コロナ禍を経て東京・新国立劇場の幕が7月9日、ついにあがりました。復活第一弾となる舞台は『願いがかなうぐつぐつカクテル』。初日直前にはマスコミ向けのフォトコールが行われ、出演する北村有起哉さん、あめくみちこさんらが芝居の一部を披露しました。

『モモ』『はてしない物語』などを執筆した世界的に著名な児童文学作家、ミヒャエル・エンデさんが手掛けたのが本作。高橋文子さんが翻訳し、小山ゆうなさんが演出を務めました。

フォトコールで披露されたのは、魔術師イルヴィッツアー(北村さん)のもとにお金の魔女ティラニア(あめくさん)が訪れ、何でも願いが叶うという魔法のカクテルを作るためのレシピを譲ってほしいとあの手この手で頼み込む場面。ティラニアが金に物を言わせてイルヴィツァーをそそのかしますが、一切聞く耳を持たないイルヴィッツァー。そんな二人のやりとりをネコのマウリツィオ(松尾諭さん)と、カラスのヤコブ(森下能幸さん)が聞き耳を立てていて…。

北村有起哉さん

あめくみちこさん

松尾諭さん

森下能幸さん

 

魔術師イルヴィッツァーと魔女ティラニアとのやり取りは、二人の表情や動きが実にコミカル!!
まるで漫画のキャラクターのような言動に思わず笑いが零れます。本作は「大人も子どもも楽しめるファンタジー」と言われるとおり、舞台セットには子どもが落書きしたようなゆるいイラストが無数に描かれ、子どもにも分かりやすい工夫が至るところに織り込まれていました。

北村さんとあめくさんは口元を覆う透明シートのマスクを付けており、松尾さんと森下さんも猫の鼻デザイン、そしてカラスのくちばしデザインのマスクを付けていました。これが衣裳デザインと見事に調和していて、一瞬普通の衣裳の一部かと思うくらい自然なつけ具合となっていました。

フォトコールの後、北村さん、あめくさん、そして演出の小山さんが会見に姿を現して上演に至るまでの心境を語りました。

小山ゆうなさん、北村有起哉さん、あめくみちこさん

 

北村さんは「2月頃から舞台役者は皆同じですが、舞台中止となる事が相次いで、僕も心苦しく感じていたのですが、どんな形であれ、たくさん芝居を観たい方がいたと思います。でもギリギリのタイミングで、こうやってマスクを付けたりと、知恵を絞って舞台に臨めることができて大変光栄に思っています」と嬉しそうに語ります。また、あめくさんも「果たして本作の稽古が始められるのか心配でしたが、無事6月から始める事が出来て本番を迎えられて嬉しい」と笑顔を見せていた。

小山さんが「観に来てくださったお客さまが安心して芝居を観る事ができるにはどうしたらいいか、スタッフ、キャストとも話し合いながら稽古を進めてきました」と語る流れで報道陣からはキャストが付けているマスクに質問が集中します。

着けた状態での演技について「もう慣れましたね(笑)」と語る北村さんは「逆にもうこれがないと不安になっちゃうくらい」とニヤリ。
あめくさんは「うっかり稽古中にマスクを忘れていたが、誰も気が付いてなかったのよ!!」と言いましたが、しっかり北村さんから「途中で気が付きましたよ」と突っ込まれて苦笑い。
「演技中はズレてくるので、あごに両面テープを貼ってズレないようにしています。だからあごの部分はメイクをしていないんですよ」と苦労を語りつつ、「私はお金の魔女だからマスクにもゴールドを付けていただいたんです」とスタッフをねぎらうようにアピールしていました。

小山さんが「演劇ならではのライブ感を楽しんでいただきたい」と語る舞台『願いがかなうぐつぐつカクテル』は、7月26日まで東京・新国立劇場 小劇場にて上演されます。

 

【公演概要】

■タイトル 『願いがかなうぐつぐつカクテル』

■日程・会場

2020年7月9日(木)~7月26日(日) 新国立劇場 小劇場

■原作・上演台本 ミヒャエル・エンデ
■翻訳 高橋文子
■演出 小山ゆうな

■出演

北村有起哉 松尾諭 森下能幸 林田航平 あめくみちこ 花王おさむ

■公式ホームページ https://www.nntt.jac.go.jp/play/the_night_of_wishes/

(2020,07,10)

photo&text:Saki Komura

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