2018年12月に配信をスタートしてから、全世界で累計3000万ダウンロード以上を記録するスマートフォン向けRPG『ロマンシング サガ リ・ユニバース』の舞台化作品「SaGa THE STAGE〜再生の絆〜」が、2024年2月22日(木)から上演されます。主人公のポルカを演じるのは、数々の舞台で主演を務めてきた松田凌さん。ゲーム本編では描かれなかった「その後」を描くこの舞台で、妹リズを救出するために塔士となるポルカを熱演します。松田さんに本作の魅力や見どころ、さらにはファッションについても語ってもらいました!!

 

―最初に、この作品に出演しようと思ったきっかけを教えてください。
今作にも出演されている平山佳延さんと中村誠治郎さんが僕の名前を挙げてくださっていたようで、それがスクウェア・エニックスさんに届いて、白羽の矢を立てていただいたという形でした。僕もすごく尊敬している、そして大好きなお二人にそう言っていただけるのは、とても誉れだなと思ったことが一つの理由です。それから、元々自分の仕事をする上で大切にしていることとして、新しい場所、世界、人に出会ったら飛び込んでいこうと思っていたので、自分がこれまで触れたことがなかった世界に身も心も投じられるというのは魅力的だなと感じて出演させていただくことになりました。ただ、そうは言っても、単純に選んでいただけて嬉しかったというのがあります。

 

―「アクションにキャラクター性を取り込んで、魅力的に演じられる」というのが松田さんにオファーした理由のひとつだと聞いています。松田さんとしては、アクションに対して、これまでもそうした意識を持って演じていらっしゃったのですか？
僕が俳優としてデビューさせていただいたのが原作のある作品だったので、その時からずっと作品に対しての敬意と愛はなくしてはいけないと思ってきました。僕自身もマンガやアニメに救われてきましたし、作者の方だけでなく多くの方が関わって作品が作られているので、その世界観と役を背負う責任は常々忘れないようにしています。ただ、新しく自分が演じるにあたっては、生身の人間では難しい部分もどうしても出てくると思います。あのアクションはどう再現するのか。本当に人が死んでいるわけでもないのに、どうやってそのドラマを生み出すのか。そこにはたくさんの壁がありますが、生身の人間が演じることによって100を101にでも、102にでもなるように責任を持って演じ、観に来てくださったお客さまに観て良かったと思ってもらえたらと思います。

 

―（取材当時）お稽古がスタートして2週間ほどということですが、すでに手応えは感じていらっしゃいますか？
正直なところ、今はまだないです。これまでのシリーズにも出演されている（佐藤）アツヒロさんや誠治郎さんが今回も出演してくださっていますが、自分が入るからには新しい風を吹かさなければいけないと思っています。そのために僕を呼んでくださったんだとも思うので。なので、（公式サイトのインタビューでは）「革命を起こしたい」と言ったのですが、それを叶えるほどの手応えはまだありません。というのは、今作にはとても魅力的な演者さんが大勢出演されていますが、本当に恐縮ながら、主演として自分は皆さんに良い影響を与えられているんだろうか。作品に対して良い材料になっているんだろうかとずっと疑心暗鬼のまま、毎日を過ごしているんですよ。だからといって、腐っているわけではなく、少しでも良い作品になるように、そして「ロマンシング サガ」という世界に小さな革命を起こし、また新しい時代を築ければと思っています。

 

―そこに向けたヒントは見えているのでしょうか？
少しずつ光は見えています。多くの方々が携わり、一緒に作品を作るというのはとても難しいことですが、その先に行かなければ、新しいものは作れないと思うので、開幕までに一歩一歩進むしかないですね。

 

―松田さんが演じるポルカという役については、今はどうお考えですか？
主人公らしくない主人公だと思っています。自分の力で誰かを守り抜くとか、自分の力によって周りの世界が変わっていくという影響力は持っていないんですよ。彼の純粋さに人が集まってくるんです。僕はそこに魅力を感じてもいます。ポルカは家族や物語の中で出会う友たちと共に自分のやらなければならないことのために進んでいきます。でも、彼が一人だったら、その道は途絶えていたかもしれない。そういう意味では、とても魅力的だけれども、「みんなに主人公にしてもらっている人」だという印象があります。

 

