数々の舞台に出演し圧倒的な歌唱力と表現力で、多くの観客を魅了し続ける濱田めぐみさん。

1996年2月に上演された『美女と野獣』のヒロイン・ベル役に大抜擢された劇団四季でのデビューから25年を迎えた今年、濱田さんのミュージカルデビュー25周年記念アルバム『Connect』が1月26日に発売されます!!
濱田さんにとって3枚目となるアルバム『Connect』のラインナップは、近年出演したミュージカル作品のひとつひとつを思い出させる曲ばかり。発売を前に、今回のアルバムや収録曲への想い、ミュージカルデビューから25年間変わらずに持ち続けた想いなど濱田めぐみさんの“今”をうかがいました。

 

ー25周年を記念したアルバム発売おめでとうございます!!ラインナップも豪華ですね!!
「四半世紀です(笑顔)!!今回のアルバムは、近年出演した作品のソロ曲がほぼ全曲入っています!!」

 

ーこのタイミングで新しいアルバムを出そうと決めた想いを教えてください。
「前回のアルバムから5年経ち、出演した作品も多くなってきました。演目にもよりますが、喉の調子も変わってくるので、残せるタイミングで、舞台の臨場感そのままに残しておきたいという気持ちがあり、25周年という想いもあり決めました」

ー全13曲の中で濱田さんの中で印象深い作品はどの作品でしょうか?
「『スコット&ゼルダ』(2015年上演)が作品のテーマや、蓬莱竜太さんの上演台本を演出の鈴木裕美さんと試行錯誤しながら舞台として作りあげていったなとか、『マーダー・バラッド』(2016年上演)も歌だけの4人芝居で作りあげていくのに苦労したなという思い出はありますが、どの作品もすべて同じ重さで思い出深いなと思っています」

 

ー最初に感覚的にこの曲好きって感じた曲はどの曲ですか?
「『王家の紋章』(2016年初演、2017年再演出演)の出演した時に音楽を担当したシルヴェスター・リーヴァイさんから頂いた「Unrequited Love」という曲です。この曲は、リーヴァイさんに“すごく難しい曲を作ってください”ってお願いした曲で、出来あがってきた曲は本当に難しい曲でした(笑)。『アリージャンス~忠誠~』の「もっと高く」もドラマがある作品ですので、難しいですね」

 

ー今回の作品を終えての収録でも、演じた役の感情や気持ちを込めてのレコーディングとなりましたね!!
「そうですね。私が歌う時は、本人ではなく、役として歌うので、演じた作品との時間が近い方が入りやすいということはありますね。あと『レ・ミゼラブル』(2019年、2021年上演時にファンティーヌ役で出演)の「夢やぶれて」も定番ですがやはり良い曲ですよね。全世界で歌い継がれている曲ですし、作品への憧れがあまりにも強く、いまだに自分がその作品に出演したという実感が無いんですよね(笑顔)」

ー今回収録されているミュージカル『Tell Me on a Sunday』(2016年上演)は濱田さんのソロミュージカル。始めの暗転があけて明るくなったら舞台横の客席の1席から濱田さんが立ちあがってスタートするというとても印象深い演出でしたね。
「明るくなって、隣に座っているお客さまのウワァっていう息吹を感じました。特に初日のお客さまの驚きは一番大きかったと思います。一人芝居ならではの演出でした」

 

ー濱田さんがひとりで出演する舞台というのは本当にこの作品だけですし、20周年という特別感もありましたね!!これから30周年、40周年に向けてこんなことをやってみたいということを教えてください。
「年齢やキャリアを重ねていくうちに、役柄も自然と変化していきます。ヒロインよりも母親、お姉さんとか守るべき対象がある役が多くなっていくと思います。その路線に自然と乗った時に、お芝居として私が出せる母性や優しさ、包み込む感じ、それとは全く違った厳しさや冷たさみたいな感情を流れに沿って出せたらと思っています。そして、今まで以上にひとつひとつ丁寧に作りあげていきたいという思いがあります」

 

ーお芝居としてのストレートプレイ(セリフ劇)への出演とかは考えてますか?
「すごくやりたいですね!!ずっとやりたいなって考えています」

 

