東京・明治座にて『よみがえる明治座東京喜劇-ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」全力応援‼-』が1月29日、開幕しました。
本公演は高田文夫さんが企画した、舞台「こちとら大奥様だぜぃ!」、そして日替わりの演者による「ラジオビバリー昼ズ寄席」という2部構成で繰り広げるもの。舞台は宅間孝行さんが演出を務めた。この初日の模様をレポートします。

写真左から宅間孝行さん・田中美佐子さん

 

『こちとら大奥様だぜぃ!』は、幕末のとある藩を舞台に、江戸でも有名な馬鹿殿(前川清さん)の大奥様(田中美佐子さん)が、夫に愛想をつかして城を脱出、江戸の長屋に転がり込んで宅間さん演じる博打打ちの大工ら市井の人々と触れあうが、とある問題を発端にやがて大きな騒動に発展して……爆笑必至のドタバタコメディーです。

この舞台のキーパーソンとなるのは他でもない大奥様役の田中さん。年齢を重ねてもいつまでも綺麗な女優さんというイメージがあるかと思いますが、実は萩本欽一さんの教えを受けた一流のコメディエンヌでもあるんです。そんな田中さんがひとたびステージに立てば変顔おかしな台詞まわし、時には欽ちゃん走りなどを繰り広げては観客を笑いの渦に巻き込んでいました。宅間さんと二人でアドリブ込みでやり取りをする場面などは笑いの攻防戦に!!
そのやり取りはまるで止まらず、その後の2部の寄席で登場したサンドウィッチマンやナイツに「田中美佐子がたくさん時間を使ってしまったので、俺たち巻きでやらないと」と愚痴をこぼされた程でした。

「こちとら大奥様だぜぃ!」田中美佐子さん

「こちとら大奥様だぜぃ!」宅間孝行さん

「こちとら大奥様だぜぃ!」磯山さやかさん

「こちとら大奥様だぜぃ!」左から磯山さやかさん・田中美佐子さん

「こちとら大奥様だぜぃ!」左から磯山さやかさん・宅間孝行さん

「こちとら大奥様だぜぃ!」左から原田龍二さん・前川清さん

「こちとら大奥様だぜぃ!」左から田中美佐子さん・前川清さん

「こちとら大奥様だぜぃ!」東貴博さん

 

存分に笑った後は2部の「ビバリー昼ズ寄席」。サンドウィッチマンはお互いの健康話からお約束の「カロリーゼロ」ネタを披露、ナイツも何かにつけて野球ネタに持ち込む鉄板ネタを披露しては会場内に笑いを響かせていました。

「ラジオビバリー昼ズ寄席」サンドウィッチマン

「ラジオビバリー昼ズ寄席」ナイツ

 

終演後、場内では高田さんと宅間さんが取材に応じました。

――初日上演の感想・田中美佐子さんのコメディはいかがでしたか?

高田さん「昔から美佐子さんの芝居を見ていて、いつか何かできたらと思っていた。宅間くんも美佐子さんの舞台を観たときに、自由に演じているから面白いなと。アドリブがきくし。日本の喜劇女優はなかなか育たないんだけど、ポスト泉ピン子として(笑)いやいや違うかな、ポスト森光子として、とてもたのもしく思います。キレキレな笑いを今のうちたくさん見ておいてもらえればと」

宅間さん「一昨年に僕のカンパニーに出ていただいたときにも、しみじみ思ったんですが、本番に入るとサービス精神旺盛で、今日はお客さんが入ってさらにスイッチが入って…。僕らはあの美佐子さんを見ているんですけど、お客さんにとっては相当びっくりされると思います。元トレンディ女優ですよ。面影は微塵もなくふっきれていますね」

高田さん「あそこまでできる女性の役者さんいないと思いますよ」

宅間さん「僕も一緒にやっていて、美佐子さんが暴走するのですくっていくのが大変なんですけど(笑)なんとか美佐子さんについていこうと思います」

――コロナ禍を経て本番を迎えた今のお気持ちは?

