3年前、新型コロナウイルス感染症拡大により全公演中止を余儀なくされたミュージカル『スクールオブロック』が8月17日より上演がスタートしました。本作は、大ヒット映画「スクール・オブ・ロック」を題材とし、「キャッツ」「オペラ座の怪人」等の音楽を手掛ける名匠アンドリュー・ロイド=ウェバー氏が作曲・プロデュースを務めミュージカル化した、世代を越え楽しめる世界的大ヒットミュージカルです。
今回は、主人公・デューイが教師となる名門校の校長、ロザリー・マリンズ役の濱田めぐみさんに、公演への意気込みをうかがいました!!

 

―2023年は濱田さんにとって日本初演という作品への出演が続いていますね。
そうですね。ミュージカル『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』、ミュージカル『ファインディング・ネバーランド』も日本初演で、ミュージカル『スクールオブロック』も3年前に上演する予定でしたが、その時は全公演中止になってしまい、今回日本初演になります。

 

ー濱田さんご出演の作品では、『メリー・ポピンズ』や『ファインディング・ネバーランド』でも子供たちと一緒に作品を作られていましたが、今回は大人数、しかも校長先生という立場になります。
それぞれの演目で子供たちの傾向というのがあって、『ファインディング・ネバーランド』では子供らしいナチュラルな子供という感じで、『オリバー』では孤児院の中で無造作に生きているキャラクターでしたが、今回は、オーディションの段階からエネルギーが溢れた子供たちだったと思います。その中でも選ばれし24人なので、あまりの熱量の強さに熱くなります。忖度する、人にあわせる、コントロールするということがない彼らの性質がそのまま24個あるので、それはもう大人たちも翻弄されます。

 

ーそれはすごいエネルギーですね!!
子供なんだけど、エネルギーは大人と同じなんです。私たちと同じ役者、ミュージシャンだと思います。

 

ー最初に濱田さんがこの作品のお話頂いたのはいつくらいだったのでしょうか?
最初にお話をいただいたのは、コロナ禍になる前でした。3年前に上演するはずでしたので、そこから更に前にお話しをいただきました。

 

ー一度中止になってしまった公演をこうやって改めて上演ができるという気持ちはいかがですか?
3年前もみんな上演するつもりで準備を進めていたところで公演が中止になってしまい、でもいずれは上演するだろうな、上演して欲しいという気持ちでいましたので、今回上演することになって、その時の悔しさを晴らそうという気持ちがみんなにあると思います。子供たちは、当時のキャストから今回新しいキャストに入れ替わっていますから、彼らの想いものせて、弾けたいと思っています。

 

ーアンドリュー・ロイド= ウェバーさんが手がけた素晴らしい楽曲も見どころですね!!
ロイド= ウェバーさんは本当に天才なんだなって思うんです。ロックをこんな感じで作曲することはすごく難しいと思いますし、今回の楽曲は計算されて作られているので、私たちもそこを理解して歌わないと成立しないというところもあって、歌いっぱなしではいけない。仕上がりまではとても苦労します。

 

 

ー主人公のデューイを演じる西川貴教さん、柿澤勇人さんはそれぞれどんな印象をお持ちですか?
カッキー(柿澤勇人さん)とはたくさんの作品を一緒にやってきていますので、いい感じで手の内が知れている安心感があります。打ったボールのはまりどころが必ずあるので、それぞれの役作りをしっかりとやっていけば大丈夫だと思っています。西川さんは、今回初共演です。いろいろな番組を拝見し、尊敬しています。おひとりでツアーやライブもされていて、『スクールオブロック』の子供たちの熱量をそのまま持って大人になった感じだと思っています。すごくクレバーで論理的、気遣いのある方なので、この方について行きたいと思う人がたくさんいらっしゃるのだなと思います。それぞれの良さが一番いい形で出るのが『スクールオブロック』だと思っています。

 

ー濱田さんご自身は子供の頃から女優になりたいという夢を持っていたのですか?
幼い時から女優になりたいという夢は実は持っていなくて、必死に生きてきたらこの場所にいたという感じです。目の前にあるレールの上をまっすぐ歩いて、走ってきたら今の場所にいて、振り返ってみたらこういう人生だったなと思います。今は、歌わなければいけない曲、やらなければいけない役、覚えなければいけない段取りが山積みなので、なるべく他のことは何もしないで目の前のことに集中したいと思っています。

 

