2023年1月4日に東京ドームで開催された新日本プロレスの『WRESTLE KINGDOM 17』。アントニオ猪木さんの追悼大会として~闘魂よ、永遠に~という言葉がサブテーマに配された大会のメインイベントで、第5代IWGP世界ヘビー級王者ジェイ・ホワイト選手へ挑戦し、見事勝利をおさめ、IWGP世界ヘビー級王者へ返り咲いたオカダ・カズチカ選手。2022年12月には、東京スポーツ新聞社制定のプロレス大賞で最優秀選手賞と年間最高試合賞をW受賞しました。
新日本プロレスを牽引するオカダ選手が2023年1月から放送がスタートした新日本プロレス50周年特別企画「THEスピリット〜闘魂レスラー発掘プロジェクト〜」のプロジェクトリーダーを務める。年齢・身長制限を一切排除し、応募した入門希望者が新日本プロレスでの入門テストを受けるまでをオカダ選手が直接指導するプロジェクト。
番組への想いとオカダ選手のプロレスへの想いをたっぷりとお聞きしました。

 

―新日本プロレス50周年特別企画の番組「THEスピリット」では、年齢・身長制限なく、一般募集で入門希望者を募り、応募した方たちへ直接オカダ選手がご指導をされたとのことですが、まずこのお話を聞いた時の気持ちを教えてください。
「僕自身、若手を育てたいと思っていたので、話を聞いた時は嬉しかったです。すぐにやります!と決めました」

 

―実際にご指導をされた中で、印象深かったことなどを教えてください。
「プロレスラーになりたいという気持ちはみんな一緒ですが、どれだけやる気があっても、続けることができずに途中で辞めてしまう人がいるのもプロレスの世界です。厳しい世界ではありますが、この番組でも練習生たちが人として成長する姿を楽しんでもらいたいと思っています」

 

ーオカダ選手ご自身のプロレスを目指すきっかけはどんなことだったのでしょうか?
「兄がプロレスのゲームを借りてきて、そのゲームにハマって、そこからテレビで放送しているプロレス番組を新聞で探して見ていました。最初は、こんなに痛いものはやりたくないと思っていましたが、時間が経つにつれてやってみたいと思うようになりました」

 

ー実際にプロレスの世界に入ってみて、一番苦労したことはどんなことですか?
「全部に苦労しましたね。今では普通に出来る基礎練習も最初はキツかったです。噂で練習がきついと聞いてはいましたが、実際に入ってみると(きつい練習を)先輩方は普通にこなしていたので、やっぱりすごいなと思いました」

 

―最初は全部に苦労したオカダ選手が、今までプロレスを続けてこられた一番の理由はなんですか?
「僕は中学を卒業してすぐにプロレスの世界に入ったので、ここで辞めてどうするのかと考えたときに、同級生たちは進学していく中で、戻るに戻れなかったというところがありました。だからこそ続けてこられたのではないかと思います」

 

―厳しい世界とおっしゃったプロレスの世界で、経験と実績を重ねて、また次頑張ろうという原動力は?
「お客さんが楽しんでくださり、僕たちの試合を観て一喜一憂してくれるというのが一番の快感です。プロレスは、勝ったときだけでなく、負けた試合でも認めてくれるお客さんもいらっしゃいます。だから負けたとしても納得できることもたくさんありますし、そういう意味で、お客さんの応援は原動力になっています」

 

―プロレスに対する満足感はどんなところに設定されていますか?
「勝つということが一番ですが、実は残った痛みを感じることが満足感につながっていると思います。試合が終わった直後はアドレナリンが出ているので、そんなに痛みは感じませんが、少し時間が経って、腰が痛いなとか首が痛いな、でもあれだけ激しい試合をしたから仕方がないねって思うときです。なんか痛みがないと寂しいときがありますよね(笑)」

 

―身体のメンテナンスで気をつけていることはどんなことですか?
「メンテナンスには頻繁に行くようにしています。年齢を重ねるにつれて、簡単なケアの回数も多くなってきています。年間約150試合ありますので、一番気をつけているところですね。痛みがあると試合がなくてもストレスになります。例えば椅子に座るときに腰が痛いなとか、膝が痛くて歩けないなとか、そういうストレスが常にあるので、身体のケアをしっかりとして、普段の生活でもストレス無く、お客さんに素晴らしいオカダ・カズチカをご覧いただくという意味でしっかりと身体のケアをしなければいけないと思っています」

 

―今お話された“素晴らしいオカダ・カズチカ”とは?
「やっぱりカッコいいことですね。コスチュームを着て、お客さんの前に出てきたオカダ・カズチカは自分でもすごい別人だと思っています。カッコつけているオカダ・カズチカをお客さんには一番見てほしいですね!」

 

―実際にプロレスを観戦すると、リングを囲うように360度お客さんがいるので、常に正面でみることができるわけではない中で、オカダ選手の立ち姿が前からはもちろんですが、後ろ姿もすごくカッコいいですよね!
「ありがとうございます!かっこいいところを見せつつも、不細工な姿を見せるのもプロレスだなとも思うので、精一杯戦っている姿こそがプロレスの良さだと思います。痛い顔、力が入っている顔、必死で戦っている顔を見ることができるのもプロレスだと思います」

―体作りでずっと続けていること、新しく始めたことは?
「プロレスの練習とは別で体作りという意味ではウエイトトレーニングはずっと続けています。昔と比較すると、トレーニングの機器もサプリメントの種類も多くなっていますし、体作りをする環境はよくなってきていると思います」

