1996年に初演を上演し、同年度読売演劇大賞「最優秀作品賞」受賞、ロシア、韓国、中国、フランスで翻訳上演され海外でも大絶賛されたにも関わらず、1998年の再演以来、1度も日本で上演されていない伝説の舞台『笑の大学』がPARCO劇場50周年記念の年に三谷幸喜さん自身の演出で四半世紀ぶりに上演され、検閲官を内野聖陽さん、座付作家を瀬戸康史さんが演じます。
二人芝居初挑戦の瀬戸康史さんに作品への想い、舞台の魅力、意気込みをうかがいました。

 

ー作品へ出演が決まった時の気持ちを教えてください。
「僕を三谷さんがまた呼んでくれたということが嬉しかったですね!!この作品は三谷さんが長年あたためて、託したいと思える役者を探していたという中で声をかけていただけて嬉しいなと思います」

 

―この作品に出演したいと思った一番の決め手を教えてください。
「一番は本が面白いということです。そして三谷さんが演出されること、内野さんとの共演も二人芝居も初めてと決め手にはいろいろな要素があります。楽しみなこともあり、作品に対するハードルもあり、やりがいも感じますし、自分にとってはプラスしかないと思ってワクワクしています」

 

―改めて「笑の大学」の面白いと感じるところを教えてください。
「前回の上演、映画もそうですが、演じる役者によってこんなにも見え方、その時々のパワーバランスが違うのかと感じました。そこが二人芝居の魅力のひとつだと思います。僕と内野さんだとどうなるんだろう!?見た目は圧倒的に内野さんが強そうだけれど、もしかしたらくすぐると意外と崩れるところがあるのではないかとか、いろいろなやり方があるのではないかと思っています。そういうところはワクワクしますね」

 

―幅広く活躍する瀬戸さんにとっての舞台作品への出演で感じる魅力とは?
「ライブ感ですね。それは演じていても、観客として観ていてもその空間で感じることは映像で見る時より大きいと思います。肌で感じるものがどんどん自分の心を豊かにしてくれていると感じますね。映像の作品だとシーンが終わると切り替えて次に行きますが、舞台では修行みたいな感じで、作品に触れている時間も、役に浸っている時間も長くて、役について、作品について長い時間考えることができるということも舞台の魅力だと思います」

 

―修行のようなとおっしゃっていましたが、それでもやめられない舞台はとても魅力的な存在ですね!!
「そうですね。稽古もした分だけその作品が良くなりますし、そこを肌で感じられるのはやみつきになるポイントだと思います。東京だけでなく、今回も色々なところへ行かせていただきます。その土地によってお客さまの反応が違うので、それを感じられるのも舞台ならではの魅力だと思います」

 

―脚本・演出の三谷幸喜さんは、瀬戸さんを“今一番頼りにしている役者”とコメントされていますが、ご自身ではここが頼りにされているところかな?と感じるところはありますか?
「いや、分からないですね(笑)。何ですかね(笑顔)。三谷さんに限らずですが、どの監督、演出家であってもその方のやりたいことに応えたいという気持ちがあります。自分がやりたいこともありますが、監督や演出家が作りたい世界、やって欲しいことはしっかりとやりたいというところですかね」

 

―三谷幸喜さんの作品の魅力とは?
「どの作品でも共通して登場人物全員に愛があると思います。一人一人に三谷さんが想いを込めて書いていると感じます。大河ドラマ(「鎌倉殿の13人」)では、全シーンで笑わせてくださいって直接三谷さんに言われて、演出としてはドSな部分があって(笑)、別の作品でも僕で遊んでましたね(笑)」

 

―ご自身が観客になった時に感じる舞台の魅力とは?
「やっぱり空気感も含めてお客さまが一緒に作品を作っているということですね。僕もこの作品の一部なんだと思いながら観ています」

 

―最後に劇場に足を運んでくださる皆さんへメッセージをお願いします。
「本が面白いので、何も考えずに楽しみだなぁと思って観に来てください」


▶︎瀬戸康史さんのファッション事情◀︎

―今日のお衣裳のお気に入りポイントを教えてください。
「ETHOSENS(エトセンス)というブランドで、個人的にも大好きなブランドです。このパンツが、ハイウエストになっていて、メンズがハイウエストで履けるパンツは少ないのでそこが気に入ってます。今シーズンはないのですが、前のシーズンだと、ボタンやジップでシルエットを変化させることができたりするのでそういうところも好きですね」

 

―ファッションは好きですか?
「好きですね。流行りというよりも好きなものを着たいなって思っています。このブランドでないとダメというものはないですね」

 

―歳を重ねてファッションの傾向も変わって来ますか?
「変わってきていると思います」

 

―つい買ってしまうアイテムはありますか?
「黒のパンツとシューズは結構買っちゃいますね。靴好きなのですが、たくさんあっても履けないので今は買わないようにしてます」

 

―2023年どんな一年にしたいですか?
「2022年はとても忙しく、充実した1年で、記憶があまり残っていないくらいです(笑)。若いときは休まなくてもいいかなと思っていましたが、歳を重ねてきて、休まないと色々なことがリセットできないなと思って、2023年は休むことも大切に仕事をしていきたいですね」

 

【profile】
瀬戸康史/Koji Seto
1988年5月18日生まれ。福岡県出身。
2017年上演の舞台『関数ドミノ』主演・真壁薫役にて平成29年度(第72回)文化庁芸術祭 演劇部門 新人賞を受賞。数多くのドラマ、映画、舞台に出演し、幅広い活躍をみせている。近年の主な出演作は、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」北条時房役、日テレ系日曜ドラマ「霊媒探偵・城塚翡翠」天才推理作家・香月史郎役、映画「コンフィデンスマンJP英雄編」(2022年)、舞台「世界は笑う」(作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ)。2022年公開の映画「愛なのに」(監督:城定秀夫)では第44回ヨコハマ映画祭にて主演男優賞を受賞。
瀬戸康史さん公式ホームページ https://www.d-boys.com/
瀬戸康史さん公式Instagram https://www.instagram.com/kojiseto0518/
瀬戸康史さん公式Twitter https://twitter.com/koji_seto0518

photo:Hirofumi Miyata/styling:Yojiro Kobayashi/hair&make-up:Motoko Suga/interview&text:Akiko Yamashita


【公演概要】
■タイトル
舞台『笑の大学』

■日程・会場
東京公演:2023年2月8日(水)~2023年3月5日(日) PARCO劇場
新潟公演:2023年3月10日(金)~2023年3月12日(日) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
長野公演:2023年3月17日(金)~2023年3月19日(日) まつもと市民芸術館 主ホール
大阪公演:2023年3月23日(木)~2023年3月26日(日) サンケイホールブリーゼ
福岡公演:2023年3月30日(木)~2023年4月2日(日) キャナルシティ劇場
宮城公演:2023年4月6日(木)~2023年4月9日(日) 仙台電力ホール
兵庫公演:2023年4月13日(木)~2023年4月16日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
沖縄公演:2023年4月20日(木)~2023年4月21日(金) 那覇文化芸術劇場なはーと 大劇場
■作・演出 三谷幸喜

■出演
内野聖陽 瀬戸康史

■公式ホームページ
https://stage.parco.jp/program/warai

(2023,02,07)

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