2016年から「ジャンプSQ.」(集英社刊)で大好評連載中の漫画『憂国のモリアーティ』を原作としたミュージカル『憂国のモリアーティ』大英帝国の醜聞 Repriseが5月16日より上演されます。
『憂国のモリアーティ』は19世紀末、大英帝国最盛期のロンドンを舞台に、“犯罪”という手段をもって国にはびこる階級制度を覆そうと暗躍する“犯罪卿”ジェームズ・モリアーティと謎を追い求める“名探偵”ホームズの宿命の戦いを描きます。
2019年5月に上演されたミュージカル『憂国のモリアーティ』は、ピアノとヴァイオリンの生演奏で大きな話題を呼びました。
今作は、2020年7月に上演し、好評を博したOp.2「大英帝国の醜聞」編を再構成し、新しいキャストを迎えて上演されるReprise。初演からシャーロック・ホームズを演じる平野良さんと新たなキャストとしてアイリーン・アドラーを演じる彩凪翔さんにミュージカル『憂国のモリアーティ』の魅力、役への想いをうかがいました。
ー再びシャーロック・ホームズを演じる平野さんにとって、シャーロック・ホームズはどんな役ですか?
平野さん「ここまで重ねて演じるとすごく親近感を感じます。今まで演じてきた役はどれも大切ですが、その中でも特に大切です。シャーロックはもちろん、シャーロックにしてくれたキャスト、スタッフのみんなとの思い出が重なりますし、2020年に上演した、ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.2 -大英帝国の醜聞- からコロナ禍になりましたので、皆んなで一緒に乗り越え、苦労した分、より大切な作品、キャラクターです」
ー今回再構成して新しいキャストを迎えての上演になります。楽しみにしていることはどんなことですか?
平野さん「アイリーンは、(大湖)せしるさんから(彩凪)翔さんになります。(彩凪さんに向かって)せしるさんは先輩?」
彩凪さん「同じ雪組の先輩です!相手役さんだったこともあります」
平野さん「え??すごいね!今まで(彩凪さんと)共演したときは、あまり喜怒哀楽のないキャラクターでしたが、アイリーンは真逆で、男装もするし、とても色っぽい女性で、女性同士のバトルもあります。今回いろいろな表情を見られるのがすごく楽しみです。兄であるマイクロフト・ホームズを演じる伊藤裕一さんもたくさん共演させていただいていて、本当に楽しい方です。今の所まだ違和感しかありませんが(笑)、演出もされている方なので、決めるところは決めて、すごくクレバーに緻密に作り込んでくるのではと楽しみにしています。他の作品で共演したメンバーも多いので、このメンバーで作れることが楽しみです」
ーウィリアム・ジェームズ・モリアーティ演じる鈴木勝吾さんとの共演はどうですか?
平野さん「何にもないです(笑)」
彩凪さん「もう分かり過ぎて?」
平野さん「そう(笑顔)!勝吾くんとはOp.1のときからいろいろな話し合いを重ねてきたし。いろんな道を通ってきて、1周どころではなく、もう3周くらいしているので、2人とも穏やかで、もう熟年夫婦というか、お互いの目を見ずに同じ方向だけを見てると感じです」
ー今回初参加の彩凪さんは、出演が決まった時はどんな気持ちでしたか?
彩凪さん「すごく嬉しいという気持ちもありますが、昨年の7月のコンサートを観に行ったときに改めてファンの皆さんの熱量を客席で肌で感じ、すごいプレッシャーを感じています」
平野さん「せしるさんから何か言われた?」
彩凪さん「ご挨拶をさせていただきました!先輩のせしるさんが演じた役ですので、心して挑みたいと思っています。頑張ります!」
ー作品をご覧になってどんな印象を受けましたか?