 

―今回の番組では、年齢・身長制限を無しにして入門希望者を募ったことで良かった点は?
「制限がないからこそ見つけられたその人の良いところ、接することでの気づきは多くありますね。その一方で、制限がないことで練習に参加できている、ということをしっかりと自分で理解して、その分を補って合格に向かって欲しいと思います」

 

―実際に参加して今後への希望や光を感じましたか?
「そうですね。面白いことがスタートしたなって感じています。いろいろな先輩が特別コーチとして来て、話をしてくれる中で、新日本プロレスってこういう考え方だなという軸の部分がみんな同じということも感じて、自分自身もすごく勉強になりました」

 

―オカダ選手ご自身が、新日本プロレスに入って印象深い先輩、お世話になった先輩は?
「いやぁ、みんな怖かったですからね…(笑)。その中でも獣神サンダー・ライガーさんは練習も厳しかったですが、いろいろなことを教えてくれました。ちゃんこの味付けとかも教えてくれましたね。デビューしてからは、言葉で教えるというよりも試合の中でプロレスラーはこうだよねという気持ちも教えてくれました」

 

―オカダ選手の現在の夢、目標を教えてください。
「ずっと東京ドームを超満員にしたいという夢、想いがあります。NYのマディソン・スクエア・ガーデンでの試合ではチケットが即日で売り切れたり、海外で盛り上がっているねと言っていただいたりしますが、日本では東京ドームを超満員にできていないことがずっと引っかかっていて、だからこそ東京ドームを超満員にしたい!そこが達成されるまで、新しい夢は僕の中では出て来ないと思います」

 

―その夢の実現のためにすることは?
「リング上でしっかりと戦うこと。それが一番だと思います。初めてプロレスを見にきてくれた人にも面白いと思ってもらえるように、僕がしっかりと戦うということを意識しています」

 

―最後に番組の見どころをお願いします。
「番組を見てプロレスラーがどういう練習をしているのかということを見てもらって、プロレスラーの凄さを知ってもらえたら、プロレスの見方も変わっていくと思います。プロレスをご覧になったことがない方でも、普段僕たちがやっている練習に挑戦している入門希望者を自身と置き換えて、ご自身に響く言葉や感じるシーンがあると思います。いろいろな方にご覧いただき、番組を楽しんで、皆さんの活力にしてもらいたいです」

 


▶︎オカダ・カズチカ選手のファッション事情◀︎
―今日の私服のポイントは?
「最近、街で緑のお洋服を着ている方をよく見かけるし、試合のコスチュームでは緑を着ることがないので、今日は緑を選びました」

―オカダさん×グリーンはすごく新鮮です!時計もすごくスタイリングのアクセントになっていますね!時計はオカダ選手ご自身のものですか?
「そうです。長く愛用しているものです。時計を身に付けることが多くて、スマートウォッチもいいなと思いつつ、電話と同じようにずっと気にするのも嫌なので、やっぱり普通の時計をつけていたいなと思ってます」

ーリング上ではコスチュームがファッションの要素になりますが、どんな想いで作っていますか?
「コスチュームは、アンリアレイジ(ANREALAGE)さんにお願いをしています。2022年のコスチュームは、細かいオーダーはしていなくて、新日本プロレスが50年なので、そこを意識したものというお願いをしました。ガウンの形を昔のプロレスラーの方が着ていた着物のようなタイプへ変え、デザイナーの森永さんから50年の歴史を文字で表現しようとご提案をいただいて、歴史の詰まったものになりました。それを着るということは、50年の歴史を背負うことになるので、それでいきましょうと実現しました」

ーコスチュームは試合への切り替えスイッチのような感じでしょうか?
「ブーツを履いてコスチュームを身につけることで、試合に向けて少しずつスイッチが入っていって、ガウンを着て最後にグッとスイッチが入るという感じですね」

 

【profile】
オカダ・カズチカ/Kazuchika Okada
1987年11月8日生まれ。愛知県出身。新日本プロレス所属プロレスラー。 第6代IWGP世界ヘビー級チャンピオン。
IWGPヘビー級王座に何度も君臨し、同タイトルの連続防衛記録V12を達成するなど実力のある選手。スタイルの良さと甘いマスクで新日本プロレスで人気の高い選手の1人であり、「プ女子」ブームの立役者。 2021年4月6日には、地元愛知県安城市で東京オリンピック2020聖火ランナーを務めた。
趣味は、バス釣り・ゲーム。愛車は赤いフェラーリ。

オカダ・カズチカ Twitter @rainmakerXokada 
オカダ・カズチカ Instaagaram @rainmakerxokada
新日本プロレス公式ホームページ https://www.njpw.co.jp/

photo:Hirofumi Miyata/hair&make-up: Kumiko Kyuta/interview&text:Akiko Yamashita


【番組詳細】
■番組名
フジテレビ 月曜PLUS!『THEスピリット ~闘魂レスラー発掘プロジェクト~』
■放送
毎週(月)24時25分~24時55分
※時間変更の可能性あり
※ TVerでもご覧いただけます
■出演者
スタジオリアクター:長谷川忍(シソンヌ)、池田美優
進行:豊崎由里絵
プロジェクトリーダー:オカダ・カズチカ
■製作・著作 フジテレビジョン
■番組ホームページ
https://www.fujitv.co.jp/b_hp/the-spirit/index.html

(2023,02,02)

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