ー多くの作品へ出演されている濱田さんのルーティンはありますか?
「作品に入る時によって違っていて、自分主体というよりも作品と役が主体となるので、それに応じたルーティンが毎回決まっていきます。例えば『オリバー』(インタビュー時に出演中の作品)だと、心理的に揺れることが多く、人の死に対面したり、いじめられたり、それを見たり、差別があったりとメンタルがものすごく疲れるところがあって、メイクの時や終演後にマイケルジャクソンの曲をずっと流して、心の安定を保ってました。マイケルの曲は、心拍数と同じで揺るがないんですよ。2回公演の間の休憩の時は、マイケルの曲をかけて心と身体にまだ本番中だよと認識させてましたね」

 

ー濱田さんにとって音楽とは?
「身体を構成している要素のひとつです。ミュージカルでいう音楽とクラシックの音楽は少し違っていて、心の思いが音楽に乗っているのがミュージカルで、それを客観的に音楽と捉えるならば、私にとっては、話しているのと同じ、思いを述べているという行動のひとつです。役者・濱田めぐみが音楽というと、表現のひとつですが、仕事を離れて、個人的に音楽というと薬のように整えてもらうもの、癒しですね」

 

ーミュージカルデビューから25年。濱田さんが変わらずにやってきたことや心にいつも持っていることは?
「確実に変わらないものは、役や舞台に対しての方向性。これは劇団四季で養われたものだと思います。浅利先生(浅利慶太さん)が舞台を常に神聖なものと思っていらっしゃって、我々もその想いを受け継いでいて、舞台袖で踵を鳴らして歩かないとか、細かいことですが、舞台が人に与える影響の大きさを知っているので、舞台に対するリスペクトは変わらないですね。身近にあるとはいえ、舞台に立つということをさせていただいている環境にいることができている自分の状況への感謝は、デビューしてから変わらないです。それはとてもありがたいことだと思っています」

ー逆に25年で大きく変わったことは?
「引き出しが格段に増えていることですね!!前だったら10かかっていたことが、今は1か2でできるようになって、自分自身でも進化を感じています」

 

ーもう一度アルバムのお話に戻りますが、アルバムの最後の13曲目「Come What May(ムーラン・ルージュ)」では井上芳雄さんがゲストで参加されていますね。
「この曲は、芳雄くんの番組のWOWOW『グリーン&ブラックス』で一緒に歌いました。私も、芳雄くんも本当にたくさんの曲を歌ってきたのに、その時は、二人ともこの曲にあまり馴染みがなかったんです。二人とも真っ新な状態で、“これであってるよね?”とか確認しながら、カメラリハーサル1回で歌ったのですが、すごく新鮮で、二人で“この曲いいね!!”って感動しながら歌いました。今回のアルバムのゲストに芳雄くんが来てくれると聞いて、あの曲を入れたいって思って。収録の時も二人で“やっぱりこの曲いいよね”って言いながらレコーディングしました。芳雄くんとのデュエットの曲を選ぶのが案外難しくて、みんなが歌声を知っていて、私たちも喉の筋肉が覚えていて調節できる曲は予想できて新鮮味がないですから、別の曲ないかなって悩んで、この曲に決めました」

 

ー最後に読者の皆さまへメッセージをお願いします。
「『Connect』というタイトル通り、いつも自分の声や存在を通していろいろな人がつながっていけたらいいなと思っています。ファンの皆さん同士、劇場で隣に座った人同士、話はしなくても同じ空気を吸って、同じ時間を過ごして同じ感動を持って劇場を後にするというのが舞台の醍醐味だと思って毎回舞台に立っています。舞台で歌ったこの曲たちをなるべく、再現度を高く収録し、その時に観てくださった方たちの記憶に残したい、そして観てくださった方が当時のことを思い出してもらえるような存在として、このアルバムが繋がっていけたらいいなと思います。聴く方々は、その時にどういう気持ちで濱めぐ観てたかなって思い出しながら聴いてもらえたら嬉しいですし、劇場にきた感覚で楽しんでもらえたら嬉しいです」


