水木しげるさんによる漫画『ゲゲゲの鬼太郎』を原作とした舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』が、2025年8月2日(土)から明治座で上演されます。

『ゲゲゲの鬼太郎』は、1965年の週刊少年マガジンの連載に始まり、漫画、アニメ、映画、小説、ドラマ、ゲームなど、半世紀以上に亘り、多くの人に愛され続けてきた作品です。2022年には舞台『ゲゲゲの鬼太郎』が上演され、大きな話題になりました。そして、水木しげるさん没後10年にあたる2025年、完全新作となって帰ってきます。

今作で鬼太郎たちが立ち向かうのは、世界征服を目論む西洋妖怪の吸血鬼軍団。鬼太郎たちと吸血鬼軍団の戦いが始まります。本作で、謎の女を演じる美弥るりかさんに意気込みや見どころ、そしてファッションについてなどを聞きました!!

 

―出演が決まったお気持ちを聞かせてください!!
前回の舞台が上演されていることはもちろん知っていましたが、まさか出演のオファーをいただけるとは思っていなかったので、素直に嬉しかったです。同時に、「何の役だろう?」と。『ゲゲゲの鬼太郎』は小さい頃から観ていた作品ですが、私に当てはまる役はあるのだろうかと思いました。

 

―前回の公演はご覧になっていますか?
はい、観ています。面白かったです。やっぱ『ゲゲゲの鬼太郎』が舞台化されるというだけでも興味を惹かれますし、「こういう形になるんだ」と驚きもありました。私の中で『ゲゲゲの鬼太郎』は激しさもある作品のイメージがありましたが、そうしたところは削ぎ落とされて、シンプルに魅力を伝える形になっていると思いました。今回はまた新たなストーリーが綴られ、西洋妖怪も登場するので、また違う華やかさがプラスされるのではないかな、と勝手に想像しております。

 

―今回、美弥さんが演じる謎の女という役柄について、お話いただける範囲で教えていただけますか?
「謎の女」なので、謎がある人なんだなということはもうきっとどなたにもお分かりだと思いますが(笑)、言えないことが多くて。ただ、ねずみ男さんと深い関わりがある役で、物語をグッと動かすキーパーソンになるのではないかと思います。清楚なお衣裳で、ヘアメイクもお嬢様っぽくしていただき、ビジュアル撮影を行いましたが、そうしたイメージの女性であると同時に、キーパーソンとしての強いパワーを持ってこの役に挑んでいきたいと思っております。今はお伝えできない「謎」はぜひ舞台に観に来ていただいて、楽しんでいただければと思います。

 

―本作のように原作のある作品に出演する際に、役作りをする上で原作に立ち返ることも多いのですか?
そうですね。今まで出た作品では全て原作を何度も見たり読んだりして役作りをしています。仕草など技術として必要なところも見ますが、それに加えて、原作者さんのインタビューも読んでいます。そうするとその方がこの作品において何を1番大事にしているかが言葉で書かれているので、自分の役作りでもそれを1番大事にするようにしています。やっぱり原作ファンの方にもたくさん劇場に来ていただけることが多いので、その方々の想像を超えたいという思いがあるんです。想像通りではなく、想像よりも良かったと思っていただくには、自分が一番にその作品を愛さなくてはいけないと思っています。

 

―漫画とアニメがある場合にはアニメもご覧になるのですか?
はい、観ます。例えば舞台『キングダム』に出演したときは、漫画を全巻読んで、その後にアニメも全て観ました。さらに、実写の映画も全て観ています。今回の『ゲゲゲの鬼太郎』も今、移動中などにもアニメを見ています。

 

―では、原作のみならず、アニメ、映画とさまざまなメディアで親しまれている『ゲゲゲの鬼太郎』ですが、舞台版の魅力はどんなところにあると考えていますか?
もちろん原作は原作で、アニメはアニメで多くの方が楽しんでいらっしゃると思いますが、原作やアニメの中の人物が実際に動いているところが観られるというのは魅力のひとつだと思います。ただ、人間が演じているので、原作のイメージを持ちつつも、そこにはどうしてもオリジナリティが加わります。そうすることで、演じるキャストと役の魅力がひとつになって、より素敵に見えるなと私は感じています。今回も主演の荒牧慶彦さんをはじめ、演者さんたちの魅力がプラスされて、よりエンタメ感が深まってとても楽しく観ていただけるのではないかと思います。

 

―子どもの頃から『ゲゲゲの鬼太郎』を観ていたということですが、幼い頃の『ゲゲゲの鬼太郎』の思い出は?
アニメをよく観ていました。私の時代は(『ゲゲゲの鬼太郎』は)誰もが自然と観るアニメの一つだったように思います。主題歌を友達と歌ったり、目玉おやじの声真似をしたりすることが、学校で流行っていた思い出があります。なので、今もこうして愛され続けて、近年、作品がさらに盛り上がっているというのは本当にすごいことです。そして、大人になると子どもの頃とはまた違った見方ができることもまた魅力となっているんだろうと思います。

