2022年1月の新橋演舞場の新作歌舞伎『プペル~天明の護美人間~』制作発表記者会見が、2021年11月22日(月)に行われ、市川海老蔵さんと原作・脚本の西野亮廣さんが登壇しました!!

 

本作は、キングコング西野さんによる絵本を原作とした新作歌舞伎です。原作は、ゴミ人間プペルと、父が遺した言葉を信じる少年ルビッチが、お互いの友情を信じ、新たな世界に飛び出していく奇跡が綴られたファンタジーで、映画化もされ、大きな話題を呼びました。

今回は、歌舞伎として舞台化し、原作の西野さん自らが江戸の時代を舞台にした脚本を執筆します。また、市川ぼたんさんと堀越勸玄さんがルビッチ役を交互出演で演じ、海老蔵さんとの親子共演が実現します。

 

西野さんは、今回の歌舞伎化について「海老蔵さんがご家族で映画をご覧いただいて、(海老蔵さんから)歌舞伎でと、お話をいただきました。これは大変な仕事になるな、人生をかけて臨むお仕事になるなと思います」とその経緯を説明。

西野さんはすでに海老蔵さんの歌舞伎の公演も観劇したそうで、「(歌舞伎というものは)最初はとっつきにくい人もいるんだろうなというのがありました。でも、観てみるとそんなことはなく、非常に面白いエンターテインメントだなと思います。やっぱり歴史があるというのは強い。歴史はコピーできるものではない。自分たちが頑張っても作れないので、それを背負っているのは面白い」と歌舞伎の魅力を語りました。

一方で、歴史のある文化だけに「ヘタなことはできないなと思っています。だからといってこじんまり収まってしまうと、なんで西野にオファーしたんだとなるので、いい落とし所を見つけていきたいと思います」と力を込めました。

また、海老蔵さんは「既存の歌舞伎は伝統文化で貴重なもので、大事なものだと思っていますし、我が家にも守るべきものがある。しかし、そこに甘んじて、常に座って何もしないという行動が正しいかという自問自答は、コロナ禍において加速しました。初めて(この企画を)聞いた方は『え?』と思うかと思いますが、『え?』と思うことが最初の突破口になっていくという方程式があるので、そこに懸けてみたいという思いがあります」と思いを熱く語りました。

そして、絵本を歌舞伎にする難しさを、海老蔵さんは「私が務める『ゴミ人間』は人間ではない純真無垢なものなので、言葉数が少ないんです。だから、演じる上で課題になるのは何をしゃべり、何を表現するか。(現在公演中の)ミュージカル(『えんとつ町のプペル』に登場する)ゴミ人間もセリフは少ないですが、気持ちの吐露を歌で表現できます。だから、その空間は埋まるわけです。歌舞伎でやったときには、どういうふうにそれをセリフではないものでリカバリーしていくのかがテーマです」と話しました。

 

さらに、本作での親子共演について、海老蔵さんは「彼女彼らは、歌舞伎の古典的なこと、伝統舞踊的なこと、しきたりというマスに収まるような教育を、芸能面ではしてきました。私もそのように育てられました。しかしながら、私が16、17歳の頃に、いざ自由に演じなさいと言われたときに、できない自分がいたんです。そんな自分が許せなかった。だから、子供たちにはマスの中の折り目正しいことと、自分たちの発想で動けるような、自分の気持ちでセリフを話すことを学ばせないといけない」と自身の教育論を展開。

さらに、「2人が同じ役をやるのでライバルでもあるので、そこにいい刺激があることで各々感じることがある」と期待を寄せました。

新作歌舞伎として上演される本作。改めて西野さんは「やるからにはとことんやろうと思っています。(定番として後世に)残すのはもちろん、世界に打ち出していこうというお話もしています。責任を持ってやっていこうと思います」と意気込みました。

 

【あらすじ】
時は天明の世。
富士山の大噴火をきっかけにもう何年も黒い煙に覆われ続ける江戸の町。
そんな町である日、ゴミから生まれたゴミ人間プペルと、屋根葺の寧々/玄が出会います。
町の人々は、正体の知れないプペルを恐れ避けますが、寧々/玄だけは違いました。
やがて心を通わせ友情を深めていく二人ですが、江戸の秩序を乱す「異端」として、江戸を統治する田沼に目をつけられてしまいます。
執拗に迫ってくる田沼から逃げるうちに、二人は江戸の黒煙の真実に気が付きます。
それはかつて寧々/玄の父親・熊八も辿り着いた江戸の大きな秘密。
二人は周囲の反対を押し切り、謎を解明すべく動き始め…。

 

【公演概要】
■タイトル
新作歌舞伎『プペル~天明の護美人間~』
■日程・会場
2022年1月3日(月)〜1月20日(日) 新橋演舞場
■原作・脚本 西野亮廣
■演出 藤間勘十郎
■出演
市川海老蔵 市川男女蔵 中村児太郎 市川ぼたん(交互出演) 堀越勸玄(交互出演)

大谷廣松 市川九團次 大地洋輔(ダイノジ) 片岡市蔵 市川齊入 市川家橘 市川右團次
■観劇料
SS席:30,000円/S1席(2階最前列):20,000円/S席:14,000円/A席:11,000円/B席:6,000円/C席:3,000円
2021年11月25日(木) 10:00より電話予約・Web受付開始
■問合せ
チケットホン松竹(10:00〜17:00) ナビダイヤル 0570-000-489/03-6745-0880(東京)
チケットWeb松竹(24時間受付) https://wwwl.ticket-web-shochiku.com/t/
■主催・制作 新作歌舞伎「プペル」実行委員会

(2021,11,22)

photo&text:Maki Shimada

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