―初めてこのシリーズをご覧になる方に特に注目してもらいたいポイントを教えてください!!
目で見て、耳で聴いて楽しい作品だと思います。これまでのゲームの世界を愛してくださっている方たちやコアなファンの方々にも楽しんでもらえるものを散りばめていますが、それだけではなく、初めてこの世界に触れる人にも楽しめる作品にしなくてはいけないと僕自身も思っています。アクションはもちろんですが、音楽や踊り、歌、さまざまなギミックを使っていたり、映像があったりと、観ているだけでもすごく華やかで面白い。耳で聴けば、情感に響く歌や音楽がある。盛り上がったり、悲しさを表現したりするエフェクトやギミックもあるので、そうしたところには注目していただきたいと思います。

 

―個性的な方々が多いカンパニーですが、共演者の方の印象についてもお聞かせください。
“異種格闘技戦”ではないですが、それぞれに自分の魅力を体現できる役者さんが多いカンパニーです。アクロバティックなダンスができる方、スーツアクターだという方、マジックができる方、歌が歌える方と、それぞれに武器や個性がある。だからこそ、どのキャラクターも光るのかなと思います。
そうした中で、やはり中村誠治郎さんと平山佳延さん、新田健太さんのお三方がいなかったら、できない表現がたくさんあったと思いますし、稽古の進みも全く違うものになっていたと思うので、この機会を借りて感謝と信頼の気持ちをお伝えしたいと思います。
それから、アツヒロさん、土屋アンナさん、三浦涼介さんは、こんな端的な表現をしては申し訳ないですが、スターです。登場するだけで華があり、お芝居に説得力があり、皆さん人柄も魅力的。アンナさんは太陽みたいな方でいてロック。三浦涼介さんは、本当にきれいな方。僕は人生であれほどきれいな男性を見たことがないです。お芝居も三浦さんにしか出せないものがあって、俳優さんが思いを寄せる俳優さんだなと思います。
アツヒロさんは、この作品においても要だと思います。先日、別の取材でアツヒロさんの歴史を聞いたのですが、さまざまな演出家さんのさまざまな作品に出演されていて、枠に囚われない活躍をされていると改めて知りました。僕もそうなりたいと思いましたし、そうした経験値や懐の深さが今作にも影響を与えてくださっているんだと思います。

 

―ところで、家族や仲間の絆を描いた本作にちなんで、松田さんが絆を感じた瞬間を教えてください。
僕の人生で最も大切なものは家族です。人生のほとんどを家族への愛に向けていると思ってしまうほどなので、エピソードはたくさんありすぎて語れないほどあります（笑）。おいしいものを食べたら、母親やおば、弟に食べさせたいなと思いますし、きれいな景色やかっこいいものを見たら、おやじにも見てほしいなと常に思っていますし、人生において家族のことが頭から離れたことはないかもしれません。

 

―ご実家にも頻繁に帰られているんですか？
お休みが3日あれば絶対に帰ります。僕は、今年33歳になるのですが、あと20年、親が生きているとしたら、あと何回、会えるんだろうと考えてしまうんですよ。なので、時間が空いたら、すぐに親や家族に会いに行きます。
仲間、親友に関しては、生涯の友が一人いますね。宮崎秋人という俳優です。取材する機会があったら、ぜひ「松田凌がそう言ってました」と聞いてみてください（笑）。僕が恥ずかしげもなく言うので、あいつは恥ずかしくても言わざるを得ないと思います。本当に生涯を共にする親友なので。

 

―ありがとうございました!!　最後に公演を楽しみにされている読者にメッセージをお願いします。
「SaGa THE STAGE」としては第3弾となる作品です。新しい風を吹き込んで、「ロマンシング サガ」の世界も広げられたらと思っていますし、観に来てくださる皆さまにとって、かけがえのない時間にしたいと思っています。皆さんを、この「ロマンシング サガ」という世界にお招きしたいと思います。

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▶︎松田凌さんのファッション事情◀︎
―今日のお洋服のポイントを教えてください。
カーディガンは僕の友人が手掛けているブランドで、WILDFRÄULEINのものです。それから、今日つけている指輪は厳島神社のお守りの指輪で、お土産としてもらったものです。お守りとして付けています。インナーに着たTシャツは「メゾン・マルジェラ」のもので、パンツは大森南朋さんが青山正隆さんと共同で手掛けている「サラバ（SALABA）」というブランドのものです。大森南朋さんとお会いしたことはないのですが尊敬している俳優さんなので気になって。少し前に購入しました。

