舞台『醉いどれ天使』製作発表記者会見が7月19日(月)に東京都内で行われ、本作に出演する桐谷健太さん、高橋克典さん、佐々木希さん、田畑智子さん、篠田麻里子さん、髙嶋政宏さん、脚本の蓬莱竜太さん、演出の三池崇史さんが意気込みを語りました!!

 

本作は、日本をはじめ世界中に大きな影響を与えた名匠・黒澤明監督と、その多くの作品で主演を務めた三船敏郎さんが初めてタッグを組んだ映画を舞台化したものです。映画は、戦後の混沌とした時代に生きる人々の葛藤をいきいきと描き、黒澤監督の力強く斬新な世界観と三船さんの荒々しくも繊細な演技が絶賛され、今なお名作として世界中で愛されています。

今回の舞台化にあたり、演出を黒澤明監督同様、海外での評価も高い三池さんが、脚本を演劇界のみならず映画脚本や映像脚本にも活躍の場を広げている蓬莱さんが務め、黒澤作品をさらに跳躍させます。

会見では、蓬莱さんは「演劇をやっている身としては、映像をどういうふうに演劇として作ることができるのかというのを意識して書いたので、これが演劇の『醉いどれ天使』になるといいなと思っています。それから、このコロナの時代に書いていたので、抗えない時代の波の中で生きていくというところも注目してもらいたい」と本作への思いを語りました。
さらに、「演劇」作品となるよう、蓬莱さんは「登場人物のモノローグ、独白を多く利用しています。それは映画ではできないことで、映画では描かれていない心の声を、役者がどういうふうに音に出して、心情を吐露していくかが、この舞台のリズムになっていくという構造になっています」と説明。演劇的手法を多用した脚本を書きあげたと話しました。

 

一方、演出を務める三池さんは「本業ではないので、思いっきり全力でやっていこうと思っています」と挨拶し、「これだけすごいメンバーが集まりましたが、役者としての生き方はみんな違うので、その彼らが明治座で交錯する姿を目撃してもらいたい」とアピールしました。

 

かつて三船さんが演じた松永を演じる桐谷さんは「蓬莱さんの素晴らしい本と、鬼才と呼ばれる三池さんと、個性豊かで魅力的なキャストの皆さんとやれることが本当にうれしく思います。このメンバーなら最高傑作になります。ぜひ観てください」と力強くコメント。

 

真田役の高橋さんは「何度も何度も若い時から観ている黒澤作品の『醉いどれ天使』ですが、まさか自分が志村喬さんが演じた真田をやらせていただくとは夢にも思いませんでした。憧れ以上のものでした」と感慨深そうに明かしました。三池さんとは1999年公開の映画『サラリーマン金太郎』以来となるそうで、「当時は全くの不完全燃焼だったので(笑)、今回は、三池ワールドをこのメンバーと望めることが楽しみです」と笑顔を見せました。

 

松永の兄貴分・岡田を演じる髙嶋さんは、本作に出演が決まった時のことを「マネージャーから連絡が来て、『えっ、嘘だろ!?』と家で叫んだほど嬉しかった」と振り返りました。さらに、「ずっと三池監督の映画に出たかったんですが、その願いがまさか舞台で叶うとは。本当に興奮しています」と喜びを爆発させました。

 

松永に思いを寄せるぎんを演じる佐々木さんは、自身の役柄について「ダンスが好きで、ダンサーに憧れて東京に来るんですが、戦争で足を悪くしてしまいます。その中でもエネルギッシュに生きていく強い女性です」と紹介し、「真っ直ぐに松永を思いながらも、逞しく生きていく女性を一生懸命演じられたら」と意気込みました。

 

また、美代役の田畑さんは「明治座という劇場に立たせていただくのは初めてですし、三池さんの演出、蓬莱さんの脚本も初めてですし、映画の舞台化も初めて。その世界観を楽しめたらと思っています」、奈々江役の篠田さんは「舞台自体が久しぶりなので、できるかなという不安とドキドキでワクワクしています。コロナ禍での舞台ですが、千秋楽まで無事に走り切りたいと思います」とそれぞれ思いを語りました。

 

さらに、本作を舞台化するにあたって、どんなところに興味を持ったのかを聞かれた三池さんは「許されるなら、この場で皆さんに台本をお配りしたいくらい、すごくワクワクして興奮して一気に読んでしまった」と脚本の素晴らしさを挙げました。さらに、「映画との1番の違いは、一人ひとりがどこで生まれ、何をして、どうなりたかったかが明確になる構造になっています。(キャストたちには)戦後に生きた人間を演じてもらいながら、舞台の上で自分自身をさらけ出してもらう。そういう舞台にしたいと思います」と思いを述べました。

そして、会見の最後には、桐谷さんが「名作映画の舞台化ですが、全く違った魅力的なものをお見せできると、僕自身ワクワクしています。舞台を観た方が、空の感じ方が変わったり、もっと幸せに、強く生きてみようと思っていただけるようにエネルギーと波動を惜しみなく出していくので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたらと思います」と呼びかけて締めくくりました。

 

【公演概要】
■タイトル
舞台『醉いどれ天使』
■日程・会場
東京公演:2021年9月3日(金)~9月20日(月・祝) 明治座

大阪公演:2021年10月1日(金)~10月11日(月) 新歌舞伎座
■原作 黒澤明、植草圭之助
■脚本 蓬莱竜太
■演出 三池崇史
■出演
桐谷健太 高橋克典 佐々木希 田畑智子 篠田麻里子 髙嶋政宏
渡辺光 黒石高大 髙橋里恩 西沢仁太 安藤瞳 菊池日菜子 澤竜次
テイ龍進 染谷俊之 原金太郎 陰山泰 梅沢昌代
■公式サイト https://www.yoidoretenshi.jp/

(2021,07,20)

photo:田中亜紀(オフィシャル提供)/text:Maki Shimada

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