2022年に日生劇場で初演を迎え、キャッチーな音楽と、青春の刹那のきらめきと美しさを巧みに織り込んだ脚本、そして若手実力派キャストによる存在感あるパフォーマンスが大反響を呼び、2024年には､ロンドン・ウェストエンド､韓国・ソウルでも現地プロダクションで上演されたミュージカル『四月は君の嘘』が再演されます！
今回主人公・有馬公生(ありま こうせい)を岡宮来夢さん、東島京さんがWキャストで演じます。青春ラブストーリーを通して、大切な人との出会いと別れを経験した若き音楽家の卵たちの才能が開花していく物語。NorieMでは、東島京さんに作品への思い、さらにはファッションのこだわりをうかがいました。

 

ー東島さんが感じている作品の魅力を教えてください。
「まずフランク・ワイルドホーンさんの楽曲が魅力のひとつです。いろいろな色、音が混ざり合い、壮大で、カラフル且つ繊細で、役ごとの感情が綿密にメロディーと音楽に乗せられています。すごく難しい曲ですが、演じる僕たちが役として理解できた時に、僕たちに寄り添ってくれる心強い味方だなと感じています。それは劇場で観劇してくださる皆さまも同じように感じていただけると思います。もうひとつは、若者の特権である青春という限られた今を全力で生きようとしている少年少女たちの姿です。ご覧いただく皆さんが懐かしさを感じて、心の中の青春という引き出しをすっと開けてくれるような空気感、雰囲気が魅力だと感じています」

 

ーGWに開催された東京ミッドタウン日比谷ステージで多くの観客の皆さんの前で歌唱を披露しましたが、舞台とは違ったステージのパフォーマンスはいかがでしたか？
「開放的なステージで、ミュージカル自体をご存知ない方もご覧になっていたのですごく緊張しました！劇場に観に行こうかなと感じていただける機会だったと思いますし、作品の雰囲気をお伝えできたかなと感じました」

 

ー作品のビジュアルも先ほどおっしゃていた青春を思い出させてくれるような雰囲気ですね！
「同年代のキャストが多く、アンサンブルの方の中には年下の方もいらっしゃるので、少しお兄ちゃん的な立場で頼られる存在でありたいなと思っています。同年代で通じ合えることも多い筈ですし、それがこの作品の中にある絆や温かさにも繋がると思うので、変に作り過ぎず、正面からいろいろなアイディアを出し合いながら、切磋琢磨していきたいです」

 

ー演じる有馬公生はどんなキャラクターだと感じていますか？
「僕は“四月は君の嘘オタク”と言っても過言ではないくらいに原作の漫画、アニメも大好きです。最初に感じたのは、公生はすごく根暗で、内に内に心を閉ざしてしまう不器用な男の子で世界がモノトーンに見えているのですが、目は死んでいないという印象でした。知らず知らずに自分を責め、それを認識していながらも必死に見ないふりをし、僕に構わないでと自分の中にどんどん隠れてしまう一方で、心の中では助けて欲しいと思っているように感じます。彼は深く、暗くて冷たい海の底で必死に声を出そうとしてるけれど、誰にも届かない。誰かが気がついて助けようと手を出すとそれを拒みつつも、実はもう少し引っ張って欲しいんだという心の叫びがずっと聞こえているような気がしています。そういう暗闇の中に隠れている光をうまく表現したいなと思っています。闇が深いけれど、そこに光がないわけではなくて、隠れてしまっている状態というのをなんとか表現できたらと思ってます」

 

ー大好きな作品に出演が決まった時はどんな気持ちでしたか？
「とんでもなく嬉しかったです！本当に初恋が実ったような気持ちでした。オーディションを受け、結果が来るまで数か月あり、その間ずっと片思いをしてるような感覚で、毎日のようにマネージャーさんに結果来ましたか？と訊いていました。(出演が)決まったと聞いた時は、蕾だった花が一気にぱぁっと咲いていくような、霧が一気に晴れるような感覚でした。でもその瞬間に、喜びと同時にものすごい不安とプレッシャーが来て、結果を聞くまでは、何としてもやってやるんだ。絶対にやるんだという気持ちしかなかったのに、いざ決まって見ると本当に僕がやるんだ！どうしよう!?という気持ちになって、責任感みたいなものが湧いて来ました」

 

ー役に向き合って作っていくのが大変でもあり楽しみですね！
「すごく大変だと思いますし、役者というのはすごく孤独な職業でもあるので、自分の中にしか無い答えを探していかなくてはいけないと思っています。きっと完璧な答えにはならないから、苦しい時間もあると思います。でも初日を迎えて舞台に立って届けたときに、お客さまの中に何か新しい発見や影響、気づきがあったなと感じた瞬間に、やり切って良かったと心から感じると思うので、そこを目指して、大変な毎日をでもしっかりと過ごしていきたいです」