彩凪さん「大作ということはもちろんですが、推理や探偵物は、いろいろなジャンルの方が好きなテーマでもあり、さらにミュージカルなので、音楽に乗せて軽妙にストーリーが進んでいくのがすごく心地良くて、最後まで楽しんで観れました」
ー新しいキャストの皆さんにこの作品のカンパニーを一言で表すとどんな感じですか?
平野さん「いや難しい!やはりカンパニーは人だから、こういうチームという物はありませんが、作品としては「アンサンブルが主役」と言い続けてる作品ですので、全員が一丸となって戦うチームです。人もシーンもどこも妥協しない。1回も妥協をしてこなかったチームですね。今回もそういうチームになるんじゃないかと思っています」
ー作品のレジェンド・平野さんに聞いておきたいことは?
彩凪さん「他の作品で共演したときから平野さんは、私の中でレジェンドなんです!」
平野さん「なんで?(笑)」
彩凪さん「お聞きしたいことはたくさんありますが、そのときも背中で語って、それを見て学ぶことが多かったです。お稽古では座長のおふたりが作ってこられた作品に、自分らしさを乗せつつ、イチから作られた方へのリスペクトを持って取り組みたいと思っています」
ー平野さんは彩凪さんにどんな印象をお持ちですか?
平野さん「一括りにしてしまうのは良くないけれど、やはり宝塚(歌劇団出身)の方はしっかりしてるという印象があります。皆さん真面目でストイック。以前共演した作品では、アクションがあったのですが、ずっと練習をしていましたし、そのときは、無感情でサイコパスな役でしたが、今回は結構絡む役で、これは恋なの?何なの?みたいなシーンも少しあったりします。シャーロックが唯一そういう気持ちになるシーンです。他にもストレートに感情をぶつけあったり、騙しあったりするシーンがあるので、すごく楽しみです」
ー彩凪さんは今の段階で役についてイメージしていることはありますか?
彩凪さん「アイリーンは、信念がある女性です。動かない大きなものを1人で何か変えようとするには、普通の精神力では出来ません。それをひとりで成し遂げようとしていて、それをうちに秘めた策士的なところもあり、心や考えが読めない凛とした魅力的な女性というところを出せたらいいなと思っています」
ー今回再構成ということで、振りや曲も変わっているとお聞きしました。
平野さん「そうなんですよ!曲はアレンジが変わっていくと思います。なので本当にイチから作っていく感覚なんです。台本を見てもひとつも覚えてなかった(笑)。え??こんな喋ってた?っていうくらい台詞があって。本当に(通常の作品の)2作品ぐらい喋っていて、だから不安ですよね。これを再び頭に入れられるのか?挑戦だなという感じです。でも振付が一番楽しみかも!アンサンブルがどう動くかで世界観が変わりますし、この作品はアンサンブルが主役の舞台なので、作品をかたどっている動き、パフォーマンスが変わるというのは、見てる人にはすごく変わったなという印象がダイレクトに伝わると思います。最初のテーマソングとかどうなるんだろう??そういう意味ではやっぱり楽しみです」
ー最後に意気込みと読者の皆さんへメッセージをお願いします。
彩凪さん「平野さんにお稽古前に取材でお会いできてホッとしました。最近のお仕事では、ストレートプレイが多く、この作品でミュージカルが久しぶりなので、不安な部分もありますが、一生懸命取り組みたいと思います。鈴木さん、平野さんの背中を追いかけつつ、皆さんと一緒にこの作品をイチから作り上げるつもりで、稽古に励みます。ぜひ楽しみにしていただけたらなと思います」
平野さん「今回はRepriseです。前回は、コロナ禍で客席を半分に減らしての上演でした。そのときにご覧になれなかった方もたくさんいらっしゃり、地方から観にくることが叶わなかった方もいらっしゃいます。Blu-ray/DVDでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、今回は生でご覧いただけます。この楽曲を実際に聞くとこういうことなんだという面白さもあります。キャストが一新したことによって初めてこの作品に触れる方もいらっしゃると思います。そういう皆さんに作品の魅力や力を届けられるようにイチから作り直していきます。キャストが変わると、その人の持つ魅力が出ると思うので、また新たな魅力という至高の謎をお届けできたらと思います」
▶︎平野良さん&彩凪翔さんのファッション事情◀︎
ー今日は私服をご用意いただいたとお聞きしました。お衣装のお気に入りポイントを教えてください。
平野さん「チェックかぶりしましたね!」
彩凪さん「しかも青のイメージで!」
ー普段のお気に入りのファッションアイテムはありますか?
