a new musical『ヴァグラント』会見&稽古場見学が2023年8月1日(火)に東京都内で行われ、平間壮一さん、廣野凌大さん、小南満佑子さん、山口乃々華さん、平岡祐太さん、美弥るりかさん、プロデュース・原案・作詞・作曲の新藤晴一さん、脚本・演出の板垣恭一さんが登壇しました!!

 

本作は、ポルノグラフィティのギタリストである新藤さんが初めて手がけるオリジナルミュージカル作品です。新藤さんが板垣さんと1年以上に及ぶ打ち合わせを重ね、プロットや脚本を練り上げてきた大作で、新藤さんは本作のためにミュージカル楽曲20曲以上を書き下ろしました。

 

新藤さんは「僕はやりたいと思ったことを器の大きい人たちにぶつけて、ここまで作っていただいたという感覚です。僕が高校の時にバンドをやりたいと思って、仲間を集めてやってみようと思った時と同じ感覚でスタートしました。このミュージカルが日本のオリジナルであるというのは後付けの話ですが、そういう意味合いも持てればいいなと思います」と力を込めました。

さらに、稽古場で感じている本作の魅力を聞かれると、「アマチュアに言うようでこの言葉がいいのか悪いのかわからないけれども、損得ではなく、面白いものを作ってやろうという感覚は文化祭感がある。だからこそ、面白いものになっているのかなと思います。そこに僕は今、感動しています。音楽もそうですが、そうした文化祭感はエンターテインメントの現場にも必要なんだなと思います」と話しました。

 

また、板垣さんはそんな新藤さんの稽古場の様子を「こんなに楽しそうに稽古を観ている関係者はもういないだろうなというくらい楽しそう。たまに踊っている」と明かしました。演出面については「新藤さんのゆかりのお客さまがいらっしゃると思いますし、ミュージカルを見慣れない方もいると思うので、その方たちにも入りやすいような入り口や演出的工夫も入れているつもりです。なおかつ、ミュージカルを普段からご覧になっている方には、通常のミュージカルと同じ作り方をしているのに新藤さんの歌詞のおかげで、少しだけミュージカルと違うニュアンスになっているのを感じていただけると思います。ミュージカルってこんな感じにもなるんだと目撃していただけたら」と説明しました。

 

今回、主人公の佐之助役は平間さんと廣野さんのダブルキャスト。平間さんは「今日は通し稽古があるんですが、通すことだけに必死で、今は一個一個、目の前のことを全力でやるのが使命かなと思って頑張っているところです」と今の稽古の状況を明かし、「人の心に刺さる物語だと思います。演じながらも、自分の心に訴えかけられて、どうやって生きていこうとか、こうやってやってたなとか、ありのままで生きるってなんなんだろうとか、色々なことを考えながら演じています。受け取り方は自由ですが、必ず見終わったら心がどこかしら動いている作品になっていると思います」と思いを語りました。

一方、廣野さんは「豪快でパワーがあるシーンがとても多いのですが、豪快さの中に繊細さがないと豪快さが描けないという、板さん(板垣さん)からの演出があり、今、腑に落ちてやっているところです。とにかく見に来ていただければわかる」とコメント。この日は、登壇者全員がお揃いのカンパニーTシャツで登場しましたが、そのバックプリントを報道陣に見せて「このTシャツを描いたのは、彼(平間さん)です。今回、彼がデザインしているグッズもたくさんありますので、そちらもぜひお願いします」とアピールして会場を盛り上げました。

 

炭鉱のムラで育ったトキ子役は、小南さんと山口さんのダブルキャスト。小南さんは「トキ子と佐之助はダブルキャストですが、それぞれ全く違う個性を持って演じています。それによってカンパニーの皆さんもまた新たな空気感でお芝居してくださって、熱量の高いお稽古を重ねています。開幕に向けてさらにパワーアップしていくと思いますので、ぜひ劇場で体感していただけたらと思います」、山口さんは「ダブルキャストの小南さんと一緒にトキ子を作り上げていく中で、役がどんどん深くなっていくのが楽しいです。アクションシーンもあるので、ケガにも気をつけながら頑張っています」と笑顔で話しました。

 

また、坑夫の健三郎役の平岡さんは「僕は初ミュージカルになりますが、日々、皆さんの歌やダンスの熱量に圧倒されながら稽古をしています。調子いいときは、何度聞いても感動させられる。調子悪いときは歌ってるなって思うだけだけど、調子いいときは毎回、感動しちゃうんですよ」と冗談を交えながら挨拶すると「この作品を通して、踊りと歌の楽しさを伝えていけたらと思います」と思いを述べました。

 

佐之助の姉貴分である“マレビト”の桃風を演じる美弥さんは「二人が全く違う佐之助を演じているので、毎日、刺激を受けておりますし、それがダブルキャストの楽しさでもあるなと思いながら日々稽古をしています。同じ役なのかなと思うくらいの印象の違いがあると思いますし、お客さまが感じ取る結末や流れも変わると思うので、ぜひ様々な組み合わせで観て楽しんでいただけたらと思います」と呼びかけました。

 

なお、この日の稽古では4シーン5曲が披露されました。
1シーン目は、物語の冒頭、三ツ葉炭鉱の新社長・政則の就任式を祝うマレビトの佐之助、桃風と列席者たちが登場するシーンです。開幕の合図ともなる「オーバーチュア」という楽曲は、新藤さんのギターの演奏が聴けるインスト(歌のない、楽器だけで演奏された曲=インストゥルメンタル)です。新藤さん自身によるタイトルコールの後、「祝い唄」へ。平間さん、水田航生さん、平岡さん、美弥さんが登場し、その楽曲名通り、政則の就任を祝って歌い、踊ります。

続くシーンは、桃風が蚤の市で香水を売る「桃風の啖呵売」。美弥さんの貴重なラップが聴けるナンバーです!!

そして、それぞれ異なる立場で苦悩する幼なじみのトキ子と政則、譲治が幼い頃の約束を思い出す「月の裏側」は、小南さん、水田さん、上口耕平さんによって披露。過去と未来が交錯する、美しいシーンでした。

最後に、効率を上げるために爆薬を増量した鉱山で大事故が起こってしまう1幕ラストの「ヴァグラント・シンフォニー」が、廣野さん、山口さん、水田さん、上口さん、玉置成実さん、美弥さんほかのキャストによって歌われました。この楽曲は、音楽監督の福井小百合さんが、新藤さんが作った本作の楽曲を集めて再構築した曲だと言います。悲惨な事故に登場人物たちが混乱し、嘆き、悲しみ、大きく揺れ動くシーンが壮大な楽曲で描かれていました。

【公演概要】
■タイトル
a new musical『ヴァグラント』
■日程・会場
東京公演:2023年8月19日(土)〜8月31日(木) 明治座
大阪公演:2023年9月15日(金)〜9月18日(月・祝) 新歌舞伎座
■プロデュース・原案・作詞・作曲 新藤晴一(ポルノグラフィティ)
■脚本・演出 板垣恭一
■出演
平間壮一/廣野凌大 小南満佑子/山口乃々華
水田生航 上口耕平 玉置成実 平岡祐太 美弥るりか ほか

■公式ホームページ

https://vagrant.jp/

(2023,08,02)

photo&text:Maki Shimada

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