音楽劇『エノケン』囲み取材＆公開ゲネプロが2025年10月6日(月)に日比谷シアタークリエで行われ、市村正親さん、松雪泰子さん、本田響矢さん、豊原功補さんが登壇しました!!

 

本作は、 人を笑わせることに命をかけた喜劇俳優・榎本健一の波乱の人生を又吉直樹さんが新作戯曲として書き下ろした音楽劇です。東京・浅草の小さなレビュー劇団「カジノ・フォーリー」の舞台に登場し、一躍注目されたエノケンは、その後、わずか数年ののちに、座員150名、オーケストラ25名を擁する日本一大きな劇団「ピエル・ブリヤント（エノケン一座）」の座長になります。やがて、数々の喜劇映画がヒット、帝国劇場、日劇、芸術座など名だたる劇場で喝采を浴び、日本における喜劇俳優の第一人者に。しかし、晩年は病魔に襲われるなど過酷な現実に直面します。不自由な身体をおしてなお舞台に立ち、映画やテレビに出演したエノケンの人生を市村さんが熱演します。

 

囲み取材で市村さんは「僕は悲劇に出演することが多いですが、今回は喜劇をしっかりやろうと思って一生懸命、勉強して、年齢に負けないようにパワフルにエノケンを演じております」と挨拶。

 

花島喜世子と榎本よしゑの二役を演じる松雪さんは「二役なので、スイッチする部分を楽しんでいただければ」、

 

同じくエノケンの息子・鍈一と、劇団員の田島太一の二役を演じる本田さんは「僕自身は7年ぶりの舞台で、約1カ月間、稽古を積み重ねて、たくさん学ばせていただきました。東京、地方含めて2カ月間の公演を全力で頑張っていきたいと思います」、

 

菊谷榮役の豊原さんは「歌が盛り沢山でテンポよく楽しんでいただけると思います。芸人である又吉さんが脚本を描かれているので、その世界観が存分に反映されていると思います」とそれぞれ思いを語りました。

 

歌も踊りもあり、ほぼステージに出ずっぱりという市村さん。本作での苦労を聞かれると「全部です。いろいろな絡みもあって大変」と冗談めかして話しましたが、物語冒頭の楽曲を自ら増やすなど、「なんとしてでもお客さんに喜んでもらえるようにしなくてはいけない」という気持ちで挑んでいるといいます。そして、「自分に苦しみを与えて、その苦しみに耐えていることでお客さんが観てくれるのだと思います。楽しているよりは苦しんでいる姿の方がこのエノケンの物語の正しい方法なのかという気がします。ただ、体が保つのかどうかですが、保たせます！」と本作への強い思いを明かしました。

 

一方、松雪さんは「早着替えがございますので、物理的な大変さがあります」と二役ならではの大変さに言及しながらも「ノンストップでエノケンさんを見つめ続ける中、時代がどんどん変わっていく演劇の面白さを感じながらとにかく駆け抜けてまいりたいと思います」と力を込めました。

 

また本田さんは「この約1カ月間、たくさん学ばせていただき、たくさんメモしました。細かなことまで言っていただいた言葉も、実際に稽古の中で皆さんから学んで取り入れたこともあります」と稽古を振り返りました。特に思い出深い稽古を聞かれると「冒頭のスリッパのシーン」と回答し、「内容は内緒ですが、昭和の笑いを学びました」とコメントしました。

さらに本田さんは昭和の時代を描いた本作について「エノケンさんが繋いできたものをこうして今、僕がお芝居でできることが幸せです。この時代に日本を明るく照らしていた人がいることを同世代、若い人たちにも観てもらいたいです」とアピールしました。

 

稽古場の雰囲気を聞かれた豊原さんは「みんなそれぞれが力を集結して全員で作っていくという現場を久しぶりに味わいました」と回顧します。

本作が上演されるシアタークリエの前身は、エノケンが立っていた劇場の一つ、芸術座です。豊原さんは「僕が生まれる前のことですから、舞台芸術が脈々と受け継がれていて、当時作っていたものが何年経っても影響を与えていくことを実感しながら作品を作っていけたらと思います」と思いを寄せました。

 

最後に市村さんは改めて「エノケンという素晴らしい人間と彼を取り巻く人たちの物語です。とてもいい感じに仕上がっているのではないかと自負しております。ぜひ期待してください」と笑顔を見せ、囲み取材を締めくくりました。

 

【公演概要】
■タイトル
音楽劇『エノケン』
■日程・会場
■日程・会場
東京公演：2025年10月7日(火)～10月26日(日)　日比谷シアタークリエ
大阪公演：2025年11月1日(土)～11月9日(日)　COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
佐賀公演：2025年11月15日(土)～11月16日(日)　鳥栖市民文化会館大ホール
愛知公演：2025年11月22日(土)～11月24日(月祝)　名古屋文理大学文化フォーラム（稲沢市民会館）大ホール
川越公演：2025年11月28日(金)～11月30日(日)　ウェスタ川越大ホール
■作　又吉直樹
■演出　シライケイタ
■作曲・音楽監督　和田俊輔
■出演
市村正親　松雪泰子　本田響矢　小松利昌　斉藤淳　三上市朗　豊原功補

(2025,10,07)

photo&text:Maki Shimada

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