市村正親さん、鹿賀丈史さんがダブルキャストで主演する、Daiwa House presentsミュージカル『生きる』の製作発表が、2023年6月20日(火)に行われ、市村さん、鹿賀さんに加え、村井良大さん、上原理生さん、高野菜々さん(音楽座ミュージカル)、実咲凜音さん、福井晶一さん、鶴見辰吾さんが登壇しました!!

 

本作は、黒澤明監督が1952年に発表した映画『生きる』を原作に2018年に誕生した、日本発のオリジナルミュージカルです。初演時には「国産ミュージカルの記念碑的力作」と絶賛され、2020年にも再演を果たしました。3度目となる今回の上演は、メインキャストの多くを一新して物語を作り上げます。

この日は、まず始めにキャストたちによる歌唱披露が行われました。小説家役の上原さんによるソロナンバー「人生の主人になれ」、小田切とよ役の高野さんによる「ワクワクを探そう」、渡辺勘治役の鹿賀さんによる「二度目の誕生日」、渡辺光男役の村井さんによる「あなたに届く言葉」、組長役の福井さんによる「金の匂い」、そして、最後に市村さんによる「最後の願い」が、高らかに歌い上げられ、会場を作品の世界に引き込みました。

 

初演、再演に引き続き、渡辺勘治役を務める市村さんは「初演が2019年でまだコロナにいじめられていない時でした。稽古場に入って、毎日、台本がどんどん変わっていくという非常にスリリングな稽古をして、いざ本番では赤坂ACTシアターでお客さんから爆発的な拍手をいただき、改めていい作品なんだと感じました。2021年の再演は、コロナ禍で痛めつけられている雰囲気の中での上演でしたが、それはそれなりにこの作品に合っているとも感じました」とそれぞれの公演を振り返り、「今回は、コロナ禍もいくらかよくなり、観客がバッチリ入れる状態だと聞いています。濃いキャストが揃っているので、そんなキャストに僕が霞んでしまうんじゃないかなと思いますが(笑)、霞まないようにしっかりやっていきたいと思います」と挨拶しました。

 

続いて、鹿賀さんは「3度できる喜びに浸っております。いっちゃん(市村さん)が言いましたが、初演は緊張もあり、台本の手直し手直しもあり、大変な稽古になりましたが、2回目はコロナの最中で運良く中止にならずにできました。今年は、初演から5年になりますが、この間に世界の勢力地図もずいぶん変わり、物価高にもなり、我々日本は、どうやって生きていけばいいのか、戸惑っている時期だと思います。この作品は、『生きる』という非常にシンプルなテーマがあります。シンプルですが、これ以上深いテーマはございません。ぜひ劇場に足を運んでいただいて、前向きに『生きる』ということを捉えていただけると、出演者としてもそれ以上の喜びはありません。皆さんに感動と生きる力をお持ち帰りいただきたいと思っています」と思いを語りました。

 

再演に続いて、光男を演じる村井さんは「前回はまさにコロナ禍で、できるかできないかというギリギリの瀬戸際の中、毎日、公演ができるという喜びを感じながら上演していたのを覚えています。1回1回を生ききることを感じました。そうして、無事にゴールができた感動を今でも覚えています」と感慨深そうに話しました。そして、「色々な方に観ていただきたいですが、特に若い方に観ていただきたい。老若男女に響く作品ですので、ぜひこの2023年版を皆さんの心に届けたいと思います」と力を込めました。

 

上原さん、高野さん、実咲さん、福井さん、鶴見さんは、今回の公演からの新キャストです。上原さんは「戦後7年(を舞台に)、日本が復興の途中でもっと豊かになっていこうという中で、何を大切にしなければいけないのかをストレートに投げかけてくる作品です。それは、今を生きる我々にも通じることだと感じています。自分がどう生きていくのかを投げかけてくれるというのが、大きな魅力だと思います。(上原さんが演じる)小説家は、ある意味では勘治さんとは180度違う人生を歩んできた人物だと感じていて、勘治さんの“生きる”ことを浮き彫りにするために、あえて影の部分を描く人物だと思っていますので、そこを深めていけたらと思います」とコメント。

 

高野さんは、音楽座ミュージカルという劇団に所属しており、今作が初めての外部公演への出演となるそうで、「オファーを受けてすごくびっくりしましたが、オリジナルミュージカルを作る現場に携わらせていただくのは光栄です」と笑顔を見せました。そして、「死生観をテーマにしている作品なのに、エンターテインメントであり、歌あり、ダンスありで華やかな世界になっていたので、そのギャップもこのミュージカルの魅力だと拝見させていただいて思いました。とよは勘治さんたちに大きなきっかけを与える女性だと思います。大きなきっかけとはいっても、大層なものではなく、日常どこにでもある小さなことに大切なものがあると感じているので、それを胸に演じたいと思います」と意気込みました。

 

実咲さんは「今回、とよと一枝が役がシングルキャストというのも新しいと思います。 (高野さんと)同い年なので、同年代の仲間がいるのは嬉しいですが、役としては対照的な役を作っていけたらと思います。私自身もこの作品の一部として精一杯生きられたら」と思いを明かしました。

 

福井さんは「命を燃やして生きるという暖かいメッセージが込められている作品だと思うので、僕自身もその創作の現場に携われることを嬉しく思いますし、たくさんの方にこの作品をお届けできればと思っております」と話しました。

 

そして、鶴見さんは「助役は、昭和の時代の役人気質の“事なかれ主義”で、渡辺勘治さんの夢を妨害しようとする役です。お二人のパワーに負けないように、私もしっかりと悪役を福井さんと共に演じていきたいと思います。このミュージカルには、生きているだけで美しいというメッセージが込められています。初めてミュージカルをご覧になる方も何度も観た方も、またこの『生きる』を楽しんでもらいたいと思います」とメッセージを贈りました。

【公演概要】
■タイトル
Daiwa House presentsミュージカル『生きる』
■日程・会場
東京公演:2023年9月7日(木)〜9月24日(日) 新国立劇場 中劇場
大阪公演:2023年9月29日(金)〜10月1日(日) 梅田芸術劇場メインホール
■原作 黒澤明監督作品「生きる」(脚本:黒澤明 橋本忍 小國英雄)
■作曲&編曲 ジェイソン・ハウランド
■脚本&歌詞 高橋知伽江
■演出 宮本亞門
■出演
市村正親/鹿賀丈史 村井良大 平方元基/上原理生 高野菜々(音楽座ミュージカル) 実咲凜音 福井晶一 鶴見辰吾 ほか

■公式ホームページ

https://horipro-stage.jp/stage/ikiru2023/

■公式Twitter

@ikirumusical

(2023,06,21)

photo&text:Maki Shimada

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