大阪松竹座 十月花形歌舞伎『GOEMON 石川五右衛門』製作発表が、2021年8月24日(火)に東京都内で行われ、主演の片岡愛之助さん、今井翼さん、作・演出の水口一夫さんが出席し、本作への意気込みを語りました!!

 

本作は、伝説の大盗賊・石川五右衛門が実は赤毛でスペインの血を引いていたらという奇抜な設定とスタイリッシュな舞台で話題を呼んだ作品です。

2011年に徳島県・大阪国際美術館「システィーナ歌舞伎」で初演され、大阪松竹座、新橋演舞場で再演を重ねてきました。そして今回、7年の時を経て、新たな演出となって大阪松竹座に帰ってきます。

 

主人公の石川五右衛門を演じる愛之助さんは、登壇後の挨拶で「スペイン人と日本人のハーフ(という設定)で、赤毛でやらせていただいております。今日は五右衛門色(のスーツ)にしてみました」とにっこり。そして、「この五右衛門は初めて歌舞伎をご覧になられる方にもわかりやすく作っています。普段から歌舞伎をご覧になっている方には、いろいろなお芝居のパロディが入っているので、それを見つけていただけたら」とアピールしました。

 

愛之助さんが本作で五右衛門を演じるのは今回が5回目。愛之助さんは「歌舞伎は同じ役を何度も務めさせていただきますが、それでもこんなにも(何度も)務めさせていただけることはないですね。初演から10年経ったので、歳をとった分、体はキツくなってきていますが、トレーニングをして7回、10回と続けていきたいです」と思いを寄せました。

また、新型コロナウイルスが猛威を振るう情勢を鑑みて、愛之助さんは「舞台を開けさせていただいて大丈夫なのだろうかしっかり話し合いました」と葛藤があったことも吐露。しかし、「感染対策としていろいろな対策を取らせていただいております。出演者の方もきっちりと対策をとることを相談して開けさせていただくことになりました」と説明し、「安心安全でございます。安心して観に来てくださいませ」と呼びかけました。

 

一方、五右衛門の父・神父カルデロンと、五右衛門の修行仲間であった霧隠才蔵の2役を務める今井さんは「今回、3回目の出演になります。僕自身が元々フラメンコをやっていたことから、(2013年にこの公演を)観に行かせていただいて、奇想天外でありながら歌舞伎の面白さ、魅力をとても感じました。客席から観る愛之助さんの大ファンになりまして、大好きだとお伝えしたら、来年一緒にやろうと。それで、翌年初めて出演させていただきました」と出演に至った経緯を説明しました。

2回目の出演時からは、歌舞伎の芝居にも挑戦した今井さん。「皆さんに手解きをいただきながら、一生懸命やらせていただきました」と振り返ります。今回もまた、才蔵という役どころで歌舞伎の芝居を披露しますが、「愛之助さんをはじめ、皆さんのお胸をお借りして、また、自分自身が新しい景色が見られるように一生懸命務めさせていただきたいと思っております」と真摯に語りました。

 

今回の公演では、新たな演出にも注目です。演出の水口さんは、「(初演時の)『システィーナ歌舞伎』は和と洋のコラボがコンセプトとしてまずありました。それから、アリーナスタイルというものを作って、『客席との一体感』を第2のポイントにしました。その後、松竹座でやるときに、大幅に演出を変え、一体感を出すことに悩んだ末、客席を走り回ったり、客席で芝居をしたりしました。しかし、このコロナ禍においては、客席との一体感が一番ダメ。それで、悩んで新しい『GOEMON』を作りあげました」と経緯を説明。今回の上演では「本来の上方歌舞伎の五右衛門をめざしていきたいと思います。人の心や情を押し出していくお芝居にしたいと思います」と話しました。

 

情を深く描いていく本作ですが、共演を通して愛之助さんと今井さんは“友情”も深めています。今井さんは愛之助さんについて「公私に渡って気にかけてくださる。お兄ちゃんと言ったら失礼ですが、なんでも相談できる大先輩です」と信頼を寄せます。愛之助さんは、「たまたま同じ美容室に行っているのですが、少し前に、僕が(店に)入る前に翼くんがきていたことがあった。その時に、なんと、お手紙を置いていってくれたんです。なかなかないことですよね。熱い思いをすごく感じて嬉しかったです。(今井さんは)熱い男です」とエピソードも披露しました。

さらに、2021年8月14日に亡くなったジャニーズ事務所の名誉会長・藤島メリーさんに対し、今井さんは「メリーさんは厳しくも非常にあたたかく、深い愛情を幼い頃からくださった。僕もメリーさんの息子の1人だと自覚しています」と思いを語り、「新たな活動を再開する直前に会ったのが最後だったのですが、その時に何度もハグしてくださって、“頑張りなさいよ”と見送ってくださったことを忘れることはない」とコメントしました。

 

【あらすじ】
豊臣秀吉による天下統一がなされた頃。キリスト教布教のため日本を訪れていたイスパニアの神父・カルデロンは、明智光秀の家臣の娘である石田局と運命的な出会いを果たす。2人は子宝に恵まれ、友市と名づけ、親子3人で幸せに暮らしていた。しかし秀吉が切支丹禁止令を打ち出したため、カルデロンは国外へ追放されてしまう。その後、石田局も命を落とし、天涯孤独の身となった友市。時は流れ、友市は天下に轟く大盗賊・石川五右衛門となっていた。

 

【公演概要】
■タイトル
十月花形歌舞伎『GOEMON 石川五右衛門』
■日程・会場
2021年10月5日(火)〜10月27日(水) 大阪松竹座

昼の部11時/夜の部16時15分
■観劇料 一等席14,000円/二等席5,000円(税込)
■チケット情報
8月31日(火)午前10時より電話・Webにて予約受付開始
チケットホン松竹:0570-000-489(10:00〜17:00)
チケットweb松竹:「チケットweb松竹」で検索
■公式ホームページ http://www.shochiku.co.jp

公演情報はこちら→https://www.kabuki-bito.jp/theaters/osaka/play/723/

(2021,08,25)

photo&text:Maki Shimada

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