明治座創業150周年記念『赤ひげ』製作発表会見が2023年9月26日(火)に行われ、船越英一郎さん、新木宏典さん、崎山つばささん、猪野広樹さん、高橋健介さん、河合我聞さん、菅井友香さん、山村紅葉さんが登壇しました!!

本作は、山本周五郎氏の傑作小説「赤ひげ診療譚」を舞台化した作品です。江戸時代の小石川養生所を舞台に、無骨で謎めいた医師「赤ひげ」と青年医師、そして貧しい患者や市井の人たちとの魂の交流を描きます。

 

「赤ひげ」こと新出去定役の船越さんは、芸歴41年にして舞台初出演。テレビドラマ版でも同役を演じていることから、「大変な栄誉ととてつもない重責を担って挑むということになりました。とにかく、初でございますから、胸を張ってお見せできることがあるわけではございません。キャリア46年になろうという役者が初の舞台に無謀にも挑む。懸命にあがき、もがき、のたうちまわる姿を皆さんに微笑ましく楽しんでいただければと思います。そして、その先に(その姿が) 小さな勇気につながっていければ役者冥利につきると思っています」と挨拶しました。

 

医員見習いの保本登役の新木さんは「明治座150周年という記念すべきアニバーサリー期間に作品を届けることにプレッシャーを感じますし、船越さんが初舞台に立たれるということで、絶対に失敗することができないというプレッシャーを感じながらも、そのプレッシャーが気持ちよく、やってよかったなと思っていただけるような作品になると自負をしております」と話すと、「現代でも(この作品と)同じように共感したり、同じように悩んだり、苦しんだりしている方がいると思うので、このタイミングでこの作品を届けることで感じられるものがあると思います。重いテーマですので、繊細にしっかりと表現していこうと思っています」と思いを語りました。

 

若き医員・津川玄三役の崎山さんは「今、稽古の真っ只中でして、迷うこともあって、崖っぷちに追い詰められているところがありますが、船越さんが個人的に言葉をかけてくれたり、若い医員を集めて稽古をしてくれたりして、崖っぷちの自分を救ってくれています。本当の意味で『崖の帝王』だと感じています」と崖でのシーンを数多く行ってきた“2時間ドラマの帝王”船越さんに引っ掛けてコメント。すると、船越さんから「うまいこと言うね」と感嘆の声が上がりました。

 

森半太夫役は猪野さんと高橋さんがWキャストで演じます。猪野さんは「人の命を助ける、人の生死が出てくるという難しいテーマだと思いますし、当たり前の熱量では到底できる作品ではないと思っています。船越さんにたくさん教えていただきながら、皆さんに最高のエンターテインメントとしての面白い作品を届けられればと思っています」、高橋さんは「船越さんが僕ら若手にも気さくに話しかけてくださっているので、いい緊張感でやらせていただいています。素敵な作品になると思うので、皆さんぜひ本番をお楽しみください」とそれぞれコメントを寄せました。

 

長屋の主・十兵衛役の河相さんは「船越さんとはドラマでたくさん共演させていただいていますが、初舞台もご一緒できて嬉しいです。僕はドラマ版にも出演していますが、今回はその役とはまた違う難しい役で頑張っております。心温まる作品になると思うので、たくさんの方に観ていただきたいと思います」と思いを寄せ、

 

女中のお杉役の菅井さんは「女中という役柄、和装でのお芝居など、初めてのことが多い中で日々、試行錯誤していますが、船越さんや演出の石丸さんなど皆さんがたくさんアドバイスをくださって、課題を感じながらもやる気に満ち溢れた毎日を過ごしております。この作品を通して、なんだか明日も頑張って生きようと思ってもらえるパワーをたくさんお届けできるように務めてまいりたいと思います」と意気込みました。

 

女中のお光を演じる山村さんは「何十年間、ドラマでご一緒しております船越さんが座長ということで、嬉しく張り切ってお稽古しております。女中という役で、お料理をしたり、洗濯をしたり、お掃除をしたり色々としなくてはいけないのですが、苦手なもので、色々と考えながらやっております」と笑いながら明かしました。

 

また、船越さんは、初舞台への思いを改めて聞かれると「赤ひげに挑むというのは、ドラマの時から険しく高い山に挑むという無謀な大冒険に挑まないといけないと思っていましたが、今回は自分のフィールドではないところでさらなる大冒険に出てしまって、地獄を見るのか、天国を見るのかというドキドキしたところにいます。今のところ、つらい、きつい中でも楽しく稽古をさせていただいています。ですが、赤ひげという役は、私にとってはライフワークにしたいとずっと思っている役ですから、その役に挑める幸せをきっちり見つめながら頑張っていこうと思っています」と力を込めました。

 

さらに、船越さんは、本作について「『赤ひげ』は60年以上前に書かれた作品ですが、その時代を山本周五郎先生がものすごく鮮やかに深い、鋭いメスで切り込んだ作品だと思っています。でも、そこに描かれているものは普遍的なテーマです。どの時代にこの作品が世の中に押し出されても、必ずその時代の世相を映す、そして、その時代の情をきちんと描きこんでいるという、それだけの力を持った作品です」と言及。続けて、「江戸時代の病気は全部がコロナみたいなものでした。医者にとっても患者にとってもどうなるかわからない、知識もない中で、医者がもがき、あがき、苦しみ、患者たちも不安と戦い、一体いつこの病から抜け出せるのかと混沌とした日々でした。それは、まさに我々がここ数年で経験したことが日常だったと思います。そんな絶望してしまう現実がある中でも、人々はどこかに希望を見つけ出して日々営んでいかなければならない。そんなことが今を生きている我々にもヒントを与え、大きな勇気をもたらせてくれると思います。それがこの作品の魅力だと思いますし、この赤ひげをお届けしたいと思ってやまない意義だと思っております」と熱弁して、作品をアピールしました。

【公演概要】
■タイトル
明治座創業150周年記念『赤ひげ』
■日程・会場
東京公演:2023年10月28日(土)〜11月12日(日) 明治座
大阪公演:2023年12月14日(木)〜12月16日(土) 新歌舞伎座
■原作 山本周五郎
■脚本 堤泰之
■演出 石丸さち子
■出演
船越英一郎 新木宏典 崎山つばさ 猪野広樹・高橋健介 河合我聞 菅井友香 山村紅葉 ほか

公式ホームページはこちら

(2023,09,27)

photo&text:Maki Shimada

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