第7回『Women of Excellence Awards』の授賞式とトークショーが5月29日(土)に東京ミッドタウン「WOMAN EXPO TOKYO 2021」で行われ、ビジネス部門で映画監督の河瀬直美さん・スペシャリスト部門で仲間由紀恵さんが受賞しました。

本アワードは、長年プロフェッショナルとして実績を重ね、後進のロールモデルとして新たに道を切り拓く女性リーダーや傑出したスペシャリストに贈られるアワードとして2015年に創設されたもの。今年度は「あくなき探求、挑戦を続ける仕事ぶり」「長年の功績や至高の技芸」「新たな道を拓いた先進性や後進育成への尽力」「知性と研鑽により内から輝く魅力」を兼ね備えた女性として、河瀬監督と仲間さんが選出されました。

受賞を受けて、河瀬監督は喜びの思いを口にするとともに、「今、私たちはパンデミック禍にあって、全世界的に時代の転換期を迎えていると思います。その中でも、ジェンダー平等は世界中の皆さんが高々に掲げる目標で、そして、それは日本ではまだまだ遅れている現実があります。女性が女性らしく自分の輝きで持てる世界を、新しい次の段階に導いていけるような日本人女性として活動していきたいと思っております」と思いを語りました。

この日、河瀬監督はゴールドのノースリーブワンピースで登壇されましたが、この衣装は「アニエスベーが、アジアの生地を使って特注で作ってくれたもの」とのこと。女性らしさの引き立つ美しいドレスでした。

一方、仲間さんは、黒のワンピース姿で登場し、「光栄だと思うと同時に驚きの気持ちでいっぱいです」と笑顔。そして、「20代、30代の頃は独り身でしたし、寝る時間を惜しんで仕事に邁進してきましたが、最近は、幼い子どももいながら、なんとか仕事との両立をしていきたいと挑戦中であります。今日いただいた賞を自分の励みにして、自分らしく頑張っていきたいと思います」と挨拶しました。

トークショーでは、河瀬監督と仲間さんが揃って登壇され、家庭と仕事の両立や子育てについての意見を交わしました。

まず、仕事を続けていく上で大切にしていることを聞かれると、河瀬さんは「優先順位」と回答。「どれを優先するかを間違えるとぐちゃぐちゃになってしまう。自分が何を一番大事にしているのか判断をすることが必要」と説明しました。

さらに、「子どもができると『その子の時間』を待つというのがすごい大事だと思いました。その子たちの世界の見え方は私たちが見落としているものばかりで、(子育ては)そこから学ばせてもらいました」と語りました。

また、仕事とプライベートの切り替え方については、「女性は着る服だったりお化粧だったり、そういう少しのもので切り替えをしているんじゃないかなと思います。私もそうですが、“今日はこのピアスにしよう”とか」とおしゃれな河瀬監督らしい意見。「息子が小さい時は、家にはパソコンを持ち込まないようにしていました。見ちゃうし、仕事をしてしまうから」というマイルールも明かしました。

そんな河瀬さんの息子さんはすでに17歳になったそうで、「映像に興味を持っているみたいです。高校に入った時に、(自身が監督を務めた)『朝が来る』の現場の照明の下っ端につけました。とにかく雨の中、照明を持っているという体験をして、映画は表立ったところだけじゃない(たくさんの人に)支えられてできているというのがわかったのかもしれません。“旅”をして皆さんに鍛えていただきたいです」と子育ての様子が窺えるエピソードも披露しました。

仲間さんは、現在、双子の男児の育児中。「時間を大事にしたいと思っている毎日」だそうで、「家を出る直前まで服も着替えられない。顔も洗っていなかったという感じで家を飛び出すこともありましたが、やっと最近は落ち着いてきました」と言います。

双子育児について、河瀬監督から「すごい!!」と賞賛されると、「(大変なこともあるが)その分も楽しみもあると感じています。最近は、二人で遊んでくれる時間も増えましたし、その間に家のことができる時間も増えてきたので、成長とともに変わってくると思います」と微笑みを浮かべていました。

そんな日々の中、仲間さんは自分だけの時間を確保するために、朝早く起きることも。「もともと、朝早く起きるのが得意でしたので、3時台に起きて、子どもたちが起きてくる6時までが自分の時間。今日は疲れてもいいという日は、ゆっくり顔のお手入れをしたり、読みたかった資料や雑誌を読んだり、何も考えず、自分のことだけを考える時間を作ります」と明かしました。

トークショーの最後には仲間さんが、「私自身も仕事と家のことを、どんなふうに両立できるかと奮闘しながら毎日挑戦中です。皆さんの中にも両立が大変だと思う方もたくさんいらっしゃると思います。みんな同じ気持ちですので、周りに助けてもらいながら、自分らしく頑張れるようにしていきたいと私も思います。一緒に頑張りましょう」と呼びかけ、閉会となりました。

(2021,05,30)

photo:オフィシャル提供/text:Maki Shimada

#NorieM #NorieMmagazine #ノリエム #WomenofExcellenceAwards #河瀬直美 さん #仲間由紀恵 さん