劇団☆新感線の看板俳優・古田新太さんを筆頭に、劇団員・元劇団員・お久しぶりの劇団員といった面々とともに、小池栄子さん、早乙女太一さん、向井理さんといった最強ゲストたちが芝居合戦を繰り広げる、2025年劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演 チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』が2025年9月19日(金)に開幕します!!
45周年と銘打った本公演は、10年ぶりに〈チャンピオンまつり〉を掲げ、江戸時代を舞台に、歌舞伎の大名作『忠臣蔵』を上演するために愚かしいほどに芝居作りに情熱を傾け奔走する演劇人を描きます。
大学在学中の1987年から劇団☆新感線に参加し、今回、8年ぶりに劇団公演に出演する羽野晶紀さんに劇団への想いや今回の公演の意気込み、そしてファッションについてなどたくさん語っていただきました!!
―今回の公演、そしてご出演が決まったお気持ちを聞かせてください!!
45周年ということもそうですが、これだけ劇団員のみんなが揃うということが、とてもうれしかったです。決まってからずっとワクワクしています(笑)。私は、劇団員の中では末っ子なので、先輩たちがいろいろなところで頑張ってくれているのをたくさん見てきましたし、そのみんなが帰ってきてくれたということもすごくうれしいんです。昔は若かったので、毎日、お芝居をしていながらも遊んでもらっているような感覚があって(笑)。“しんどい”と“面白い”と“楽しい”をぐちゃぐちゃにやってきた青春時代だったので、またそのみんなと一緒にお芝居できるのはとても感慨深いです。あの頃からは随分、時は経ちましたが、今でも会うと一気にあの頃に戻れるんですよ。早くこのお祭り騒ぎを皆さんにお届けしたいなという気持ちでいっぱいでございます。
―羽野さんにとっての劇団☆新感線はどういった存在ですか?
演劇人としてスタートした、私の土台を作ってくれた場所です。師匠たちがビシバシ鍛えてくれた土台があるから、どこに行ってもあの頃以上にしんどかったことはなくて。ある意味、自分のこのど根性も、先輩の後を追いかけていたら知らない間に身に付いたんだろうなと思います。
―思い出は尽きないほどあると思いますが、特に記憶に残っている劇団☆新感線での思い出は?
尽きないですね(笑)。舞台の上での出来事ももちろんそうですが、稽古中も厳しいけれども、みんなステキで面白くて。本当にたくさんの思い出があるので、どのお話をすれば良いのか、迷いますね…。
―そうですよね。そうしたら、羽野さんの劇団☆新感線での初舞台の思い出を教えていただけますか?
初舞台は古田さんのバックダンサーでした。当時は、アンサンブルやダンサーも劇団員が担っていたので、最初はバックダンサーからスタートしました。私は、そもそも、自分が演劇をやるとは思ってもいなかったんですよ。先輩に誘われて、連れて行かれて、お手伝いで出ることになって。それで徐々にセリフをもらうようになったのですが、あまりにも上手にできなかったから日々怒られて。それが悔しくて、稽古中にたくさん泣いていました。そんなスタートでしたが、それがなかったら、今の自分はないと思うので、繋がっていくご縁を感じます。
―いつ頃、お芝居を続けていこうと思われるようになったんですか?
きちんとセリフのある役をいただいても、自分の中では恥ずかしいくらい合格点に達していなかったんですよ。それで、もっと上手くなりたい、(演出の)いのうえ(ひでのり)さんからオッケーと言ってもらえるように頑張ろうと思うようになって、それで食らいついていた感じです。お稽古は本当に過酷だったので、恐らくみんなが「いつ辞めよう」と考えていたと思います。私は「叱られなくなって、そこで初めて『もう辞める』と言える」と思って頑張ってきました。
でも、そうして続けているうちに、段々とお芝居の面白さが分かってきたんですよ。劇団を通していろいろな方とも出会いましたし、劇団としても関西での公演だけでなく、「東京に行くぞ」となって。みんなで頑張ってアルバイトをして、持ち出しで東京公演を行った思い出があります。
―羽野さんだけでなく、皆さんが高い熱量で劇団に向き合っていたことを感じます。本作のお稽古は(取材当時)すでにスタートしたと聞いていますが、当時と今ではお稽古も違うことが多いですか?
そう思います。昔は「こんなふうにやってほしい」というところにたどり着くまでに時間がかかって、同じところを何回も何回も稽古しながら進んでいましたが、今は初めからどういうものを作り上げたいのかが明確なので、それぞれがやることがはっきりしているシステムになっています。
―なるほど。そうすると、羽野さんご自身も、昔とは違い、「食らいつく」ではなく「楽しみながらお芝居をする」という形ですか?