高田さん「一年以上前から公演について考えていて、そうしたらコロナ禍になって、本当に今日初日の幕が開いたときは感動しましたね。幕が開いてお客さんの顔を見ると、この商売やってて良かったなと。不要不急の商売ではないなとしみじみ思いまして。こういうときこそ笑いがあったほうが良いと思うので、俺らしくなく感動しましたね」

宅間さん「稽古始まってすぐに緊急事態宣言だったので、下手すれば公演中止の決断もひとつあったかと思うんですけど、僕らとしては万全の態勢でやっていこうということで、稽古中も細心の注意を払っていましたし、その結果、劇場入り前のPCR検査では全員陰性。稽古場は一歩間違えればクラスターなっちゃうような怖さの中やってきたんですけども、まずは幕が開き、お客さんにたくさんおいでいただいて、改めて、お客さんがいて成り立っていると思います。千穐楽まで、緊張感持ちながらやっていきたいと思います」

――今回キャストが豪華ですね。

高田さん「前川清さんが面白いんじゃないかと、そして美佐子さんいいなと。脇を固める若手衆…磯山さやか君とか東貴博君とか、なかなか面白いメンバーが集まったと思いますね。美佐子さんも前川さんも萩本欽一さんの薫陶を受けているんですよ。磯山君は志村けんさんとずっと舞台を一緒にやっていた。僕はビートたけしイズムですね。舞台でやってきたもので、東京のお笑いの要素が入っている。東君のお父さんは東八郎さんで東京喜劇の座長ですからね。そういういろんな血が混じって、東京のお笑いをつくろうと。寄席の顔付けは、今一番豪華な、東京で最強の寄席の芸人さんが集まったと思いますね」

――第一部で、予想以上に面白かった箇所はどこですか。

宅間さん「お客さんの笑い声で、演者は変わってくるので。みんなに見せ場があるが、それぞれ乗ってやっていたというか。前川さんと美佐子さんのエンジンのかかり方が全然違う。ゲネでは僕と美佐子さんの掛け合いがもっと短かったんですけど、今日もう非常にのびてしまいました」

高田さん「そういうのが楽しいですよね。お芝居は生ものだから、毎日変わっていくのが十何日もやれる楽しさだと思う」

――最後にお客さまへメッセージをお願いします。

高田さん「2月14日まで上演しています。こういう時期なので、ホッとする時間や、笑う時間があったほうが良いと思います。ぜひ浜町の方へ足を運んでくださいとお願いするだけですね、よろしくお願いします」

宅間さん「なかなか、おいでくださいと言いづらいご時世ですが、気楽にご覧いただいて大笑いしていただくと免疫力アップにつながると思いますので、楽しんでもらえたらなんて。テレビを見ていると感染者数の話題が多いですけど、舞台に足を運んでいただいて、一時忘れる時間を作っていただければと思っております」

高田さん「戦時中も、ギリギリまで寄席はやっていたといいますので、どんなときでもやっぱり笑いは必要だったんだと。ですから僕らも頑張って、ほっとするような時間をたくさん作っていければと思います」

左から宅間孝行さん・高田文夫さん

 

『よみがえる明治座東京喜劇-ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」全力応援‼-』は東京・明治座にて2月14日まで上演されます。

 

 

【公演概要】
■タイトル 『よみがえる明治座東京喜劇 ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」全力応援!!』
■日程・会場  2021年1月29日(金)~2月14日(日) 明治座

・第一部「こちとら大奥様だぜぃ!」
原案 小野田 勇『俺はお殿様』より
企画 高田文夫
脚色・演出 宅間孝行
出演 田中美佐子 宅間孝行 原田龍二 磯山さやか 東 貴博/浜谷健司(ダブルキャスト)
辻本祐樹 岩田華怜 大薮丘 やまもとまさみ 平田裕一郎 天真みちる
前川清(特別出演)/松村邦洋(ゲスト出演)
*辻本祐樹さんの「辻」のシンニョウは正しくは点1つです。

・第二部「ラジオビバリー昼ズ寄席」
企画 高田文夫
日替わりゲスト(出演日順)
サンドウィッチマン ナイツ 柳亭市馬 林家たい平
玉川奈々福 春風亭一之輔 三遊亭小遊三 春風亭昇太 林家彦いち 玉川太福
清水ミチコ 神田伯山 立川志らく 立川志の輔 爆笑問題
MC 立川志らら/上柳昌彦(ニッポン放送アナウンサー)(日替わり)

■主催  明治座・ニッポン放送・ミックスゾーン
■制作協力 「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」

■公式ホームページ https://www.meijiza.co.jp/info/2021/1_3/

(2021,01,30)

photo:オフィシャル提供/text:Saki Komura

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