紀元前5世紀の後半から紀元前4世紀初めまでアテネで活躍した喜劇作家・アリストパネスの代表作であるギリシャ喜劇「女の平和」をベースに、寺山修司さんがユニークな視点を加えて描いた音楽劇「不思議な国のエロス」~アリストパネス「女の平和」より~が、2024年2月16日から上演されます。
反戦と平和への願い、ジェンダーの概念を覆す挑戦的な視点など、寺山さんが執筆した当時には上演されなかった異色作とも呼ばれる本作に挑むのは、演出家の稲葉賀恵さん。戦争を止めるために集結したアテネの女たちのリーダー・ヘレネーを文学座の松岡依都子さん、物語の案内人・ナルシスを朝海ひかるさんが演じます。
NorieMでは、朝海さんに本作への想いや公演への意気込み、さらに定番のファッションについてもお話をうかがいました!!

 

―最初に戯曲を読まれたときの率直な感想を教えてください。
紀元前400年代に書かれた作品が寺山修司という素晴らしい脚本家の手によって蘇って、そして今手にできる。2500年前の物語が今、自分の手元にあるんだという感動がありました。それに内容も、今の私たちが生きている社会にも通じるものがあるんですよ。戦争やジェンダーの問題、人を愛する力など、私たちが共感できるテーマが分かりやすく、楽しく書かれているので、作品としてどのように仕上がっていくのか、とても楽しみでした。

 

―そうした本作に出演したいと思ったのは、どこに一番、魅力を感じたからですか?
何よりも稲葉さんが演出をされるということと、寺山修司さんの作品に出演したいという思いでした。もちろん、原作を読ませていただいて、とても魅力的でしたので、それも理由の一つでしたが。

 

―寺山さんの作品にはもともと興味があったのですね。
そうですね、これまで一度も出演したことがなかったので。観ている側としては、とても難しそうに思えますし、暗い空気が漂う作品というイメージがありますが、やはり美しい日本語と、独特の感性をお持ちになった方なので、もし、チャンスがあるなら挑戦してみたいとずっと思っていました。

 

 

―アリストパネスによる原作は2500年前に書かれたものですが、そうした作品が今も共感を得られるというのもすごいことですよね。
人間の根本は何も変わっていないんだなということを、この作品を通して改めて考えさせられました。そして、現代を生きている自分たちが、2500年前に生きていた方たちと同じような悩みを持って生きているんだなとも気付かされました。観ていただけるお客さまにも、ご自分のお話として感じ取っていただけたら嬉しいですし、同時に壮大な古代ロマンも感じていただけるのではないかと思います。

 

―反戦や平和、ジェンダーといったテーマから、難しい作品という印象もありますが、どのような作風になるのでしょうか?
性の描写がとても軽く、あっけらかんと描かれていますので、明るい作品になると思います。寺山さんの作品を敬遠していた方々も、ここから入っていただけたら寺山さんの世界にどんどんハマっていただけるのではないかと思うくらい楽しく書かれている作品です。

 

―朝海さんが演じる、案内人・ナルシスという役柄について教えてください。
稲葉さんは「この作品を見ているドローンのような役」とおっしゃっていましたが、私もこの作品の傍観者という印象を持っています。それと同時に、作品の世界観とお客さまをつなげる役割もあり、この世界の案内をする大事な役だと考えています。この役を形容する言葉として「傴僂(せむし)男」と原作に書かれているので、それをどう表現するのかはまだ未知なところがありますが、案内人という役割をしっかりと全うできるように稽古していきたいなと思います。

 

―物語に深く介入しない“案内人”という役だからこそ、演じる難しさはありますか?
稽古をしていると、その作品の中にどっぷり感情移入してしまいそうになると思うので、そこを切り離さなくてはいけないとは思っています。稽古の段階で、すでに傍観者として稽古を眺めるという感覚が大事なのかなと。その視点を常に忘れずに作品に挑めたらと思います。

 

―稲葉さんの演出を受けるのは、『サロメ奇譚』に続いて2度目と聞いています。稲葉さんの演出の魅力をどんなところに感じていますか?
作品を作る上での役者とのコミュニケーションを丁寧に行なっている方だと思います。一つひとつ役者とともに歩んでいただいていると感じるので、とても信頼しています。そして、作品の掘り下げ方も丁寧で深い。『サロメ奇譚』でも、とても楽しく一緒に作品を作らせていただいたので、今回もそうした作業ができると楽しみにしています。

 

―ところで、2024年もスタートしたということで、改めて2023年を振り返って、どのような1年だったか教えてください。
2023年は、ミュージカルのお仕事をたくさんさせていただいたので、すごく華やかな1年でした。自分はさておき、目に映るものがキラキラしていました(笑)。この作品から始まる2024年はまた違う世界が見られると思うので、楽しみで仕方ないです。新しいドアを開きたいなと思います。

 

