J‐CULTURE FEST presents 井筒装束シリーズ 詩楽劇『八雲立つ』取材会が2022年11月28日(月)に行われ、尾上右近さんと水夏希さん、尾上菊之丞さんが出席しました!!
本シリーズは、神社の装束をはじめ、先の即位礼においても相続を提供した株式会社井筒による絢爛豪華な装束を、さまざまなジャンルの舞台で活躍する出演者との競演で魅せるシリーズです。
今回は、右近さんが主演を務め、古事記に描かれた神々を紐解き、日本神話の新たな物語を紡ぎます。冒頭には本年の穢れを祓い、新年を寿ぐ神職による修祓が執り行われ、続いてプロローグではイザナキ、イザナミの神秘的な歌の掛け合いによって神産み、国生みが描かれます。
この日、脚本を担当した戸部和久さんの進行で会はスタート。戸部さんは、最初に「この作品は、菊之丞先生から古事記を中心にというお話があり、スサノオのおろち退治のくだりを中心に描けないかというのがありました。そこに至るまでの神々の物語、いわゆる天地創造のところから、スサノオがアマテラスに追われて放浪してしまうところ、そこからヤマタノオロチ退治に向かっていくところを今までになかった展開でという宿題をいただいて、それに応える形で本を書きました。見どころといたしましては、歌舞伎から来ている右近さんには、歌舞伎の荒事。そして、水さんも含めてお歌を歌って頂くところも見どころです。また、神楽の方々と右近さんが芸能者同士の舞台が並び立つのも見どころだと思います」と明かしました。
また、それを受けて右近さんは「歌とお芝居と踊りというところで、今回は存分に自分のやるべきことを活かせる舞台をご用意いただいたと思っております。いい球を投げていただいているので思い切り打ち返すだけだと思っております」と挨拶。「2022年の尾上右近の集大成でもあるので、今年一番いい仕事ができたと思えるようなお仕事にしつつ、そして年始の公演に関しては2023年にはこの舞台を超えられないなと思えるような舞台を務めたいと思います」と意気込みました。
一方、水さんは「宝塚時代に『スサノオ』という作品でヤマタノオロチをやったことがありましたが、まさか(宝塚を)やめてから再びやることになるとは思ってもいなかったです。今回、菊之丞さんと今まで自分がやって来たもののお話をしていく中で、アルゼンチンタンゴをやっているとお話しした時に、作品にアルゼンチンタンゴを取り入れたいとおっしゃってくださいました。音楽を川井郁子さんにバイオリンで弾いていただいて、なかなかない珍しいコラボができるのが嬉しいです。岩長姫が振られた悲しみを存分に、妖艶に演じられたらいいなと思っています」と語りました。
今回、構成・演出を務める菊之丞さんは「我々のルーツともいえる神の物語を題材にして、歌舞伎はもちろん、ミュージカルなど様々なジャンルの皆さまに集まっていただき、その中で化学反応を起こして、石見神楽という本物の神楽の皆さんも一緒に、舞台で芸をするものとそれぞれの土地の中で息づいてきた芸能とが融合する。互いに敬意を持ちながら作る舞台が楽しみであり、それを皆さまに感じていただきたいと思います」と思いを寄せました。
歌舞伎、ミュージカルだけでなく、川井郁子さんのヴァイオリンをはじめとした音楽との融合や石見神楽とのコラボレーション、さらには水さんのアルゼンチンタンゴなど、見どころ満載の本作ですが、公演タイトルにある通り、本物の装束を使用する衣裳もまた見どころです。
実際に本物の装束をビジュアル撮影で着用した感想を聞かれ、右近さんは「非常に動きやすくて表現しやすくてふくよかな印象です。身体表現にプラスαを何倍もしてくれるのが衣裳やかつらですが、今回の衣裳は色鮮やかで、形も様々で衣裳に助けてもらえるだろうと感じています。総合芸術ということを感じていただける舞台になるのではなかろうかと思っています」と話しました。
水さんも「何枚も重なって着るものの一枚一枚が緻密にできていて、内側から作品の世界観を作ってくださるし、本物の丁寧な衣裳を着ることによって気持ちも高揚するので、非常に楽しみです」とコメント。
菊之丞さんは「今回はファッションショーのように様々な衣裳に着替えてお見せするので、それも一つの眼福になると思っています」と力を込めました。
ちなみに、この日、会場に飾られていた衣裳は、ビジュアル撮影でも右近さんと水さんが着用されていた装束です。右近さんの装束(黒地のもの)は、平安時代の直衣(のうし/天皇、皇太子、親王や公家の平常服とされるもの)、水さんの装束は、奈良時代の女官の装束になります。非常に繊細な作りで神々しいほどの美しさを放つ衣裳の数々にも注目です。
【公演概要】
■タイトル
J‐CULTURE FEST presents 井筒装束シリーズ 詩楽劇『八雲立つ』
■日程・会場
2022年12月30日(金)~2023年1月1日(日) 東京国際フォーラム ホールB7
■構成・演出 尾上菊之丞
■脚本 戸部和久
■音楽・演奏 川井郁子(ヴァイオリン) 吉井盛悟(和楽器)
■オリジナル曲作曲 大貫祐一郎
■編曲 安部潤
■出演
尾上右近 水夏希 川井郁子 吉井盛悟 石見神楽(MASUDAカグラボ) 尾上菊之丞
花柳喜衛文華 藤間京之助 若柳杏子 花柳まり草 林佑樹 田代誠(英哲風雲の会)
■チケット料金
SS席12,000円 S席8,000円 U-25席4,000円 (すべて税込)
※U-25チケットは、公演日に満25歳以下を対象に販売するチケットです。来場時に年齢明記の身分証の提示が必要となります
※全席指定/5歳未満入場不可
■主催 井筒/東京国際フォーラム
■後援 読売新聞社
■企画・制作 井筒企画/井筒東京
■公式ホームページ
(2022,11,29)
photo&text:Maki Shimada
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