 

ー最後に作品を通して届けたいメッセージと公演への意気込みをお願いします。
「心温まりながらもすごく切ない物語です。この物語を通して僕が演じる公生は自分を責めながらも成長し、自分で光を見つけられるようになります。もしこの作品を観に来てくださる方の中に、自分を責めてしまったり、殻に閉じこもってしまっている方がいたとしたら、“大丈夫だよ”と背中をポンとしてくれるような作品にしたいと思っています。一瞬一瞬をみんなが全力で生きていること、当たり前の日常は当たり前ではないということ、そして何気ない日常の幸せを感じていただけると嬉しいです。全力で迷いながら本気で頑張りますので、劇場に観に来てくださると嬉しいです」

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▶︎東島京さんのファッション事情◀︎
ー東島さんにとってファッションとは？
「私服は自分の好みで偏ってしまうのですが、イベントや取材でスタイリストさんが用意してくださる洋服やアイテムを身に着ける時は、自分の未知数なところや、これまで開いてなかったマップが開くような感覚があります。そのひとつひとつにすごくワクワクして、新しい自分の一面を発見できる気づきが毎回あって、その時に改めてファッションが好きだなって感じています」

 

ー東島さんが素敵でいるために心がけていることはどんなことですか？
「僕、素敵なんですか(照笑)？これを自分で言うのは結構恥ずかしいですよね。なんだろう？以前どこかで見た言葉で好きな言葉があって、“綺麗な目でいるためには美しいものを見るようにしなさい。たくさん笑いなさい。綺麗な声でいるためには綺麗な言葉を発しなさい”というニュアンスだったと思います。その言葉にはっとさせられて、誰かと話をする時に、その人の嫌なところが目に入ったり、この人とはなんか合わないなと思ってしまったりする時に、それはその人の一面でしかなくて、その人の良いところを探すようにしています。“ありがとう”という感謝の言葉や何気ないひと言でもその人にとって1日がすごく嬉しい大切な1日になるかもしれないなと思うと、ちょっとしたハピネスを広げることでより良い世界になるんじゃないかということを意識します。ちょっとしたことですが、LINEとかのメッセージでも“ありがとう”という言葉は予測変換に頼らず必ず全部きちんと打つように心がけています」

 

【profile】
東島京／Misato Higashijima
2005年2月13日生まれ。大阪府出身
2021年に日英合作ミュージカル「GALAXY TRAIN」にカムパネルラ役で初舞台を踏み、役者活動を開始。2023年3月には同作がイギリス・ウエストエンドにて「GALAXY TRAIN-A New Musical」として全編英語で上演され、ロンドン現地キャストとともに出演を果たした。その後2023年12月にミュージカル「春のめざめ」ではメルヒオール役として初主演、2024年2・3月に舞台「最高の家出」では初めてストレートプレイに挑戦、2024年7月期フジテレビ系木曜劇場「ギークス～警察署の変人たち～」に基山文太役として初ドラマ出演した。近年の出演作としてミュージカル『チョコレート・アンダーグラウンド』、『ワイルド・グレイ』、『SONG WRITTERS』、柚希礼音 25th Anniversary「REON JACK5」などがある。そして今年8～10月上演のミュージカル「四月は君の噓」にて主演・有馬公生役の出演が控える。
■公式Instagram
https://www.instagram.com/misato_higashijima_official/

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【公演概要】
■タイトル
ミュージカル『四月は君の嘘』
■日程・会場
東京公演：2025年8月23日(土)〜9月5日(金)　昭和女子大学人見記念講堂
愛知公演：2025年9月12日(土)〜9月14日(金)　Niterra日本特殊陶業市民会館フォレストホール
大阪公演：2025年9月19日(金)〜9月20日(土)　梅田芸術劇場メインホール
富山公演：2025年10月4日(土)〜10月5日(日)　オーバード・ホール 大ホール
神奈川公演：2025年10月12日(日)〜10月13日(月・祝)　厚木市文化会館　大ホール
■出演
有馬公生：岡宮来夢／東島 京（Wキャスト）
宮園かをり：加藤梨里香／宮本佳林（Wキャスト）
澤部 椿：希水しお／山本咲希（Wキャスト）
渡 亮太：吉原雅斗／島 太星（Wキャスト）　ほか
■公式ホームページ
https://www.tohostage.com/kimiuso/

(2025,07,11)

photo:Hirofumi Miyata／interview&text:Akiko Yamashita

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