2023年8月17日に開幕した、ミュージカル『スクールオブロック』。8月16日には、プレスコールと質疑応答が行われ、西川貴教さん、柿澤勇人さん、濱田めぐみさん、梶裕貴さん、太田基裕さん、はいだしょうこさん、宮澤佐江さん、演出の鴻上尚史さんが公演への意気込みを語りました!!

 

本作は、大ヒット映画『スクール・オブ・ロック』を題材とし、『キャッツ』『オペラ座の怪人』等の音楽を手掛ける名匠アンドリュー・ロイド=ウェバーが作曲・プロデュースを務めた世界的大ヒットミュージカルの日本初上演です。2020年に上演予定だった本作ですが、新型コロナウイルス感染症拡大により全公演中止を余儀なくされましたが、ついにこの日、開幕しました。

 

まずはじめに、鴻上さんは「2ヶ月半の長い旅を続けてきて、ようやく日本で初演を迎えられると感じています。とてもよくできた作品なので、皆さんに喜んでいただけるのではないかと思っています」と挨拶。今回、日本版を製作するにあたっては、「日本人にとってはブロードウェイで観るよりも響く作品にできたら」という思いがあったと言い、「デューイが順番に(生徒たちを)スカウトするシーンは、ブロードウェイ版だと最初にギターをスカウトした時点でノリノリになっているんですが、僕たちはそんなに陽気じゃない。ギターが入って、ベースが入ってきて、ドラムがきて、キーボードがきたくらいでやっと信じてもいいという感じがある。日本でやるのですし、日本語でやるし、日本人キャストでやるのですから、日本人の心がより動く作品にしたいと思って作りました」と明かしました。

 

稽古中に印象に残った人物を聞かれた西川さんは、「今回、初めて1つの役を二人でやらせていただいているので、常に同じシーンを同じだけ共有する柿澤くんがいてくれるというのは新鮮でしたし、不思議な感覚でずっと稽古場にいました。時にお客さんであり、同じ役をやる仲間であり、アプローチも違うのでそれぞれの魅力があって…ずっと柿澤くんが印象的な人物でした」と話しました。

 

一方、その柿澤さんもまた「稽古場で西川さんバージョンを見ていたら、2幕のあるシーンで(子どもたちの芝居を観た)西川さんが号泣していました。心が動かされる瞬間はたくさんあるのですが、(稽古を観ている)僕よりも西川さんが先に泣いていた(笑)。とてもピュアな方なんだと思いました」と西川さんについて話しました。

 

また、校長のロザリー役の濱田さんは、生徒役の24名の子どもたちから教えられたことを聞かれると、「 何をするにしても彼らはとにかく楽しんでいて、好奇心旺盛で、怒られるかもしれないという思いも全くなく、猪突猛進。まず、楽しむところから始まるんです。我々大人たちは、台本を渡されて演出をつけられるとなると、こうしてみようとかあそこが足りないなとか、計画しつつ、自分の中で工夫して、一歩一歩進んでいく感じがあるんですが、彼らは嵐の中でわーっと大騒ぎしているように見えて、ちゃんと生で存在している。生の子どもたちの中にいると、芝居をするという感覚をいっぺん取り外さないと太刀打ちできない。校長という立場の感覚で子どもたちと接するという感じに自然となります。エネルギーももらいましたし、こうじゃなきゃいけないなと思いました」と稽古を振り返って答えました。

さらに、「密かに楽しみにしているマニアックな見どころは?」という質問には、梶さんが「どこを切り取っても面白い作品だと思いますが、用意されている動きだったり、セリフだったりがありつつも、アドリブも入ってきます。特にデューイのお二人は違うアクションを仕掛けてくるところがあるので、そこに注目していただきたい。音楽も、演奏者のアドリブが効いているところがあります。個人的には何度も観て聞いて痺れているのは、フレディのドラムソロ。ドラムのビートに慣れてないと次のカウントがどこかわからなくなってしまうくらいテクニカルな演奏があるので、そこは何度観にきても楽しめると思います」とコメントを寄せました。

 

太田さんは「小学校に勤めているアンサンブルチームの先生方がそれぞれ個性豊かで、細かいお芝居されているので、稽古中から気になって見てしまっています。先生たちのナンバーもあって、こういう先生たちがいたら、楽しそうだなと想像しながら見ています。ぜひチェックしてください」と呼びかけます。

 

そして、はいださんは「デューイの二人が、自分で作詞作曲して歌うナンバーがあって、そこでいつも楽しいなと笑ってしまいます。毎回、少しずつ違っているので、楽しみですし、大好きなシーン」と回答し、宮澤さんは「私はデューイとネッドがとある約束を誓うシーンです。すごく真面目な顔で真剣に、私たちパティの悪口をいうのですが、ユーモアのあるセリフで、悪口だけど嫌な気持ちはしないんだよなといつも思って見ています」と明かしました。

最後に、柿澤さんは「僕の立ったところには水たまりができているくらい汗が出る、エネルギーが必要な作品です。夏にぴったりな作品だと思います。それから、3年前に中止になってしまった時の子どもたちも来てくれると思います。彼らが観て、やりたかったなと思えるような、私たちの方が良かったと思われないように誠実に取り組みたいと思います」と意気込み、西川さんは「お声かけいただいてから4年ほど公演を待ちました。残念ながら3年前に出演できなかったみんなもいます。今回、新たなチームとしてパワーを与えてくれるキャストの皆さんがいますので、その思いをぜひ劇場に受け取りに来てください」とアピールしました。

なお、8月16日・18日には、ゲネプロも行われました。西川さん、柿澤さんが、ダメダメだけど愛くるしいデューイを熱演。劇場をまるでライブ会場のように盛り上げました。また、生徒役の子どもたちも圧巻です。歌って踊って楽器を生演奏する大活躍を見せました。子どもたちの姿に勇気や元気をもらえる公演でした。

【公演概要】
■タイトル
ミュージカル『スクールオブロック』
■日程・会場
東京公演:2023年8月17日(木)~9月18日(月・祝)  東京建物Brillia HALL
大阪公演:2023年9月23日(土・祝)~10月1日(日)  新歌舞伎座
■音楽 アンドリュー・ロイド=ウェバー
■脚本 ジュリアン・フェロウズ
■歌詞 グレン・スレイター
■翻訳・演出 鴻上尚史
■出演
西川貴教/柿澤勇人 濱田めぐみ 梶裕貴/太田基裕 はいだしょうこ/宮澤佐江 ほか
■公式ホームページ

https://horipro-stage.jp/stage/sor2023/

(2023,08,19)

photo:オフィシャル提供(Aki Tanaka),Maki Shimada,Akiko Yamashita/text:Maki Shimada

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