ーひとつの作品が終わってゼロに戻して次に臨むということも難しそうですね。
そうですね。ひとつの作品に入っている時も次の作品のスチール撮影やインタビュー、演出家との段取りの打ち合わせなども入ってきますので、常に何かが並行して走っていることが多いですね。もちろん最初に劇団に入り、始めたての頃は、あの作品へ出てみたい、あの役をやってみたいという想いや、それを達成したときにやりがいを感じていましたが、ある時期からは追われる立場になり、次の人へ役を渡していく立場になります。そうなってくるとやりがいというよりも、とにかく目の前にあることをやり続けて、手当たり次第できることをやっていくことに集中しています。

 

ー濱田さんの演じる役は難しい曲も多いので、そこもしっかりと準備が必要ですね。
実は以前『王家の紋章』という作品に出演したときに、作品の作曲と編曲を手がけたシルヴェスター・リーヴァイさんに、“どういう曲がいい??”って聞かれて、“今までにみたことがないくらい難しい曲がいいです”って話をしたら本当に難しい曲をいただいて、苦労した経験もありますし、自分自身への挑戦をし続けています。

 

ー本当にお忙しい濱田さんが輝くためにしていることは?
睡眠です。疲れ過ぎるとかジャンキーなものを食べたくなってしまうので、そことのせめぎ合いはありますが(笑)。食事を気をつけたり、あとは何もしないことです。もう少し若いときは、体力もあったので、リフレッシュしに公園へ散歩に出かけたりしていましたが、今はとにかく睡眠!!休憩!!無理をしない!!ということです。しっかりとお休みをいただいてしまうと、すべてがお休みの状態になってしまって、起き上がれなくなってしまうので、無理をせずにやり続けることを継続していかないといけないと思っています。

 

ー改めてこの作品へ出演することでご自身へ期待していること、挑戦を教えてください。
お稽古の中でこういう面が自分にはあったんだと思う瞬間がよく訪れます。今回も想像の中でこうしたい、こう動きたいと思っていても実際に動くと全く違ってくるパターンが出てくると思います。まだ自分のこういうところが開拓されていなかったというところがこの作品で構築されていけばいいなと思っています。演出の鴻上さんとご一緒するのも初めてなんですが、フィーリングがあって、楽しくお仕事ができる方なので、現場で生まれるいろいろなことを加味しながら、その場で生まれてくるものをうまくキャッチして、常に新鮮な形でお客さまにお届けできたらなって思っています。集中力と稽古量と安心感を持ってそこに辿りつきたいと思っています。


【prpfile】
濱田めぐみ/Megumi Hamada
1972年8月2日生まれ。福岡県出身。
1995年12月劇団四季オーディションに合格。抜群の歌唱力と将来性が認められ3ヵ月後、1996年2月『美女と野獣』ヒロイン・ベル役に大抜擢され劇団四季デビュー。 その後劇団四季の初演『ライオンキング』、初演『アイーダ』、初演『ウィキッド』の三作品でヒロインを演じる。劇団四季では看板女優として2010年12月退団まで15年間活躍。 退団後、数多くのミュージカル作品へ出演。第40回菊田一夫演劇賞、第66回芸術選奨演劇部門文部科学大臣賞、第24回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。近年の主な出演作は、ミュージカル『ファインディング・ネバーランド』『バンズ・ヴィジット』『アリージャンス』『イリュージョニスト』『レ・ミゼラブル』『オリバー』『メリー・ポピンズ』。

▪️公式ホームページ
https://fc.horipro.jp/hamadamegumi/
▪️公式Instagram
https://www.instagram.com/megumi_hamada/

photo:Tsubasa Tsutsui/interview&text:Akiko Yamashita


【公演概要】
■タイトル
ミュージカル『スクールオブロック』
■日程・会場
東京公演:2023年8月17日(木)~9月18日(月・祝) 東京建物Brillia HALL

大阪公演:2023年9月23日(土・祝)~10月1日(日) 新歌舞伎座

■音楽 アンドリュー・ロイド=ウェバー
■脚本 ジュリアン・フェロウズ
■歌詞 グレン・スレイター
■翻訳・演出 鴻上尚史
■出演
西川貴教/柿澤勇人 濱田めぐみ 梶裕貴/太田基裕 はいだしょうこ/宮澤佐江 ほか
■公式ホームページ
https://horipro-stage.jp/stage/sor2023/

(2023,08,19)

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