ふぉ~ゆ~の辰巳雄大さんが主演を務める舞台『ぼくの名前はズッキーニ』が東京・よみうり大手町ホールにて2月28日から開幕しました。

初日前日にはゲネプロが、そして終演後には囲み取材が行われ、主演の辰巳さん、川島海荷さん、稲葉友さん、平田満さん、そして脚本・演出のノゾエ征爾さんが出席しました。

左からノゾエ征爾さん、稲葉友さん、辰巳雄大さん、川島海荷さん、平田満さん

2002年にフランスで発刊後、世界中でベストセラーとなった小説を、世界で初めて舞台化したのが本作。

養護施設に連れてこられた孤独な少年・ズッキーニが厳しい現実の中でも前向きに生きようとする姿が描かれます。
ゲネプロのステージ上には大きな黒板が壁や床となって彼らを取り囲みます。

彼らはチョークを手に自分の名前や場面設定、そして心情などを描いています。本作ではズッキーニの姿だけでなく、様々な家庭環境の厳しさからここに集まったズッキーニの周りの子どもたちも描かれており、それぞれの心の傷を負った彼らは、表面的には笑ったりはしゃいだりしているが、ふとした瞬間に親の愛に飢えた姿を見せ、そんな子どもたちを愛で懸命に包もうとする大人たちも彼らそれぞれの背景と共に描かれていました。ズッキーニはシモン(稲葉さん)、カミーユ(川島さん)らと時にはぶつかり、時には心を寄せ合いながら少しずつ成長していく。その姿がいじらしく、守ってあげたくなりました。

終演後の会見で辰巳さんは「皆でここに立てている事、ものすごい濃密な稽古を重ねた上でここにいる事、明日、初日を迎えるられることにホッとしています」とどこかほっとした表情。そして「この作品を一人でも多くの方に届けられることに胸が躍っています」と笑顔を見せていました。

 

カミーユ役の川島さんは「明日初日という実感はまだないんですけど、このメンバーで稽古を重ねて、たくさん遠回りをしながらもこうやって一つの作品を作りあげられたのは嬉しいです。生の舞台でこれからも毎日変わっていくのかなと思うので、その舞台の楽しみを感じながら日々過ごしたいです」と嬉しそうに語ります。

 

シモン役の稲葉さんは「皆さんに見ていただけるのが楽しみだと思える作品になっているので、早くこの作品を届けたいです」とコメント。

 

ズッキーニを養護施設に届ける警察官役の平田さんは「これはいろんなものが詰まってる作品。歌ったり、踊ったりもします。社会的なことなど、いろんなことを考えられると思います」と見どころを伝えます。

 

そして脚本・演出を務めたノゾエさんは、「ちょうど1年前にこの作品の上演が中止となり、そこから1年経って改めて開幕できることになった。感慨深いです」と噛みしめるように言葉にしていました。

芝居上、6歳の子どもを演じる事について、辰巳さんは「自分の愛してる演劇をやらせていただいてるなと実感しながら稽古してました。スタートから終わりにかけて、どんどん自分たちで作って完成させていく感が強い作品。僕にとってターニングポイントになる作品になるんじゃないかなと思います」と力強く語る。

稽古中はいろいろ考えたそうで「稽古の最初の方は、逆に子どもらしくし過ぎてしまって。稽古をやりながらいらないものを排除していくことで、逆に子どもっぽくなってきました。今の僕らはすごく飾ってしまってるんだなと感じました」と振り返り、役作りの参考になったのは6歳になる姪っ子の存在だとデレデレになって語っていました。「姪っ子の無邪気な一言は勉強になりますね。以前コンサートを見に来てくれたことがあって“ゆうくん、かっこいい”と言ってもらえた。あの素直に人を褒めれられる、言葉に混じりっけない一色の色で届けてくれる言葉の出し方は参考になりました」。

川島さんは「私は見た目が子どもなので、逆に恥ずかしいです。この舞台中、27歳になるんですけど、“(子ども役が)すごい似合ってる”って周りに言っていただけるので、それを自信に頑張りたいです」と苦笑い。川島さんは今年でデビュー15年を迎える。

辰巳さんが「15年?」と川島さんの芸歴の長さに驚いて復唱し、話を広げようとすると「やめてください」と制する川島さん。

だが辰巳さんは「大丈夫大丈夫!!俺22年だから」とツッコミ。

そして稲葉さんは「ベテランばっかりじゃないっすか」と乗っかり笑い合っていました。
稲葉さんは子どもらしくするためにチークをつけている話になり、辰巳さんは「楽屋で二人でチークの濃さを研究しているんです」と暴露。稲葉さんは「川島さんがチークブラシでやるより中指でやった方がいいよって教えてくれたんです」と明かすと、辰巳さんは「そうなの!?教えてくれなかった。俺、ずっとブラシでやってる」と声をあげていました。

さらに、自分の子どもっぽいところはどんなところ?との問いに辰巳さんは「子どもっぽいっていうのがコンプレックスなくらい、自分のことを子どもっぽいと思う」と口にし、「好きなものができてしまうと、のめり込んでしまったり、楽しいことが起こってると、そこに足を運んでしまいます」と素直に答えつつ「今は(子どものように)ブリーフをはくことに熱中してます。皆さんがトランクスやボクサーパンツをはくようになって、みんなと一緒なのはやだなと思って。色は黒なんですけどね」と恥じらいもせず語ると、川島さんから「どういうテンションで聞いたらいいのか…」と小声でつっこまれていました(笑)。

一方、川島さんは「自分の感情がすごい顔に出ます。不機嫌なときや喜んでるときは分かりやすいですね」といい、「もっとちゃんと隠せる大人になりたいです」と苦笑い。

辰巳さんが「川島さんとは初めてご一緒したんですけど、かわいい川島さんが、たまにヤンキーっぽい歩き方してるのを発見した」と物まねしつつ暴露すると、「やめて、隠してたんだから~。それは素です」と恥ずかしそうにする川島さんでした。

最後に、辰巳さんが代表でコメント。「僕たちも少なからず養護施設に詳しい方にお話を聞いて、登場人物たちのことを深く知ろうと努力しました。演劇はフィクションだと思いますが、この中に生きている子どもたちが闘ってるところに嘘は全くなくて、こうやって闘ってる子どもたちがいるのを深く実感しました。登場人物たちが前を向いて笑顔で生きていて、たくさんの愛が詰まった作品だと思いますので、一人でも多くの方にこの作品を届けられたらいいなと思います」と心境を語って締めくくった。

舞台『ぼくの名前はズッキーニ』は3月14日まで東京・よみうり大手町ホールにて、その後大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TT ホールにて上演されます。

 

【公演概要】

■タイトル 『ぼくの名前はズッキーニ』

■日程・会場

東京公演:2021年2月28日(日)~3月14日(日) よみうり大手町ホール

大阪公演:2021年3月19日(金)~3月21日(日) COOL JAPAN PARK OSAKA TT ホール

■出演

辰巳雄大(ふぉ~ゆ~) 川島海荷 稲葉友 上村海成 三村朱里 本多力/
伊勢佳世 宍戸美和公 ノゾエ征爾 平田満

■公式ホームページ https://www.ktv.jp/zucchini/

(2021,03,01)

photo&text:Saki Komura

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