ローレンス・オリヴィエ賞「Best New Play(作品賞)」「Best Actress(女優賞)」にノミネートされ、イギリス演劇界で最高評価を得たFIVE STAR★★★★★のロンドン発の注目の話題作『ザ・ドクター』が日本初上陸。10月末から日本初演の上演がスタートしました。
パルコ・プロデュース2021『ザ・ドクター』は、大竹しのぶさん演じる医療研究所の所長であるエリート医師・ルースにある少女の死をきっかけに、宗教・ジェンダー・階級差など、あらゆる社会問題が降りかかり、医師としての自分を見つめ直していくという物語。
現代社会のあらゆる問題点を抱えながら、とある医療機関で繰り広げられるパワーゲーム。主人公・ルースを取り巻く研究所の医師・マイケル・コプリ―を演じる宮崎秋人さんに、作品への想いを語っていただきました。

インタビュー後半ではNorieM magazineならではの宮崎さんの最近のファッション事情もお聞きしました。

 

ー舞台『ザ・ドクター』への出演が決まった時の気持ちを教えてください。
「いつかご一緒したかったキャストの方ばかりでしたので素直に嬉しかったです。以前共演した橋本淳さんのお名前もあって、栗山民也さん演出、大竹しのぶさん主演という強いカンパニーに飛び込んでも、淳さんがいればなんとかなるという安心感もあります。ここで成長できなければ未来はないと思っていますので、絶対に成長しなければと思っています!!」

 

ー宮崎さんが感じる作品の面白さは?
「作品自体に明確な答えがないというところ。問いかけで終わる。現代の問題を描いていますが、ある程度の正解はありつつも、マイノリティな見方が間違っているのかマジョリティが正解なのか、作品の中で答えを出していないというところが面白い。以前出演した作品でも感じたことですがが、イギリスの作品はとにかく皮肉の言い合いという印象があって、“ありがとう”という言葉の中にもちくっと皮肉を込めていたり、腹の底にある感情をやり合うというのが面白いですね。その感情のやりとりをセリフでしないといけない難しさをすごく感じて、言葉の発し方を繊細に作り込むのではなく、その瞬間、瞬間をしっかりと生で感じてセリフを発していかないといけない作品ですので、目の前に立ちはだかっている壁はすごく高いと感じています」

 

ー宮崎さんがこの作品ならではの稽古場で受けた刺激はなんでしょうか?
「普段ふわっとした印象の大竹しのぶさんが、お芝居が始まった瞬間に別人のようになり、第一声を聞いた瞬間に背筋が伸びました。“やばいかも”って感じたくらいです。自分が想像していていなかったテンポ感、想像していなかった音とスピードで、確実にのまれたなと感じました。その空気は、大竹さんがひと言目から“これでいきます”とおっしゃっている感じがして、座長についていく、引っ張ってもらう、支えてもらうということはありましたが、気がついたら流れの中にいる感じがして、それは初めての感覚でしたね。本読みの後に、翻訳の小田島さんに質問する機会があって、その時に腑に落ちているセリフ、落ちていないセリフが明確になって、そういうところは、誤魔化せないし、誤魔化さなくていいんだ。と改めて今回痛感しています。わからないことはそのままにせず、しっかりと教わって、理解した後にしっかりと自分の言葉にして発する。演出の栗山さんも稽古の前にしっかりと自分の言葉にして話すようにとおっしゃっていたので、それを体現できる女優さんとそれを求めている栗山さん。すごく刺激になりました」

 

ー演じるマイケル・コプリ―役の印象や意識したいところはどんなところでしょうか?
「この作品は、アイデンティティがキーワードです。配役の段階でもそこにこだわっていて、演じる役者のアイデンティを尊重するようにと最初の準備稿の段階でも書いてありました。マイケル・コプリ―がこういう人物だからこう演じたいということとは逆で、僕自身のこの身体でこの声で、こうやって31年生き、その中で経験してきたことを含めて演じるからマイケル・コプリ―がこうなったというようにしています。全部が彼と近いかというとそうではないと思いますが、僕自身この作品の中で舞台に立つことは大きな自信になります。そうやってひとつひとつを相違点ではなく、共通点にしていけたら楽しく演じられるかなと思っています」

 

ーたくさんの刺激を受け、ご自身も成長を望む作品への出演を今後どのように活かしていきたいですか?
「舞台に関して言えば、自分がやりたい人とやりたい作品を作れるようになりたい。自由に楽しくやりたい。もちろんプロ意識を持って臨んでいますが、それ以上に喜びが勝ってしまう位、僕にとって舞台はご褒美です。演じている途中に楽しいなと思う余裕はありませんが、カーテンコールでやっと、楽しかったと思いますし、稽古している途中もすごく楽しいと感じています。将来はいろいろな方たちを振り回せる俳優になりたい。それまでにやりたいことを自分の中にたくさん貯金していきたいです」

 

ー本作での宮崎さんのここをみて欲しいという見どころを教えてください。
「医者チーム、若手医師以外は、年齢、性別関係なく、結構対等に言い合うので、そこは見て欲しいですね。もともと僕を知ってくださっている方には“あのメンバーの中で対等に言い合ってるな”ってだけで面白いと思います。僕の役は、思っていることを爆発させるタイミングがあったり、かなりストレートに思ったことを思った瞬間に思った相手にパッといってしまうのは、他のキャラクターとは異質なのでそこは楽しんでもらえると思います、大好きな淳さんとのコントラストもわかりやすく楽しんでもらえると思います」

