COCOON PRODUCTION 2022 NINAGAWA MEMORIAL『パンドラの鐘』合同取材会が9日、東京都内で行われ、成田凌さん、葵わかなさん、演出の杉原邦生さんが本作への思いを語りました!!

 

本作は、1999年に故・蜷川幸雄氏の指名で野田秀樹氏が書き下ろした作品。同年に蜷川氏が演出を手掛けたバージョンがBunkamuraシアターコクーンで、野田氏が演出を手掛けたバージョンが世田谷パブリックシアターで同時期に上演され、一大センセーションを巻き起こしました。蜷川版には、大竹しのぶさん、勝村政信さん、生瀬勝久さん、松重豊さんが、野田版には、堤真一さん、天海祐希さん、古田新太さん、松尾スズキさんなどが出演し、豪華キャスト陣の対決も大きな話題を呼びました。

 

そんな本作が、2016年に惜しまれつつこの世を去った蜷川氏の七回忌を迎える今年、“NINAGAWA MEMORIAL”と題し、初演以来23年ぶりにBunkamuraシアターコクーンで上演されます。

 

現在、鋭意稽古中という本作。成田さんが「すさまじいスピードで進んでいっていますが、その中で(キャストたちが)いろいろなチャレンジをしてくれているのを見て、ワクワクが止まらない状態です。目まぐるしい毎日で、楽しくやっています」と笑顔で話すと、葵さんも「新たに知ることが多くて、頭がパンクしそうな毎日です。濃厚です」と稽古を振り返りました。

 

成田さんにとっては、本作が初の舞台出演となりますが、「今まで自分が映画やドラマでやってきたことと、今、(本作の)稽古でやっていることは真逆のことだと思います。何もしないでそこにいるということを今までやってきたんですが、今回はやらないと伝わらない。それはそれで楽しいです。今までこれがやりたかったんだって今、思っています。頭も体も前のめりです」と楽しそうに話します。

 

一方、葵さんは、『冬のライオン』に続き、本作が2作目のストレートプレイ出演。葵さんは、「前回の作品と今回の作品は毛色が全然違いますし、演出家さんのタイプも違うと感じていますが、前回学んで今回も続けようと思っているのは、あまり準備をしないということ。何にでも対応できますという柔軟性が大切だと思っているので、それは今回も続けていきたい」と思いを明かしました。

 

成田さんと葵さんは、2017年放送のNHK連続テレビ小説『わろてんか』以来の共演となります。しかし、成田さんは再共演について、「以前はずっとお母ちゃんと呼んでいましたが、今回は立ち姿も全然違うので全く気にしてない。お互い知り合いだったけど独特な感じがあるかもしれません」と語ります。葵さんも「前回の役を引っ張るということは全くない。でも、一緒に長いことやっていたという信頼はあります」と同意しました。

 

すでに意気のあったやりとりを見せた二人。杉原さんは、二人の印象を聞かれると、「成田くんは映像で何回も拝見していて、稽古に入る前に取材でもお会いしましたが、その時はドラマで見るクールな印象そのままだった。でも、稽古場に入ったら、かなり前のめりな熱い人だと感じました。何でも吸収しよう、何でもやってみようと、マインドがオープン。舞台を一緒に作っていくのがすごくやりやすいし、実はすごく舞台に向いていると思います。それは葵さんも一緒で、いい意味で真面目な部分がある。自分なりにきちんと本を読んで、こう思うという意思を持っている。でも、こちらが『こうしよう』と伝えると、驚きながらもそこにぶつかっていける。自分から作ったものを壊せる人なので、いいものを作っていけるという信頼があります」とコメントしました。

また、杉原さんは「最初にこの作品を映像で拝見したときに、歌舞伎の『京鹿子娘道成寺』の鐘入りのシーンのイメージが湧いたので、そのファーストインプレッションを大事に演出したいと思っています。古代と現代を行き来するストーリーなので、日本演劇の古典と現代を行き来する世界を構築していきたい」と演出プランを明かしました。

最後に、改めて成田さんは「野田さんの楽しい言葉遊び、そして序盤の楽しいワチャワチャしたシーンがあって、最後には駆け足のように去っていく作品です。視覚的にも楽しんでいただけると思いますし、内容も面白い、壮大なエンターテインメントをお届けできると思います。ぜひ楽しみにしていただきたいです」とアピール。

葵さんは「私たちが信じているエンタメが持つパワーがこの時代に作用して、少しでも何かが届けられたらと思っています。娯楽としての側面もある作品になると思うので、それぞれの楽しみ方をしていただければ」と話し、杉原さんは「観に来てくださった方に楽しんでいただくことが使命だと思っていますので、観て良かったと思っていただけるように稽古をしていきますので、劇場に生のエンターテインメントを体験しに来ていただければと思います」と呼びかけました。

 

【あらすじ】

太平洋戦争開戦前夜の長崎。
ピンカートン財団による古代遺跡の発掘作業が行われている。考古学者カナクギ教授の助手オズは、土深く埋もれていた数々の発掘物から、遠く忘れ去られていた古代王国の姿を、鮮やかによみがえらせていく。王の葬儀が行われている古代王国。兄の狂王を幽閉し、妹ヒメ女が王位を継ごうとしているのだ。従者たちは、棺桶と一緒に葬式屋も埋葬してしまおうとするが、ヒメ女はその中の一人ミズヲに魅かれ、命を助ける。
ヒメ女の王国は栄え、各国からの略奪品が運び込まれている。あるとき、ミズヲは異国の都市で掘り出した巨大な鐘を、ヒメ女のもとへ持ち帰るが……
決して覗いてはならなかった「パンドラの鐘」に記された、王国滅亡の秘密とは?そして、古代の閃光の中に浮かび上がった<未来>の行方とは……?

 

【公演概要】

タイトル

COCOON PRODUCTION 2022

NINAGAWA MEMORIAL『パンドラの鐘』

日程・会場

東京公演:2022年66()~6月28()  Bunkamuraシアターコクーン

大阪公演:202272()~7月5()  森ノ宮ピロティホール

作 野田秀樹

演出 杉原邦生

出演

成田凌 葵わかな 前田敦子 玉置玲央 大鶴佐助 森田真和 亀島一徳 山口航太 武居卓 柄本時生 片岡亀蔵 南果歩 白石加代子 ほか

公式ホームページ https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/22_pandora/

(2022,05,12)

photo&text:Maki Shimada

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