大竹しのぶさんや大倉忠義さんが出演する、COCOON PRODUCTION 2021 DISCOVER WORLD THEATRE vol.10『夜への長い旅路』が67()に、Bunkamuraシアターコクーンで開幕し、出演者コメントおよび舞台写真が到着しました!!

写真左から池田成志さん、大竹しのぶさん、杉野遥亮さん、大倉忠義さん

 

本作は、ノーベル文学賞受賞、ピュリッツァー賞4回受賞などの輝かしい経歴を持ち、アメリカ近代劇の父と称される劇作家、ユージン・オニールの遺作『夜への長い旅路』を舞台化した作品。青春時代における凄惨な家族の姿を描いたオニールの自伝劇といわれ、悲劇的な家族の歴史を人間の真実を突く普遍のドラマに昇華させたオニールの代表作です。

演出を手がけるのは、英国気鋭の演出家フィリップ・ブリーンさん。フィリップに熱い信頼を寄せる大竹さん、4年ぶりの舞台出演となる大倉さん、そして、初舞台に挑む杉野遥亮さん、フィリップとは初タッグとなる池田成志さんら豪華俳優陣が集結し、家族4人の抱える哀切や怒り、後悔や絶望、そして家族間の愛憎、確執を描いた家庭劇を繰り広げます。

出演者のコメントはこちら↓

大竹しのぶさん

ある日の稽古場で、画面越しに初舞台の(杉野)遥亮くんにアドバイスするフィリップの言葉を聞いて、気が付けば私が深く頷いていたり、稽古場最終日、稽古が終わり「まだまだダメだ」と落ち込む遥亮くんに「私も一緒だよ」と慰めていたら、それを見ていた大倉くんが「俺もだよ、どうしよう」と三人でため息を吐いていると、もうモニターを切ってもいいのにフィリップがまたマイクをONにしてくれて「どうしたの?」と聞いてくれる。6000マイル離れていても、いつもそこにいてくれるんだと思えた瞬間でした。

思っていた以上に大変な戯曲であることが分かり、そして毎回のことですが、フィリップの戯曲の深い理解に感動しながら、稽古を重ねてきました。

それぞれが苦しみや、悲しみや絶望を感じていても、それぞれが大きな愛を持っている。だからこそ切なくて、そして美しい物語です。こんな状況の中でも来てくださることに、本当に感謝です。

 

大倉忠義さん

段々と家族のような絆が生まれていくような感覚を味わいながらも、馴れ合いではないプロの役者さん達の集中力で稽古が進んでいったことが思い出深いです。そして、稽古を経ても、まだまだこの戯曲の大きさ・深さに驚かされています。

愛憎劇という、なんでこんなに愛しているのに悲しいことばかり起こるのかと思いながら演じています。こんな形の家族を見て、お客さまへ何でもいいので何か宝物になるような経験を持って帰っていただけるように頑張りますので、どうぞ愛を持って見守ってください。

 

杉野遥亮さん

皆さんと稽古をする中で、演技とは芸術で、俳優とは芸術家なんだと学ぶことができました。俳優や演技に対する自分の中の意識がガラッと変わりました。何もかも初めてのことで、こんなに長い時間、役と向き合うことが今までになかったから、自分と役との境目がわからなくなったこともありました。自分がどこにいるのかわからない時もあって、これが役に向き合うということなのか初舞台で毎日素敵な経験をさせていただいています。劇場に入り初めて舞台上から客席を見た時はすごくワクワクして、もっともっと稽古をしたいという気持ちもあるけれど、早く観ていただきたいという気持ちも湧いてきました。物語はとても暗く、残酷にみえますが、そんな物語を今この時代に、この瞬間に上演することに意味があり、希望があると思っています。一緒に楽しんでください。

 

池田成志さん

演出家と海を挟んだ遠く離れてのリモート稽古で、空気感などがお互いうまく伝わっていない部分もあったなとも感じていて、もっと稽古をしたかった

僕の役は、奥さんのモルヒネ中毒や、息子の病気という心配事が多いので、単純な苛立ちに感情をフォーカスしがちになってしまい、治る、きっとうまくいく、というような家族としての基本的な気持ちになかなかたどり着くことができなかった。作品を通して、家族って単純ではないんだな、難しいなと改めて感じました。

この作品は台本が分厚くてものすごい情報量です。身に染みたとか、わからないとか、ここが響いたとか、観てくださった方それぞれに、色々な感情がわいてくると思います。それだけ複雑な内容なんだと僕たちも実感しています。とても苦しくなると思うので、休憩中にいっぱい深呼吸してください()。終わったら、少しだけ気が晴れるような作品にもなっていると思います。

 

【作品あらすじ】

1912年、夏のある日の朝。俳優ジェイムズ・タイロンの別荘の居間で、家族が朝食後の団欒を楽しんでいる。しかしその会話から徐々に明らかになるのは、彼らの実像、家族を覆う暗い陰である。父ジェイムズは異常な吝嗇家であり、母メアリーは麻薬の常習者、長男ジェイミーは酒と女にだらしない放蕩息子で、次男エドマンドは肺を病んでいる。メアリーは昔、幼い息子ユージンを亡くしたことで罪の意識にさいなまれていた。その後にエドマンドを出産し、産後の病気をきっかけにモルヒネ中毒に陥ってしまったのだ。家族の確執が次第にあぶり出されていく中、再びモルヒネに手を出したメアリーが幻覚に襲われ始めて……

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、演出家がイギリスより来日できなかったため、稽古は演出家と稽古場をリモートで繋いで実施いたしました。

 

【公演概要】

タイトル

COCOON PRODUCTION 2021 DISCOVER WORLD THEATRE vol.10『夜への長い旅路』

日程・会場

東京公演:202167()74() Bunkamuraシアターコクーン

京都公演:202179()~7月18() 京都劇場

作 ユージン・オニール

翻訳・台本 木内宏昌

演出 フィリップ・ブリーン

美術・衣裳 マックス・ジョーンズ

出演

大竹しのぶ、大倉忠義、杉野遥亮、池田成志、土居志央梨

お問合せ

東京:Bunkamura  03-3477-3244      www.bunkamura.co.jp/cocoon/

京都:キョードーインフォメーション 0570-200-888  http://www.kyodo-osaka.co.jp

企画・製作 Bunkamura

(2021,06,09)

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