 


宮崎秋人さんの最近のファッション事情
ー宮崎さんのこだわりのファッションスタイルは?
「最近はアメカジブームが到来しております(笑)!!20代の頃は、年齢よりも若く見られることが多かったので、カジュアルな服を着ると幼く見えてしまうことがコンプレックスでもありましたが最近は30代2年目にもなりましたので、かわいいものを着ていこうとオーバーオールを着たりしていますね」

 

ー大幅な路線変更ですね!!
「今日の衣装は私服で、たまたま黒っぽいものを選びましたが、クローゼットから黒がだいぶ減りましたね。このトップスはもともと毛玉っぽい感じのもので、同じもののオレンジも買ったり、赤のブルゾンだったり、色のあるものや凝ったものを着るように好みが変わりました」

ーファッションは好きですか?
「好きですね!!欲しいとなったら止まらないんですよね(笑顔)」

 

ー最近購入した推しアイテムはありますか?
「メガネです。買うのが癖みたいになって、買うつもりがないのにお店に入ってしまって、最近ではJULIUS TART OPTICAL(ジュリアスタートオプティカル)にも手を出してしまいまして。。。その前にもLesca(レスカ)のデッドストックの色付きのものを買い、そのときに“これを買ったから当分メガネは買わない!!”って思ったばかりだったのに同じようなJULIUS TART OPTICALの黒縁のメガネを買ってしまう自分がいました。。。(笑)」

 

ー好きなアイテムを手に入れた時は幸せを感じますか?
「(しみじみと)幸せですね!!帽子とメガネは結構好きで、最近買ったハットは、デニム地のカンカン帽みたいな雰囲気で、オーバーオールにそれを被ってかわいい方向に走ってますね。“かわいいおじさん”になろうと思ってます」

 

ーお忙しい宮崎さんの癒しは?
「飼っている猫のウルです。飼って4年目になります。なかなかのやんちゃな猫ですが仲良くやってます。あとは、先輩の岡田義徳さんのお子さんと遊ぶことです。かなり癒されますね(笑顔)!!一回高い高いってやったら、何十回も続いて、これを岡田さん毎日やっているなら今日は俺がとことん付き合おうかとヘトヘトになりながらもすごく癒されています(笑)」

ー合同インタビューのお話の中で、大好きな橋本淳さんというフレーズが何度も登場しましたが、大好きな橋本さんの宮崎さんが感じる大好きポイントを3つ教えてください。
「役者としてもスキルがすごく高い。ちゃんと優しくアドバイスをしてくれて、ライバルとして認めてくれているところ。かわいいところ。ニコニコしていて物腰柔らかくて、その反面、いろいろな経験を重ねてきたという雑草感も感じて、そんな先輩についていきたいなって思います。プライベートで連絡しても毎回振られるんです。“今日ご飯どうですか?”“忙しい”、“今日はどうですか?”“忙しい”、ってずっと忙しいんですよね。振られ続けて、共演の方が先でしたね」

 

ー最後に、今回再び共演が叶った橋本淳さんのここを盗みたいというところは?
「今回栗山さん演出の作品が僕は初めてですが、淳さんは2回目です。淳さんの栗山さんへの接し方をそのままコピーしたいと思っています(笑)。そうしたら僕も2回目あるかなって(笑)。」

 

【profile】
宮崎秋人/Shuto Miyazaki
近年の主な出演作品に、舞台『銀河鉄道の夜 2020』(演出:白井晃)、『ロミオとジュリエット』『HAMLET―ハムレット―』(演出:森新太郎)などがある。映像作品への出演も多く、今夏はドラマ『漂着者』『彼女はキレイだった』に出演し、現在は『最愛』に出演中。2022年には舞台『マーキュリー・ファー』(演出:白井晃)への出演が控える。

photo:Hirofumi Miyata/hair&make-up:Yusuke Igari/interview&text:Akiko Yamashita

 


【公演概要】
■タイトル
パルコ・プロデュース2021 『ザ・ドクター』
■日程・会場
埼玉公演:2021年10月30日(土)〜10月31日(日) 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

東京公演:2021年11月4日(木)〜11月28日(日) PARCO劇場

兵庫公演:2021年12月2日(木)〜12月5日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
豊橋公演:2021年12月10日(金)〜12月12日(日) 穂の国とよはし芸術劇場 PLAT 主ホール
松本公演:2021年12月18日(土)〜12月19日(日) まつもと市民芸術館 主ホール
北九州公演:2021年12月25日(土)〜12月26日(日) 北九州芸術劇場 大ホール
■作 ロバート・アイク

■翻訳 小田島恒志

■演出 栗山民也
■出演
大竹しのぶ / 橋本さとし 村川絵梨 橋本淳 宮崎秋人 那須凜 天野はな 久保酎吉 /
明星真由美 床嶋佳子 益岡徹
■公式ホームページ
https://stage.parco.jp/program/doctor

(2021,11,01)


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