【profile】


濱田めぐみ/Megumi Hamada
1972年8月2日生まれ。福岡県出身。
1995年12月劇団四季オーディションに合格。抜群の歌唱力と将来性が認められ3ヵ月後、1996年2月『美女と野獣』ヒロイン・ベル役に大抜擢され劇団四季デビュー。
その後劇団四季の初演『ライオンキング』、初演『アイーダ』、初演『ウィキッド』の三作品でヒロインを演じる。伸びのある歌唱力と定評のある演技に加えタップダンスもこなす。劇団四季では看板女優として2010年12月退団まで15年間活躍。
退団後、『ボニー&クライド~俺たちに明日はない』ボニー役、『ジキル&ハイド』ルーシー役、『アリス・イン・ワンダーランド』帽子屋役、『二都物語』マダム・ドファルジュ役、『モンテ・クリスト伯』ルイザ役、『ラブ・ネバー・ダイ』クリスティーヌ・ダーエ役、『カルメン』 カルメン役、『メンフィス』フェリシア役、『デスノート』死神 レム役、『サンセット大通り』ノーマ・デズモンド役、『スコット&ゼルダ』ゼルダ役、『Tell Me on a Sunday』エマ役、『王家の紋章』アイシス役、『マーダー・バラッド』ナレーター役等、数多くの作品に出演。

第40回菊田一夫演劇賞、第66回芸術選奨演劇部門文部科学大臣賞、第24回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。

2021年は、ミュージカル『アリージャンス』『イリュージョニスト』『レ・ミゼラブル』『オリバー』へ出演。

2022年には、ミュージカル『メリー・ポピンズ』(3月-6月)、『COLOR』(9月)への出演が控えている。

ホームページ:http://fc.horipro.jp/hamadamegumi/
Twitter:@megumihamada
Instagram:@megumi_hamada


【アルバム概要】
■タイトル
ミュージカルデビュー25周年記念濱田めぐみ3rd ALBUM『Connect』
■発売日
2022年1月26日
■価格 3,500円(税抜)

■販売サイト

https://horipro-shop.com/products/detail/925

※発売日以降上記サイトにて購入ください。
■収録曲

01 追憶(スコット&ゼルダ)

02 遥かな調べ(Tell Me on a Sunday)

03サヨナラは日曜日に(Tell Me on a Sunday)

04 Unrequited Love(王家の紋章)

05イシスとオシリスのように(王家の紋章)ゲスト:浦井健治

06 マーダー・バラッド(マーダー・バラッド)

07 その日に私が(フランケンシュタイン)

08 お砂糖ひとさじで(メリー・ポピンズ)

09 どんなことだってできる(メリー・ポピンズ)

10 私の殺意(メタルマクベス disc1)

11 夢やぶれて(レ・ミゼラブル)

12 もっと高く(アリージャンス~忠誠~)

13 Come What May(ムーラン・ルージュ)ゲスト:井上芳雄


▶︎ミュージカルデビュー25周年記念CD 『Connect』発売記念配信イベント決定!!
発売を記念した配信イベントが、1月22日(土)に開催されます。
配信イベントでは特別ゲストに浦井健治さんを迎え、『Connect』のレコーディング時の映像を見ながら周年を振り返ります。
また、ミュージカル俳優の先輩後輩の皆さん(安蘭けいさん、井上芳雄さん、市村正親さん、海宝直人さん、鹿賀丈史さん、柿澤勇人さん)からのお祝い動画も公開予定。

レコーディング風景映像の公開は10曲が予定されています。なかなか見ることができない貴重な映像の数々、どうぞお見逃しなく!!

■配信日時
2022年1月22日 21時スタート(約80分)

■配信視聴券
1 配信視聴券のみ 3,300円(税込)
2 CD 「Connect」+ 配信視聴券セット券 6,200円(税込)
セット券特典→レコーディング映像1曲
(Unrequited Love ミュージカル『王家の紋章』より)プレゼント
商品に映像視聴用QRコード+パスワードを同封してお送りいたします。
■チケット発売期間
2022年1月12日(水) 18:00〜2022年1月22日(土) 21:30
https://eplus.jp/connect/

「収録しながらその時の舞台上の風景や、匂い、感覚、全てが生々しく甦ってくる。」
(25周年記念「Connect」ブックレット内 濱田めぐみさんコメントより抜粋)
本人も語っているように、歌によって、スタジオの空気をもかえる不思議な彼女。
極限まで集中力を高め、役が降り立ち、何度も歌い直さない。
言葉では言い尽くせない、凄まじい表現力。

スタッフだけでは受け止めきれない、強烈なエネルギーを放つレコーディングの姿。
どうにか皆さまにお届けしたいと思い、集中力の妨げにならないよう定点カメラを設置。
綺麗に後から撮り直したミュージックビデオのような映像とは違いますが
皆さまと感動を共有させていただきたい。
一夜限りの企画、この機会をお見逃しなく!!


(2022,01,18)

photo:Hirofumi Miyata/interview&text:Akiko Yamashita

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