2024年に上演され、多くの観客の心を掴んだ舞台『星列車で行こう』の待望の再演が決定。2025年10月4日(土)から、東京・新橋演舞場で上演されます。本作は、夜空を駆ける“幻の列車”を舞台に、人生の岐路に立つ人々が出会い、悩み、そして希望を見出していく姿を描いた、小説家の真山仁さんによるオリジナルストーリーです。演出・補綴を坂東玉三郎さん、主演を初演に引き続き、影山拓也(IMP.)さんが務めます。影山さんに初演の思い出や再演への意気込み、さらにはファッションについてなどたっぷり語ってもらいました!!
―再演が決まったときのお気持ちを教えてください。
昨年、初の単独主演舞台として初演をさせていただき、今年もまたやらせていただけることがすごく嬉しいです。演出の玉三郎さんとも再びご一緒でき、今回はどういう作品になるのだろうとワクワクしています。これから稽古が始まりますが、自分の中で「こうなるのかな」といろいろと想像しながら楽しく稽古を待っています。(※取材は9月上旬)
―昨年の初演は、初めての単独主演でしたが、主演ならではの苦労や思い出はありますか?
苦労というよりは、難しいなと思うことがたくさんありました。例えば、普段、自分たちがライブで歌っているときとは発声が全く違うので、玉三郎さんに声の出し方から教えていただきました。そうした技術的な難しさもありましたし、自分がこれまで触れてこなかったジャンルだからこその難しさもありましたが、自分の中の新しい引き出しができる喜びを感じ、とても楽しくお稽古させていただきました。お芝居に関しても苦労はありましたが、学ぶものが多かったです。
―初演を終えて手応えは感じましたか?
手応えといったらまだまだ足りない部分があるなと思います。ただ、これまでのライブで歌っているときの発声とは違う歌唱やお芝居で、「こんな一面もあるんだ」と思っていただけるような新しい顔をお見せできたのかなと思います。
―今回、再演をするにあたって、新しく変わるところはありますか?
まだ稽古が始まっていないのでどうなるのか何も言えませんが、新しい楽曲があります。今回、新しく小波津(亜廉)さんが出演されますが、2人で歌わせていただくシーンもあります。小波津さんとの関係性ももちろん、ほかのキャストの方との関係性もどうなっていくのか僕自身も楽しみにしているところです。それから、昨年と大きく違うところとして、今回は最後にショータイムがあります。衣裳もガラリと変わりますし、役とは離れて、影山拓也として歌うシーンになるので、そこも楽しみにしていただけたら嬉しいです。
―影山さんは、自らの力で運命を切り拓きたいと星列車に乗り込む青年・太郎を演じます が、改めて太郎を再び演じるにあたっての意気込みを聞かせてください。
昨年も演じさせていただいて、自分の中でこういう表現の仕方をしたら太郎としての説得力がもっと増すのではないかと思うところがあったので、昨年の経験を生かしてさらにパワーアップした太郎をお客さんにお届けできたらと思います。太郎は自分と重なる部分もある人物なので、自分の経験も役に落とし込めたらいいなと思います。
―昨年感じたもっと説得力を増したいというのはどんなところなのですか?
例えば、松田(悟志)さんと(松村)龍之介くんと(石井一孝さんが演じる)車掌さんとの接し方です。それぞれ関係性が違うので、太郎としての接し方ももう少し差別化できたらいいのかなと思いました。龍之介くんが演じる五郎と太郎は仲が良いので距離が近く見えた方が良いと思いますし、今年はもう少し工夫をして演じたいと思います。
―影山さんから見て太郎はどんな人物ですか?
自分の意見があまり言えない人です。他人の悩みには親身に答え、冷静に考えを伝えられますが、自分のことになると答えが見つけられなくなる。そういうところがあると思います。
―先ほど、太郎と重なるところがあるとおっしゃっていましたが、具体的にどんなところが似ているとご自身では感じていますか?
僕自身も自分の悩みに答えが出せないタイプなのですが、例えば家族や友達、メンバーの悩みに対してはすごく冷静に考えて答えを出せるので、そういうところが似ているのかなと思います。
―影山さんから見たこの作品の魅力は?