 

―確かに大人になって観ると、また違った面白さのある作品ですよね。
子どもの頃はさらっと聞き流していた言葉が、胸に刺さったり、考えさせられたりするんですよね。今回の舞台も大人の方にこそ楽しんでいただけるのではないかと思います。

 

―演出は堤泰之さんが務めますが、堤さんとのクリエイトで楽しみにされていることはありますか?
今回、初めてご一緒させていただくので、どういう演出になるのか、すごく楽しみです。やっぱり新しく出会う演出家さんとご一緒させていただくと学びが多いです。初めてご一緒すると、お互いに挑戦できるところがあるので、今回も今までにない引き出しを見つけていただけるのではないかと思いますし、私も果敢にトライしていけたらと思います。

 

―共演の皆さんの印象も聞かせてください。
これまでご一緒させていただいたことがあるのは、廣野(凌大)くんだけです。以前に共演したときは、姉弟のように仲良くさせていただいたので、またこうして共演することができて嬉しいです。しかも今回、彼にぴったりな役柄で、彼の軽快さや面白さが出ると思います。廣野くんはアーティストとしても活動しているということもあり、役者としてだけではない感性の深さがあると思いますし、前回の共演から数年が経ち、彼がどういうお芝居をするのか期待しています。
主演の荒牧さんとは今回、初めてですが、実写化される舞台でも大活躍されている方なので、荒牧さんがどんなふうに鬼太郎を演じるのか、どう表現されるのかも楽しみです。
浅野ゆう子さんとは撮影のときに少しだけご挨拶させていただきました。とても美しく、穏やかで優しいオーラのある方だったので、きっと最初は緊張してしまうと思いますが、楽しみでもあります。いつも思うのですが、私は先輩方の、これまでの経験されたヒストーリーを聞くことがすごく好きなんです。今回も素晴らしい先輩方がいらっしゃるので、役者さんとしての思いやこれまでの経験をお聞きできたら嬉しいなと思っています。

 

―こうした初めての方が多い現場では、美弥さんは積極的にコミュニケーションを取っていかれるタイプなんですか?
私の場合は、初めましての方ばかりということが多いので、だんだん慣れてきて、初めましての方の中でも自分らしくいられる方法がなんとなく分かってきたように思います。それに私は第一印象できつい人に思われがちなので、「全然そうではないんです!」という意味でも、初対面の方には自分から声かけることが多いかもしれません。なるべくヘラヘラした普通の人ですということを先に分かっていただいた方が、その後のお芝居にも良いと思うので、自分から恥ずかしがらずにどんどん自分の抜けている部分を出すようにしています。

 

―ありがとうございました!! 最後に公演を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。
前回よりもさらにパワーアップして舞台に帰ってきますので、ぜひ原作ファンの方にもそれぞれの役者さんのファンの方々にも観に来て楽しんでいただけたらと思います。そして、ぜひ私の “謎”をその目で確かめていただきたいなと思います。夏にぴったりな作品だなと思いますので、ぜひ応援していただけたら嬉しいです。


▶︎美弥るりかさんのファッション事情◀︎
―今日のお衣裳のポイントは?
トップスを主役にコーディネートを考えました。「Noir Kei Ninomiya」というブランドなのですが、このブランドのお洋服が好きなんです。キャミソールは、サスペンダーがついていてフリルの付け方を変えることもできるんですよ。付けるとドレッシーになります。私は、1つのお洋服で2つも3つも顔があるものを選びがちです。例えば、キャミソールの中に着ているシャツも本当はネクタイがついてて、ロングシャツにもなるんです。ベストもあるので、自分の好きなように着こなせます。
パンツにはサイドにも布地がついていて、ボタンを前で止めるとロングスカートに見えますし、後ろで留めるとパンツの後ろにスカートがあるように見えますし、横に垂らすとドレッシーになります。そうやって着方で変えられるというのが今日のポイントです。

 

―今日のお洋服もご自身でスタイリングされたのですよね。
そうです!! 本当にお洋服が好きで、お洋服を買ってばっかりなんです(笑)。最近は、自らリースに行って選ぶこともありますが、お借りしに行っているのにそこでも買ってしまうんですよ(笑)。よく布が好きと自分でも言っていますが、とにかく布に囲まれていたいんです。なので、ブランドも問わず、ジャンルも問わず、メンズもレディースも問わず、自分の足で歩いて気に入ったお洋服を探します。今の時代はネットでも簡単に買えますが、実際に届くと思ったものとは違うということもあるので、私は店舗で、まず生地の触り心地を肌で味わってから買うことが多いです。