平野さん「帽子はよく被るかな」
彩凪さん「(平野さんは)ベレー帽を被ってらっしゃるイメージがあります」
平野さん「一時期よくベレー帽被ってたね!着る服は帽子ありきで考えるところがあります。帽子はたくさん持っていますが、ほとんど使ってないものが多くて、気に入ったものを使っています。あとはスニーカーを稽古以外であまり履いていなかったのですが、履き始めたらすごく楽で、初めてVANSを買いました。若い子が稽古でVANSをよく履いているんだけれど、楽なのかなと思って買ったら本当に楽なんだよね。すごく楽で軽くてびっくりしてます」
彩凪さん「アイテムだと私はメガネフェチなんです!かけている方も好きですし、自分でかけるのも好きです。コンタクトをつけて、だてめがねをかけています。メガネをかけた役も多くて、その役になるとアイテムとして集めてしまって、稽古中にかけるので、どんどん増えていってメガネ屋さんみたいになります(笑)。」
ー作品の上演が5月になります。お二人にとって春といえば?
平野さん「え??何だろう??」
彩凪さん「私はお花見です。桜ですね。お花が好きなので、見れるときは見にいきますし、通りがかったところにあると見てしまいますね。夜桜もいいですよね」
平野さん「花見はしないけど。咲いてると見ちゃうし、ドキッとしますね。アメ横で食べ歩きとかしたい!でもちょっと高かったりするので、結局友達のお店とかに行っちゃうんですよね」
【profile】
平野良/Ryo Hirano
1984年5月20日生まれ。 神奈川県出身。
▪️公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/hiraryo0520
彩凪翔/Sho Ayanagi
6月2日生まれ。大阪府出身。
▪️公式Instagram
https://www.instagram.com/sho_ayanagi_official/
【公演概要】
■公演タイトル
ミュージカル『憂国のモリアーティ』大英帝国の醜聞 Reprise
■日程・会場
東京公演:2025年5月16日(金)~5月18日(日) シアターH
京都公演:2025年5月23日(金)~5月25日(日) 京都劇場
東京公演:2025年5月30日(金)~6月8日(日) 天王洲 銀河劇場
■原作 三好 輝『憂国のモリアーティ』(集英社「ジャンプSQ.」連載)
■脚本・演出 西森英行
■音楽 ただすけ
■キャスト
ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ:鈴木勝吾
シャーロック・ホームズ:平野良
アルバート・ジェームズ・モリアーティ:廣瀬智紀
ルイス・ジェームズ・モリアーティ:百名ヒロキ
セバスチャン・モラン:佐々木崇
フレッド・ポーロック:横山賀三
ジョン・H・ワトソン:橋本真一
ミス・ハドソン:能條愛未
マイクロフト・ホームズ:伊藤裕一
アイリーン・アドラー:彩凪翔
井口大地、伊佐旺起、伊地華鈴、梅原ことは、大澤信児、小山雲母
木村優希、熊田愛里、白崎誠也、Taichi、永咲友梨、若林佑太
Piano:境田桃子、Violin:林周雅
スウィング:光由 小野伯月
■公式ホームページ
https://www.marv.jp/special/moriarty/
(2025,05,09)
photo:Hirofumi Miyata/interview&text:Akiko Yamashita
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下記のリンクのインスタグラムにインタビュー撮影時のアザーカット&コメント動画を公開致します!!
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