きっと観てくださる方の中にも自分の夢ってなんだろうと思っている方もいると思いますが、自分の好きなことを素直にやり続けることが大事だなと僕は台本を読ませていただいたときに感じました。自分のやりたいことや将来の夢に向かっている人の背中を押せる作品になるのではないかと思います。
―演出的な面では、どんなところに注目してもらいたいですか?
星球といって、星をイメージした電飾が飾られていて、それがすごくきれいだなと思いました。それから、列車が出るシーンもスモークがたかれて幻想的で、会場に来たからこそ味わえる感動があります。映像では伝わらない演出も多いので、そこも素敵です。演出自体はシンプルですが、だからこそそれぞれのキャラクターが生きるのかなと思います。
―本作を通して、お芝居の中で歌で気持ちを表現することについての面白さはどう感じていますか?
それぞれの気持ちを歌にしている歌唱シーンがありますが、お芝居のように歌を歌うというのは普段のライブとはまた違ったものだなと思います。それに、芝居ではなく、歌だからこそ元気になったり、励まされることもあるので、観てくださるお客さんも芝居だけでなく、歌を通して元気になってもらえたらいいなと思います。
―初演のときには、玉三郎さんからはどのような演出がありましたか?
セリフを話すときに、「ただその台本に書かれているセリフを覚えて言うのではなく、自分の中でイメージを作り、絵を思い描いてから話してね」と言っていただいたことが印象に残っています。この作品に限らず、お芝居は自分が体験していないことも体験したかのように伝える説得力が大切です。だからこそ、「自分の中できちんとイメージを作ってから言葉を発して」という言葉は印象に残っています。
―往年の名曲の数々がダンスシーンを交えて披露されるのも本作の見どころの一つです。初演でも数々の名曲が歌われましたが、特に印象に残っている楽曲は?
「レット・イット・ビー」はすごく印象に残っています。めちゃくちゃ有名な曲で、来てくださるお客さまも知っている人が多かったと思うので、「この曲を歌うんだ」と喜んでいただけたのかなと思います。「レット・イット・ビー」は、玉三郎さんが1対1で時間をかけて稽古してくださったんですよ。本番が始まってからもこういう歌い方にした方が良いとか、この発声の仕方が違うからこうした方が良いと指導をしてくださったので、すごく思い入れもあります。
―それだけ丁寧に指導をしてもらえるというのは良い経験になりますね。他の活動にも良い影響があったのではないですか?
お芝居に対しても、歌に対しても感覚が変わりました。1カ月間も歌ってお芝居をしていたら喉が潰れてしまうと思っていたのですが、玉三郎さんに教えていただいた発声方法だと喉が潰れないんですよ。IMP.の舞台『IMPACT』でも、玉三郎さんから教わった発声練習をしてから毎回、本番に挑ませていただきましたし、個人の仕事にも生かされることはすごく多かったです。
―石井さん、松田さん、松村さん、との初演時の思い出を教えてください。
稽古のときから皆さんとご飯に行かせていただいていましたし、地方でも美味しいご飯に連れていっていただいたので、すごく楽しかったです。本番が始まる前に、舞台の袖で一人一人と握手をして「お願いします」と挨拶をしていたんですよ。そうやってコミュニケーションをとって、絆がより深まっていったなと思います。
―そうすると今回もコミュニケーションはバッチリですね!
めちゃくちゃ仲良くなりました。初演の公演が終わった後も、お互いに連絡を取り合って関係が続いていましたし、こうして再び共演できることがすごく嬉しいです。仲が深まったからこそ、よりディスカッションしたり、意見交換もしやすくなりますし、前回以上にパワーアップしたものをお見せできるのではないかなと思います。
―ところで、本作では夢を追い求める青年たちを描いていますが、影山さんご自身の夢は?
僕の夢を語り出したら終わらないですよ(笑)。それくらいたくさんあります。1つ叶ったらまた新しい夢ができるので。今、一番、近い夢は、この作品のお芝居と歌を玉三郎さんに絶賛してもらいたいということです。昨年は初めての経験も多かったので、苦戦したところも多かったですが、だからこそ成長できました。この1年でこんなにも変わったんだと思っていただけたらいいなと思います。
―改めて公演に向けての意気込みと公演を楽しみにされている方にメッセージをお願いします!!