 

―お洋服を選ぶときにここだけは外せないというポイントはありますか?
人が着ないようなものを選ぶということは、昔から無意識にしています。例えばあるブランドのお店に行って、1番シンプルなシャツやロゴのTシャツは皆さんが買いやすいアイテムで、私も素敵だなと思いますが、これを買ったらきっと誰かも着ているだろうと思ってしまって。そうすると、ちょっと個性的な服を選んでしまいます。私は皆さんからファッションが好きだと思っていただいていて、それもプロフィールのひとつだと思っているので、「お洋服が好き」だと思っていただけるようなアイテムを選ぶということも大切にしているところかもしれません。

 

―色やスタイルについてはいかがですか?
色ではあまり冒険しないですね。黒やグレーが多いです。黒とグレーで不思議な形のものばかり(笑)。なので、買って帰ったら似たようなものを持っていたということもあります(笑)。

 

―最近買ったお気に入りアイテムは?
いろいろと買っていますが、最近、すごくかわいいピアスを買いました!キラキラでトゲトゲになっていて。はめると1つのトゲが耳を貫通しているように見えるんです。夏にシンプルなTシャツに合わせたら、ポイントになってかわいいなと思いました。ライブなどの衣裳も自分でコーディネートしているので、そうしたときにも照明が当たってキラキラするアイテムは使えるんじゃないかなと思っています。

 

―今日のお衣裳もそうですが、個性的なアイテム同士を合わせるのはなかなか難しいと思いますが、合わせるときのコツというのはありますか?
個性的なアイテムに個性的なアイテムを合わせてしまえば、なんとなく完成するように思います(笑)。シンプルな服はとても難しくて、その方のスタイルや体型、身長、ヘアメイクなども考えてコーディネートしないといけないんですよ。でも、ふわふわしていたり、ひらひらしている服というのは、体型もよく分からないし、もし、ヘアメイクがあまり合っていなかったとしても、個性としてまとまりがあるように見えるので、思い切りが大事なんだと思います。合わせないだろうと思うものを合わせると意外としっくりくることが多い。なので、癖のあるものは癖があるものと合わせた方が良いと私は思います。

 

―最後に、美弥さんが素敵でいるため、かっこよくい続けるための秘訣は?
秘訣というのは特にないですが、毎日、大事にしているのは「1日に3人以上の方を幸せにしたい!」ということです。店員さんでもいいですし、お会いした仕事先の方でもいいのですが、お仕事してよかったとか、頑張って良かったと思っていただけるように、1日に最低3人の方に感謝や愛を伝えようと決めています。最低3人が自分の目標なんですが、私はインドアなので、1日に一歩も外に出ない時もあるんですよ。そういうときには、ファンの方とコミュニケーションを取れるツールにも出没して、皆さまに「今日もお疲れさまです」という気持ちを伝えるようにしています。人に感謝を伝えることで、当たり前のことが当たり前じゃないってことに気づけます。どうしても自分の経歴が長くなってきて現場でも年上でいることが多くなってきたので、だからこそそこにあぐらをかかずに、初心を忘れずにいたいなと思っています。

 

【profile】
美弥るりか/Rurika Miya
9月12日生まれ。茨城県出身。
2003年に宝塚歌劇団に入団(89 期)。男役として 2017 年には『瑠璃色の刻』、2019 年に は『アンナ・カレーニナ』で主演を務める。2019年6月退団まで唯一無二の存在感で、男役だけでなく幅広い役柄を好演。宝塚歌劇団退団後、独自の個性を生かし、ファッションやライブ等、様々なフィールドで活動の幅を 広げている。
最近では、2023年『KINGDOM』で楊端和役、『ヴァグラント』では桃風役を務めた。また、「2022 ALL ABOUT ミュージカル・アワード」で助演女優賞を受賞し、益々注目を集めている。

■公式ホームページ
https://rurikamiya.com/
■公式Instagram
https://www.instagram.com/rurika_miya_official/


【公演概要】
■タイトル
舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』
■日程・会場
東京公演:2025年8月2日(土)〜8月16日(土) 明治座
大阪公演:2025年8月21日(木)〜8月25日(月) 新歌舞伎座
■原作 水木しげる
■脚本・演出 堤泰之
■出演
荒牧慶彦 大塚明夫 上坂すみれ
植田圭輔 廣野凌大/美弥るりか/浅野ゆう子
野沢雅子(声の出演) 島田敏(声の出演) 山口勝平(声の出演) ほか
■公式ホームページ
https://gegege-stage.jp/

(2025,08,01)

photo:Hirofumi Miyata/interview&text:Maki Shimada

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