『女の一生』の初日前会見が2022年10月17日(月)に、新橋演舞場で行われ、大竹しのぶさん、高橋克実さん、段田安則さん、風間杜夫さんが登壇しました!!

 

本作は、終戦直前に森本薫さんが文学座に書きおろし、杉村春子さんが初演、生涯に947回に渡って演じ続けた、不朽の名作です。2020年に大竹さんが主人公の布引けいを演じ、好評を博しました。今回も、大竹さんが明治・大正・昭和という激動の三時代を気丈に生きた布引けいの人生を熱演します。

この日の取材会で、段田さんは「2年前にここでやらせていただきましたが、念願が叶いまして、2年前にできなかった南座、博多座でもできるということで喜んでおります。まずは、ここ新橋演舞場でドカーンといってから回りたいと思います」と挨拶。2020年公演に引き続き、演出も担当しますが、「2年前に最高の素晴らしい舞台をお届けしましたので、そこからはほぼ変わっておりません。ただ、長女役、次女役、それからけいの娘の知栄役の役者さんが変わりましたので、新たな3人が見られるのではないかと思います。少しだけ動きやセリフを変えたところもありますが、ほぼ2年前と変わらず、最高の舞台をお見せできるかと思います」と胸を張りました。

主演の大竹さんは、2020年公演を「客席を半分にしての上演でした。その中でも来てくださるお客さまのために必死になってやっていたのを思い出します」と振り返り、「今回はたくさんのお客さまに見ていただけることがとっても嬉しいです。きっとこれからもやり続けるであろうこのお芝居を心を込めてやっていきたいと思います。最後まで完走できるように頑張ります」と意気込みました。また、今作では布引けいという女性の少女時代から40年間の姿を演じますが、少女役を演じる上で意識していることを聞かれると「今はどう見ても少女じゃないので、心で観てもらえれば。心だけ少女でいればなんとかなるかなと思っています。自分が若い頃の映像というか、残像というかを思い出し、その時の自分の声はどんなだったのかを考えることはありますが、あまり作らず心で観てもらおうと思っています」と語りました。

堤家の次男・栄二役の高橋さんは「どこにいっても、今は割と年上の方ですが、この現場は先輩ばかりなので身の引き締まる思いで稽古をしております。初日ということで、また頑張っていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします」、叔父の堤章介役の風間さんは「この作品は普遍的で、戦争の惨さがあっても、その中でも強く生きていく女の人生、男の人生を描いています。色々なメッセージを込めて一生懸命演じたいと思います」とそれぞれコメントしました。

前回に続いて出演している4人は、コンビネーションもばっちり。大竹さんが、「克実さんは前回7キロ痩せました。いじめられて、ね? 今回は?」とお茶目に尋ねれば、高橋さんは「今回は痩せてないです」と苦笑い。それを聞いた段田さんは「忘れていましたが、今回は高橋克実が腕を上げました。初演は“大丈夫かよ”というところもありましたが、今回はいい俳優になっています。ぜひご注目ください」とアピールし、高橋さんも「2歳、年を取りましたので、少し人の話が理解できるようになりました(笑)。期待してください」と話しました。

さらに、風間さんが「高橋さんの場合は、ぼーっと突っ立っていても心があります。僕には伝わるんですが、しのぶさんから見ると、ただぼーっと立っているように見えるらしい。それは2年前と変わりませんが、心は動いていることを伝えたいです。2年前は、テレビが忙しくて、“テレビに魂を売った男”でしたが、演劇の世界に帰ってきた。2年の成長はすごいです。今や立派な舞台人です。高橋さんに注目してください」と熱弁すると、登壇したキャストたちからは笑いが起こりました。

「本作にちなんで、人生を振り返ることはありますか?」という質問が上がると、風間さんは「私は孫も4人いて、家庭の他には誰か応援する女性がいるわけではないですが、力強く生きていくという(本作の)周り(の登場人物)を見て思いを馳せ、重ね合わせることはあります」と回答。高橋さんは「私は流れに流れて流されてここまでやってきましたが、ようやく辿り着いた感じです」と振り返り、「この作品はものすごくいいセリフが多いものですから、大竹さんのセリフを聞いていると自分も力が湧いてきたりします。まだこれからやっていくんだという気にさせられるお芝居に出ているので、自分の中で生きていく上でプラスになっていると感じます」と思いを述べました。

 

大竹さんは「私の一番好きなセリフは“私の一生はこれからだと思う。新しい歴史の中に私も入っていくんだ”という言葉。そういう前向きなけいが好きですし、私自身、振り返ることはないです。前を向きながら進むのが人生だと思うので、振り返る暇もないほど楽しくやっています」と笑顔を見せました。

一方、段田さんは「私は過去を振り返ってばかりです」と言い、「若い頃は“将来こうなりたい”“こういう女性と結婚したい”と考えていましたが、歳をとると先のことは考えず“あの時はああだったな”とばかり思います。僕は22歳くらいで東京に来まして、この程度の私が新橋演舞場の舞台に立って、南座、博多座と大きな舞台に立つというのはラッキーなことこの上ない。未だにバイトしながらコツコツ芝居をしていてもおかしくない私ですから、この舞台に立てるということはなんて幸せなことだと過去を振り返って思います」と明かしました。

 

【公演概要】

■タイトル

舞台『女の一生』

■日程・会場

東京公演:2022年10月18日(火)〜2022年10月23日(日) 新橋演舞場

京都公演:2022年10月27日(木)〜2022年11月8日(火) 南座

福岡公演:2022年11月18日(金)〜2022年11月30日(水) 博多座

■作 森本薫

■補綴 戌井市郎

■演出 段田安則

■出演

大竹しのぶ 高橋克実 段田安則 西尾まり 大和田美帆 森田涼花 林翔太 銀粉蝶 風間杜夫

(2022,10,18)

photo&text:Maki Shimada

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