舞台『淡海乃海‐現世を生き抜くことが業なれば‐』公開ゲネプロ・取材会が、2022年5月20日(金)に、東京ドームシティ シアターGロッソで行われ、小川優さん(ジャニーズJr.)、内海光司さん、賀集利樹さん、小宮孝泰さん、武田智加さん(HKT48)、演出の松多壱岱さんが登壇しました。

 

本作は、『淡海乃海 水面が揺れる時～三英傑に嫌われた不運な男、朽木基綱の逆襲～』(TOブックス刊)を原作とした転生時代劇ドラマ。原作の『淡海乃海』シリーズは、イスラーフィールの小説家デビュー作で、書籍版は累計80万部を突破(電子書籍含む)し、書籍化以外にもこれまでに、コミカライズ、オーディオブック化、そして二度の舞台化を実現してきた人気シリーズです。今回の舞台化では、初演版の舞台を大胆にアレンジし、壮大なCG映像を駆使したステージを作りあげます。

物語の舞台は、1550年。足利将軍家が三好家に追放され、室町幕府の崩壊が始まった歴史的な年に、近江にある小領地・朽木に、わずか2歳にして当主に就任した少年、朽木基綱(竹若丸)が主人公です。基綱は、ものを作り、それを売ることで領地をどんどんと豊かにしていきます。若くして優秀な当主である竹若丸ですが、その実、彼の中身は歴史好きな現代日本人の「俺」でした。基綱は、圧倒的な知識と交渉術、豪胆さを武器に乱世を駆け抜けていきます。

基綱を演じる小川さんは、「子どもとしての自分を見せないといけないし、50歳の自分も見せないといけない。人によっては子どもに見せて、人によっては殿の顔を見せて、人によっては50歳の自分を見せる。その切り替えが色々なシーンで出てくるので、しっかりと見せて演じたいと思います」と意気込みます。

小川さんにとっては、本作は初主演舞台となりますが、「普段は、あまり緊張しないんですが、2日前、本番をやっている夢を見た」ことから緊張が押し寄せてきていると話します。「夢の中で、刀を抜いたら、短い刃が出てきて…目が覚めた時、怖いと思ってしまった。でも、緊張することは良いことだとも思うので、それを糧にやっていきたいと思います」と力を込めました。

また、ジャニーズ事務所の大先輩でもある内海さんとは、本作が初共演となりますが、「大先輩なので、怖いのかなとも思いましたが、とても気さくな方でフランクに話してくれました。大先輩だけど、お兄ちゃんみたいな感じです。共演者みんなに飲み物を配る姿はジャニーさん(故・ジャニー喜多川氏)みたいだった」と稽古場でのエピソードも明かしました。

 

小夜役の武田さんは、「私が演じる小夜ちゃんはとても純真無垢。私もきれいな心で演じようと思っています。ですが、こうした舞台に出させてもらうのは初めてなので、吐きそうなほど緊張しています。これまで稽古で素敵なキャストの皆さんとスタッフの皆さんと作ってきたものをちゃんとお届けできるように頑張ります」と想いを語りました。

 

一方、六角義賢役の小宮さんは「(六角は)登場人物みんなが若くて希望を持っている中で、ずる賢く、たくましく生きていましたが、当時はそうやって生きていかないと生きていけなかった。家を守るということのために、個人の感情を押し殺してしまう人物です」、浅井久政役の賀集さんは「僕が子どもの頃に歴史を勉強した時は“暗愚”という評価をされていた人物ですが、近年、内政や外交の手腕が再評価されています。この作品でも、久政に焦点が当たり、“暗愚”として幽閉されてしまった印象とはまた違う久政を演じられたら」とそれぞれの役柄を説明しました。

 

そして、現代を生きる「俺」を演じる内海さんは「そもそも役名がない、普通の50代のサラリーマン。歴史小説を書いている時に、突然、竹若丸に転生してしまい、現代人の知識を使って、戦国時代を生き抜いていこうという役どころです。他の役者さんと、目を合わせることもなく、会話をすることもなく、絡むこともなく、竹若丸とのやりとりだけで成立させている役です。ファンタジー要素もある作品なので、普通の時代劇と違った部分も楽しんでいただけたらと思います」とアピールしました。

 

演出の松多さんは、見どころを「竹若丸と『俺』の関係。現代人が戦国時代に投げ込まれた時はどう生きるのかというのが大きなテーマになっています。それは、内海さんの『俺』が覚醒していく演技で見られると思います」と明かしました。また、舞台いっぱいを使ったプロジェクションマッピングも本作の魅力の一つ。松多さんは「Gロッソはプロジェクションマッピングの設備が充実した劇場なので、何度も下見をして、準備をしてきました。テクニカルな表現になっていると思います」と自信をのぞかせました。

 

会見の最後に、小川さんは改めて「竹若丸と『俺』のやりとり、それから自分の中の葛藤、その葛藤が生まれたことで起きるせめぎ合いを見てもらいたいです。そして、朽木家、浅井家、高島家それぞれが『家を守らなければいけない』という想いを持っていることを踏まえて観ていただくと、より入り込めると思います」と作品をPRして締めくくりました。

 

【公演概要】
■タイトル
舞台『淡海乃海‐現世を生き抜くことが業ならば‐』
■日程・会場
2022年5月20日(金)～5月29日(日)　東京ドームシティ シアターGロッソ
■原作　イスラーフィール『淡海乃海 水面が揺れる時～三英傑に嫌われた不運な男、朽木基綱の逆襲～』(TOブックス刊)
■脚本　西瓜すいか

■演出　松多壱岱

■出演
小川優(ジャニーズJr.)
三浦海里　西川俊介　堀田竜成　高木トモユキ
武田智加(HKT48)

龍人　五十嵐拓人　長月翠
植村颯太　大塚晋也　中島明子

小宮孝泰

長尾卓也　向野章太郎　鈴木翔音　一洸　剣持直明　三浦修　高野亜沙美

仲万美　賀集利樹　内海光司

林宏樹　北村丈　早川勇平　岩瀬和樹　竹田直央　園木祥太　石倉和樹　田中雅士

■公式ホームページ

https://www.afumi-stage.jp/
(C)Israfil/TOBOOKS

(2022,05,21)

photo&text:Maki Shimada

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