花總まりさん、笹本玲奈さんがWキャストで主演を務めるミュージカル『マリー・アントワネット』が1月28日に開幕しました。初日に先駆け、前日と初日直前にゲネプロが行われました。この模様をレポートします。

 

本作は、遠藤周作「王妃マリー・アントワネット」をもとに2006年に初演されたミュージカル。その後2018年には新曲が追加された新演出版が公開され、2021年の今年はその新演出版が再演される事となりました。

 

同じイニシャル“M・A”を持つフランス王妃フランス王妃マリー・アントワネットと庶民の娘マルグリット・アルノーが数奇な運命に導かれて出会う物語。
今回、マリー・アントワネット役の花總まりさんと笹本玲奈さん、マルグリット・アルノー役のソニンさんと昆夏美さんがそれぞれWキャストで2018年度版から続投、加えて、アントワネットと恋仲となるフェルセン伯爵を田代万里生さんと今回初参加となった甲斐翔真さん、王家の失脚を狙うオルレアン公役を上原理生さんと小野田龍之介さん、革命派のジャック・エベール役を上山竜治さんと川口竜也さんがそれぞれWキャストで務めます。

 

初日前日のゲネプロでは、花總さん、ソニンさん、田代さん、上原さん、上山さんチームが登場。生まれついての“王妃”オーラを放つ花總さんと、田代さんの気品あふれる存在感が実に華やかで、それ故にこの後転落していく人生のはかなさを強く感じさせるものとなりました。そして上原さん演じるオルレアン公はギラギラした目の光が彼の野心を表現し、マルグリット役のソニンさんとエベール役の上山さんのエネルギッシュな若さとが上手く組み合わさって、王族に立ち向かう民衆の底力を見せつけていました。

 

一方初日直前に披露された、笹本さん、昆さん、甲斐さん、小野田さん、川口さんチームのゲネプロも魅力満点。笹本さんは王妃故の誇り高き生き様と共にとはいえ捨てることができないフェルセンへの想いを丁寧に描き、昆さんが強さの中で垣間見せるもろさを熱演。小野田さんはたくましさに溢れる王族の一人として安定した演技を見せ、川口さんと共に政権の転覆をはかっていました。注目は初参加の甲斐さん。『RENT』などで着実に経験値を積んできた甲斐さんはマリー、そしてマルグリットへの優しさに溢れる凛々しい青年を美しい歌声と共に見事に披露していました。これからのミュージカル界を引っ張っていく一人になる事間違いなしでしょう。

舞台装置、衣裳、ウィッグや小道具に至るまで豪華絢爛。そして生オケの演奏と目からも耳からも入ってくる情報が無数にあって、そこに座っているだけで幸せな気分になれる作品でした。

 

初日に合わせてキャストからコメントが届きましたのでご紹介します。

花總まりさん 
今回はコロナ禍での上演ということで特別な想いをキャスト一同が抱いてでの舞台になります。この舞台をご覧頂きたい、成功させたいという気持で各自様々な感染予防対策を精一杯行ってまいりました、観客の皆様におかれましてはどうぞこの特別な「マリー・アントワネット」をお楽しみ頂ければ幸いです。残念ながら観劇が叶わなかった方々にもこの舞台上から熱いメッセージをお届けする気持ちと全てに感謝して演じたいと思っております。

 

笹本玲奈さん
徹底された厳しい感染対策の中で進めてきたお稽古を経て、今日無事にこの日を迎えられる事を心から嬉しく思っております。

今後どの様な状況になるかは誰にも分かりませんが、1回1回の公演を「今日という日は今日しかない」という心持ちで務め、劇場にお越しくださったお客様に最高の舞台を全身全霊でお届けします。

 

ソニンさん
この作品の再演が意味のあるものだと感じれる瞬間が多くありました。私にとって大切な役であり再び出演できる事に心より感謝し、興奮しています。厳しい状況の中で開幕までたどり着いた事は、カンパニーで起こした革命的な偉業だと思っています。
お客様が、普段見ている世界で悩んでいる事を、舞台を通じ浄化し昇華できるそんな力を信じて、私は瞬間瞬間を誠実に皆様にお届けします。エンタメが届ける力を、明日を生きる糧を、お持ち帰りいただけるような力を持ってるこの作品、是非に受け取りにいらしてください。

 

昆夏美さん
このような厳しい状況の中ではありますが、再びこの作品をお客様にお届けできますこと大変嬉しく思っております。カンパニー一同、気持ちを一つに稽古を重ねました。幕が開くということは決して当たり前ではなく、奇跡なんだと感じます。この奇跡に感謝をし、責任を持って舞台を務めたいと思っております。そしてご観劇くださったお客様の心の潤いとなれば幸いです。

 

田代万里生さん
いよいよ劇場へ! 昨年は公演中止が相次ぎ、個人的には2019年12月以来、約1年振りのミュージカル出演となりますが、この作品が控えていることが心の支えでもありました。演出家も振付師も海外から生中継で稽古場映像をチェックして下さり、沢山のスタッフにも支えて頂きながらブラッシュアップを繰り返して今日を迎えています。フィクションとノンフィクションが融合した超大作。こんな今だからこそ、この作品から新たな気付きが生まれると信じています。

 

甲斐翔真さん
健康で安全に。そして限られた時間の中で濃密に作り上げてきたこの作品をお客様に届けられるという“喜び”に満ち溢れています。
ここまで来るためにバックアップをして下さった全ての方々に感謝し、初日に挑みたいと思っています。
最初は、想像の数十倍の高いハードルに呆然としました。こんな大役が自分に務まるのか、と悩むこともありました。でも今は、この作品に関われていることを誇りに思います。大好きな「マリー・アントワネット」に出演できて幸せです。
フランス革命という激動の時代、マリーという“人間”を心底愛し、命がけで救い出そうともがいたフェルセンを楽しみにしていただければと思います。

 

東京公演は2月21日まで東京・東急シアターオーブで行われ、その後3月2日から11日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールでも上演されます。

 

【公演概要】

■タイトル ミュージカル『マリー・アントワネット』

■日程・会場

東京公演:2021年1月28日(木)〜2月21日(日) 東急シアターオーブ

大阪公演:2021年3月2日(火)〜3月11日(木) 梅田芸術劇場 メインホール

■出演

マリー・アントワネット:花總まり/笹本玲奈 (ダブルキャスト)

マルグリット・アルノー:ソニン/昆 夏美 (ダブルキャスト)

フェルセン伯爵:田代万里生/甲斐翔真 (ダブルキャスト)

オルレアン公:上原理生/小野田龍之介 (ダブルキャスト)

ルイ16世:原田優一 レオナール:駒田一

ローズ・ベルタン:彩吹真央 ランバル公爵夫人:彩乃かなみ

ジャック・エベール:上山竜治/川口竜也 (ダブルキャスト) ほか

■公式ホームページ

https://www.tohostage.com/ma/index.html

(2021,01,29)

photo&text:Saki Komura

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