7月12日(日)19:30よりライブ配信サービス・Streaming+他にて『中村壱太郎×尾上右近 ART歌舞伎』の配信公演が公開されます。そこで『ART歌舞伎』って!?と思われる方々のために、企画された中村壱太郎さんが取材に応じてくださいました。

まずは壱太郎さんからご挨拶。
「3月からまったく歌舞伎公演が出来ず、また先々の公演も中止となっている昨今、私も4月中は気も滅入ってどうしようかと思っていました。でもこういう時期だからこそ何かしなくては!!と考えてYou tubeを開設しましたが、そういった動きのなかでもいちばん大きい動きとなるのがこの『ART歌舞伎』です」壱太郎さんは熱を込めてそう語りました。

『ART歌舞伎』とは「歌舞伎を配信で届けることはできないだろうか」という発想から、かねてより親交深かった湘南乃風の若旦那こと、新羅慎二さんが副社長を務めるレーベル「KSR Corp.」さんとタッグを組んで生まれた、と語る壱太郎さん。
とはいえ、密を避けるために「舞台化粧やヘアメイクなどは一人でできるものにしてほしい」という話もあったので、若旦那さんと相談して、ならば時代の先端を走るデザイナーの方々に創作でビジュアルを作ってもらい、壱太郎さんもそうして生まれたビジュアルから新しい物語を考えてみたいと思った、と振り返っていました。

今回ART歌舞伎で配信するのは青龍、朱雀、白虎、玄武をテーマに4人で踊る「四神降臨」、そして祭事の前触れのような「五穀豊穣」、続いてお祝いの場では恒例で演じられる「三番叟」からヒントを得た「祈望祭事」と、休憩動画を挟んで今回いちばんの大作となる創作舞踊物語「花のこゝろ」。
先の3作はいずれも神さまに祈りをささげる作品となっており、一方『花のこゝろ』は「“乾いた女”と“濡れた男”をコンセプトに、男と女の輪廻転生、また子を亡くした女と戦いに明け暮れた男の出会い、そして心のつながりを描きます」と説明していました。

このART歌舞伎には、尾上右近さんが参加されます。右近さんを引きいれた理由について「今後、第2弾に自分が出演するかしないかも含めて、歌舞伎公演の新たな枠組みを成立させるために、歌舞伎俳優同士でがっつり組むということを意識したいと考えた時、親友であり戦友である尾上右近くんの顔が真っ先に浮かびました」と笑顔を見せる壱太郎さん。
「右近くんは芝居の上での熱量が一緒で、踊りに関する着眼点や追求の仕方も深いんです」と親友の魅力を語っていました。なお、この配信公演で右近さんは、初めて振付に挑むこととなりますので、この点も注目でしょう。

壱太郎さんは、「配信公演と名付けていますが、僕らは最後は舞台に帰っていかなければならないと考えています。このコロナ禍の中、配信と本公演が良い付加価値を付けながら、本公演が始まってからも第2弾、第3弾と並行してやっていけたら」と今後の希望も語っていました。

『中村壱太郎×尾上右近 ART歌舞伎』の配信公演は、7月12日(日)19:30にライブ配信サービス・Streaming+、チケット販売プラットフォーム・ZAIKOで公開され、同日21:00からは壱太郎さんのYou Tubeチャンネル上でアフタートークが配信されます。

見逃し配信は13日まで。また13日から19日までは通常版と壱太郎さんと右近さんによる副音声版のアーカイブ配信も見ることができます。どうぞお楽しみに!!

 

【公演概要】
■タイトル 『中村壱太郎×尾上右近 ART歌舞伎』
■配信スケジュール
2020年7月12日(日) 19:30〜
■出演
中村壱太郎 尾上右近 花柳源九郎 藤間涼太朗
演奏 中井智弥(箏・二十五絃箏)、浅野祥(津軽三味線)、藤舎推峰(笛)、山部泰嗣(太鼓)/友吉鶴心(琵琶)

■公式ホームページ https://artkabuki.com/

(2020,07,10)

photo:オフィシャル提供/text:Saki Komura

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