昨年に続いて、今年もこの作品をやらせていただける喜びがすごく大きいです。なんといっても、新橋演舞場、そして大阪松竹座という個人的にもとても思い入れのある劇場で、座長として舞台に立たせていただけるのはとても嬉しいです。昨年と同じ作品にはしたくないので、よりパワーアップした姿をお見せできたらと思っていますし、この作品を観て勇気づけられたり、何か心に残るものを持って帰っていただけたらと思うので、ぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。
▶︎影山拓也さんのファッション事情◀︎
―今日のお衣裳のポイントは?
オレンジのトップスです。丈が短いのもトレンド感があるのかなと思います。これまでショート丈のニットはあまり着たことがなかったので、スタイリッシュに見えるかなと思って選びました。足も長く見えるように思います(笑)。
―普段はどんなファッションがお好きですか?
いろいろなものを着ています。キャラクターものも多いですし、シンプルなものも多いですし…これといったジャンルがないんですよ。好きなものを着る。なので、こんなふうにしたいというこだわりもないです。ただ、キャラクターものについ手が出てしまうことが多いですね。ディズニーもあるし、スヌーピーもあるし、どんなキャラクターでもかわいければ買ってしまいます(笑)。
―最近買ったお気に入りのファッションアイテムは?
最近はアクセサリーを見にいくことが多いです。服はシンプルにして、アクセサリーをポイントにするという組み合わせで使うことが多いので。それから、昨日、Tシャツも買いました。それもキャラクターものです!! 買った当日に着るほど気に入ってます。
―どんなTシャツなんですか?
ブランドのキャラクターがオマージュされているTシャツなのですが、そのキャラクターが紫の服を着ているんですよ。なので、たまたま持っていた紫の靴と合わせてコーディネートしました。メンバーの椿(泰我)くんに色をワンポイント合わせるというコーディネート法を教えてもらったんですよ(笑)。彼はいつもこだわっていて、会うとすぐに「今日、どこ合わせてきたと思う?」と聞いてくるんです。(椿はいつも)絶妙なところを合わせてくるので、僕も真似しています。
―最近の影山さんのマイブームは?
メンバーの松井奏とご飯に行くことです。ずっと一緒にいます。お昼に一緒にご飯を食べて、お仕事に一緒に行って、家に帰ってきてから、また夜に連絡して、夜ご飯も 一緒に食べに行くという毎日です。
―毎日ずっと一緒にいて、どんなお話をしているのですか?
多分、何も話していないんだと思います(笑)。マイブームということでいえば、新しいご飯屋さんを開拓することにハマっています。2人で「ここが美味しいらしいよ」「次に行こう」という話をよくしています。
―一緒にいるのが居心地が良いんですね。
それもあると思いますが、僕を誘ったら絶対に断らないからというのもあると思います(笑)。よくほかのメンバーからも言われます(笑)。
―絶対に断らないというのはすごいです!!
そもそも断るという選択肢がないんです、僕の中で。仕事が終わるのがめちゃくちゃ遅くなったら、それは「さすがに明日でいいんじゃない?」となりますが、ご飯に誘われているのに断る理由がない。誰かと一緒にいたいというのもあって、誘ってもらえるのはすごく嬉しいです。
―最後に影山さんがかっこよくい続けるためにしていることは?
それはもう絶対に「PINKY.」(ファン)の声があるからです。どんなお仕事に対しても、自分のパフォーマンスに対してもリアクションしてくれるので、それが自信にもつながりますし、次はどうやって喜ばせようかなと考えて次につながっていきます。なので、間違いなくファンの方がいるからだと僕は思っています。
【profile】
影山拓也/Takuya Kageyama
1997年6月11日生まれ。
■公式ホームページ
https://tobe-official.jp/artists/imp
【公演概要】
■タイトル
舞台『星列車で行こう』
■日程・会場
東京公演:2025年10月4日(土)〜10月26日(日) 新橋演舞場
大阪公演:2025年10月30日(木)〜11月9日(日) 大阪松竹座
■脚本 真山仁
■演出・補綴 坂東玉三郎
■出演
影山拓也(IMP.) 松田悟志 松村龍之介 小波津亜廉 石井一孝 ほか
(2025,10,03)
photo:Hirofumi Miyata/interview&text:Maki Shimada
#NorieM #NorieMmagazine #ノリエム #影山拓也 さん #星列車で行こう
下記のリンクのインスタグラムにインタビュー撮影時のアザーカットを公開致します!!
お見逃しなく!!インタビューの感想もぜひコメントください。