、中に合わせるのもざっくりしたキャミソールでもいいし、Tシャツでもいいし、シャツだけで着てもいいし、パンツにもスカートにも合うんです!この夏もいろいろなシャツアイテムを組み合わせていきたいなと思います」

 

【profile】
朝月希和/Kiwa Asazuki
1月6日生まれ。東京都出身。
2010年宝塚歌劇団入団。同年『THE SCARLET PIMPERNEL』で初舞台。

2013 年『愛と革命の詩-アンドレア・シェニエ-』で新人公演では初ヒロインを務める。2021年雪組トップ娘役に就任。2022年『蒼穹の昴』で退団。

近年の主な出演作は、『シェルブールの雨傘』(2023年)、ミュージカル『王様と私』(2024年)、音楽劇『ライムライト』(2024年)、9月にはルネサンス音楽劇『ハムレット』への出演が控えている。
■公式Instagram
https://www.instagram.com/asazuki_kiwa/

photo:Hirofumi Miyata/hair & make up:Naoko Nishikawa/interview&text:Akiko Yamashita


【STORY】
毎度毎度恋に破れ、つかみかけた幸せを逃し続けている市場三郎。 相変わらず厳しい環境の三田運送会社で働いている。7 年ぶりの慰安旅行、行先は京都大阪関西ツアー。 行く先々で実らぬ恋を経験してきたが、早速京都では懲りずに舞妓はんに声をかけたり。 そして三郎は精進料理を食べに訪れた「青福寺」で美しい僧侶・青蓮と出会う。 良い雰囲気になるものの、次の観光地へ行くため名残惜しそうに別れる二人。 次に訪れたのは大阪・通天閣。 そしてうっかりが過ぎる事故のため、三郎がたどり着いたのは「あの世・黄泉の国」。 するとそこにはあの美しい僧侶・青蓮もいて……。 温泉宿、グアムと続き、今回の舞台は冥土?! 今度こそ、三郎の恋は実るのか……!

 

【公演概要】
■タイトル
『歌喜劇/〜蘇る市場三郎 冥土の恋〜』
■日程・会場
東京公演:2025年6月30日(月)〜7月27日(日) 東京グローブ座
京都公演:2025年8月1日(金)〜8月10日(日) 京都劇場
■脚本 福田転球
■演出 河原雅彦
■出演
濵田崇裕 朝月希和 笠松はる 大堀こういち 玉置孝匡 高木稟 前田悟 山岸門人 シューレスジョー 松之木天辺
■公式ホームページ

https://www.ichiba-saburo.com

(2025,07,05)

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