おっしゃる通りです!! そのために、物語をしっかりと運んできてくれるゲストの方もいらっしゃっています(笑)。でも、こうしてせっかく出演させていただけるので、私が演じるおゆみも、どこか皆さんの記憶に残るキャラクターになればいいなと思っています。
―羽野さんが演じるおゆみは、古田新太さんが演じる弾兵衛の妻という役どころです。今回の役柄については、どのように感じていますか?
これからのお稽古で作り上げていきますが、おみゆは女が舞台に上がってはいけない時代に闇歌舞伎で舞台に上がっている人です。やってはいけないことをやるって、ドキドキしますよね? それを楽しみたいです(笑)。とはいえ、もし、舞台に上がっていることがバレたらとんでもない罰が下るような時代に、命がけでやっている人たちなので、根っこにある役者魂や、エンターテインメントを裏の世界でやる魅力、ワクワク感を出せたらと思っています。
―ありがとうございました!! 最後に、公演に向けてお客さまに一言メッセージをお願いします。
こんな機会は今後あるか分からないので、この伝説を一緒に体感してほしいと思います。劇場でお待ちしております。
▶︎羽野晶紀さんのファッション事情◀︎
―今日のお衣裳のポイントを教えてください!!
製作発表もあったので、せっかくなのでちょっとフォーマルにしました。いくつかご用意いただいたのですが、この色を気に入って選んだら、みんなとの統一感があったので良かったです。この年齢になり、あまり二の腕を出したくないのですが、肩パッドがあることで見せたくないところがギリギリ隠れるんですよ。普段はあまり袖なしは着ないのですが、これならいいかなと。タイがあることで縦のラインが強調されてスタイルが良く見えるのも良いなと思って選びました。
―普段はどんなファッションがお好きですか?
基本的には、素材で選んでいます。化繊じゃないものが好きです。綿だったり、リネンだったり、シルクだったり。ウールよりはカシミアが好きです。なるべく自然のものを選んだ方が体が疲れないんです。なので、まず素材から選びます。
―羽野さんがステキで居続けるための秘訣は?
時に人の意見に耳を傾けるようにしています。そうすると、気付かされることがあって。例えば、客観的に見た意見だったり、周りの人が私に持っているイメージからの意見だったり、自分ではあまり選ばないようなことも、周りを信じてトライしてみようとここ何年かは思っています。
いくつになってもそうやって何かに挑戦し続けた方が若々しくいられるんだと思います。あまり貫禄が出ないようにしたいので。そうじゃなくても、あらゆる現場で一番年上なんですよ。そんなつもりはなくても、自分が言った一言でピリついてしまったり、重みがあると捉えられてしまうので、そうならないように、どこかまだ頼りないぞというところも見せていきたい(笑)。一緒に勉強しようという気持ちは常に持っていたいと思います。
【profile】
羽野晶紀/Aki Hano
1968年8月22日生まれ。京都府出身。
大学在学中に劇団☆新感線に入団。
狂言師の和泉元彌氏と2002年に結婚をして2児を授かり、しばらく家庭に入っていたが、2008年に復帰。
子供達も狂言師として活動。自身17年ぶりとなった劇団☆新感線の舞台「髑髏城の七人」Season月《下弦の月》では27年前と同じ役柄を演じきった。バラエティや舞台、ドラマ、映画と幅広く活躍中。
■公式ホームページ
https://www.toho-ent.co.jp/actor/1086
■公式Instagram
https://www.instagram.com/hano_aki/
Dress:RE SYU RYU(お問い合わせ/RE SYU RYU TEL:089-927-2288)
【公演概要】
■タイトル
2025年劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演 チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎『爆烈忠臣蔵〜桜吹雪THUNDERSTRUCK』
■日程・会場
松本公演:2025年9月19日(金)〜9月23日(火・祝) まつもと市民芸術館
大阪公演:2025年10月9日(木)〜10月23日(木) フェスティバルホール
東京公演:2025年11月9日(日)〜12月26日(金) 新橋演舞場
■作 中島かずき
■演出 いのうえひでのり
■出演
古田新太 橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと 羽野晶紀 橋本さとし/小池栄子/早乙女太一/向井理 ほか
(2025,09,06)
photo:Hirofumi Miyata/styling: Nami Shinozuka/hair & make up: Naomi Akiyama/interview&text:Maki Shimada
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下記のリンクのインスタグラムにインタビュー撮影時のアザーカットを公開致します!!
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