―2024年に挑戦したいことはありますか?
昨年、縄跳びを始めて、今、1分間、続けて飛べるようになったので、今年は3分飛び続けられるようになりたいです。小学生の時に縄跳びをよくしていた記憶があるんですが、久しぶりに飛ぶと全然飛べないんですよ(笑)。1分、飛び続けるのも相当、しんどいですよ。

 

―すごく運動効果がありそうですね。
そうなんです。心臓がバクバクして痛いと思うくらいなのですが、続けていると慣れてきて少しずつ飛べる時間が伸びてきました。健康にも良いと思いますし、楽しくなってきたので、3分を目標に頑張ります。皆さんもよかったどうぞ(笑)。縄跳びを買うだけで健康が手に入るので、経済的ですよ(笑)。

 

―改めて公演への意気込みをお願いします。
紀元前の物語が寺山修司さんの手で蘇るという、魅力的な言葉に溢れた作品です。現代の私たちが抱える問題と同じような問題が紀元前からあったことが描かれており、人間の根本にあるものをこの作品で体感できると思います。「自分は今どうすべきなのか」を考えるきっかけにしていただければと思いますので、その手助けができるように一生懸命稽古に励んでまいります。


▶︎朝海ひかるさんのファッション事情◀︎
―今日のお衣裳のお気に入りポイントは?
今日の衣裳は私服で自分で選んだものですが、ポイントは、このブラウスの色です。ありそうでない色だったので、一目ぼれして買っちゃいました。パンツもその時に合わせて買いました。

 

―普段も今日のようなシンプルなファッションが多いのですか?
そうですね。シンプルな方だと思います。長く着られる物をチョイスしようとしています。

 

―お洋服を選ぶ際にこだわっていることを教えてください。
もちろん、デザインや柄は気になりますが、それよりもまずは、自分が着たときのサイズ感が重要だと思います。なので、必ず試着するようにしています。コロナ禍では、ネット通販で洋服を買うことも多かったんですが、ネットで買うのは難しい。何か似合っていないなとか、生地感が思っていたのと違うなとか、なかなか納得できるものに出会えなかったんです。なので、今はお店に行って買うようにしています。

 

―最近買ったお気に入りのアイテムは?
つなぎのジャージです(笑)。裏起毛で暖かいですし、ファスナーをあげるだけで脱ぎ着できるので、とても楽で。ほとんど毎日着ています(笑)。

 

―最近のマイブームは?
断捨離です。「さあ、断捨離するぞ!」と気合いを入れてごっそり捨てるというよりは、クローゼットを見たときに、要らないと思う服があったら、最後にそれをもう1回着て「さようなら、ありがとう」って。プチ断捨離をしています。

 

―疲れたときやストレスがたまったときのリラックス法はありますか?
お菓子食べること(笑)。今は、のりしおポテトチップスを食べます。大好きなんですよ。なるべく食べないようにはしているんですが、疲れた日や自分に「今日はいいよ」と言ってあげた日は、小皿に盛って、それだけ食べるようにしています。このお皿に乗るだけにしようと思うのですが、なるべく山盛りにして、まだいける!と思いながら(笑)。

 

―朝海さんが輝き続けるための秘訣を教えてください。
常に輝きたい、より輝けるようにと思うことでしょうか(笑)。でも、何よりも健康が一番だなと、コロナ禍を経てより思うようになりました。

 

―健康維持のために、どのようなことをされているのですか?
ビタミンやプロテインを飲むとか、疲れたらマッサージ行くとか、その程度で、特別なことはしていないですよ。プロテインはやっぱりいいなと思います。爪が柔らかかったのですが、プロテインを飲み始めてから、爪や髪の毛が少ししっかりしたような気がする(笑)。なので、プロテインはこれからも飲み続けていきたいなと思っています。

 

profile

朝海ひかる/Hikaru Asami

124日生まれ。宮城県出身。

1991年に宝塚歌劇団に入団し2002年雪組トップスターに就任。2006年に退団後は、舞台を 中心に幅広く活躍。近年の主な出演作品に、【舞台】『ローマの休日』、『黒蜥蜴』、『かもめ』、 『日の浦姫物語』、『日本人のへそ』、『近松心中物語』、『サロメ奇譚』(演出:稲葉賀恵)、『M. バタフライ』、『住所まちがい』、『太平洋序曲』、『アナスタシア』【ドラマ】スカパー!『螻蛄』などがある。

photo:Hirofumi Miyata/interview&text:Maki Shimada


【公演概要】
■タイトル
音楽劇「不思議な国のエロス」~アリストパネス「女の平和」より~
■日程・会場
2024年2月16日(金)~2月25日(日) 新国立劇場 小劇場
■作 寺山修司
■演出 稲葉賀恵
■音楽 古川麦
■出演
松岡依都美 花瀬琴音 横溝菜帆 / 朝海ひかる

原田優一 内海啓貴 渡邉蒼 関谷春子 まりゑ 万里紗 皆本麻帆 柿丸美智恵 林 光哲 伊藤壮太郎 美玖空 溝口悟光 大石英玄 出津玲奈
■公式ホームページ
https://ae-on.co.jp/fushiginaeros/

(2024,01,18)

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