―普段から今日のようなシックな感じのファッションが多いんですか？
ここ最近は多いですね。昔は柄物だったり、アロハや開襟シャツが好きで着ていたりもしました。でも、これというジャンルはないんです。年々、落ち着いた服装にはなってきたかもしれないですね。

 

―最近買ったお気に入りのファッションアイテムは？
僕は、スニーカーではなくブーツ派なんですよ。スニーカー自体、あまり履かないので、持っていなかったのですが、最近、スニーカーを久しぶりに購入しました。いろいろな素材を掛け合わせたスニーカーで他にないデザインだったので気になって、サンプルを履かせていただいたら履きやすかったので。とにかくこだわりがたくさん詰まったスニーカーなんですよ。話し出したら止まらないので、今はこだわりまでは話すのはやめておきますが（笑）、こんなスニーカー出会ったことがないなと思って買いました。受注なのでこれから出来上がってくるのが楽しみです。

 

―最後に、松田さんが輝き続けるための秘訣を教えてください!!
輝き続けていると言っていただけるのはとても恐縮ですが…。輝くために、僕がここ１、２年で心がけていることは、心を枯らさないこと。皆さまそうだと思いますが、コロナ禍があって、人生の中でうねりがあったじゃないですか。自分もこの仕事や役者として芝居を続けていくことに対しての起伏が激しかったんです。その時に、「俳優になりたい」と思った日の衝動と衝撃だけは忘れないでおこうと改めて感じるようになりました。その情熱がなくなってしまったら、僕は、今の仕事を続けられないかもしれない。でも、それは人生においてもそうだと思います。自分の心が腐ったり、枯れてしまう方向を絶対に選ばないようにしようと。例え厳しい状況にあっても、自分の心が燃えたり、潤ったり、安らげたり、踏ん張れると思う道を選ぼうと思います。それが、今の僕が生きていく上での、輝いていきたいがためのテーマです。

 

【profile】
松田凌／Ryo Matsuda
1991年9月13日生まれ。兵庫県出身。
2012年上演の舞台『ミュージカル『薄桜鬼』』にて初出演作品で主演を務める。2013年には『仮面ライダー鎧武/ガイム』にレギュラー出演(城乃内秀保・仮面ライダーグリドン役)。その後、数々の舞台、映像作品へ出演。近年の主な出演作は、『東京リベンジャーズ』(2021年)、『「東京リベンジャーズ」−血のハロウィン編−』(2022年)、『「進撃の巨人」-the Musical-』『聖なる怪物』『Being at home with Claude～クロードと一緒に～』(2013年)など。また、3月18日から先行上演がスタートする映画『舞倒れ』、秋に公開が予定されている映画『追想ジャーニーII』で主演を務める。

■公式ホームページ
https://matsuda-ryo.com/
■公式Instagram
https://www.instagram.com/matsudaryo_9/

photo:Hirofumi Miyata／hair&make-up: Haruna Kuroda／interview&text:Maki Shimada

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【STORY】

『ロマンシング サガ 3』から 300 年後の世界に突如として現れた巨大な塔(グレイヴ)。 塔の頂には異界に繋がる扉が在った。

ロアーヌ侯国ゼノン侯は訪れる大災厄に対抗するため、異界の戦士たちの力を求め、グレイヴ攻略に特化した部隊、 塔士団を設立。 サーカス団の花形であったポルカ・リン・ウッドもまた、魔女にさらわれた妹リズを救出するために塔士となった。

苛烈を極める魔獣との戦いの果てに、イゴマールとの決戦の場に立ったポルカたち。 だが、イゴマールの圧倒的な能力を前に、ポルカたちは為す術無く、ひとりまたひとりと倒れていった。

偽りの予言は成就し、世界はイゴマールのものに‒‒。 最悪の悲劇が目前に迫ったその時、リズの娘ジョーは最後の賭けに打って出た。 しかしそれは、大きな代償を伴う禁忌の賭けだった。

ジョーは‒‒世界から消えた。

それから二年あまり。 ポルカ、リズ、バート‒‒リン・ウッド家はあらゆる手を尽くしてジョーの行方を捜した。 そしてついに発見の糸口を掴んだ彼らは、迷う事なく、未知の世界へと旅立つのだった。

絶望と喪失‒‒希望と再生。
『ロマンシング サガ リ・ユニバース』ポルカ編の新たな物語が今、生まれる。

 

【公演概要】
■タイトル
「サガ」シリーズ35周年記念公演『SaGa THE STAGE～再生の絆～』
■日程・会場
東京公演　2024年2月22日(木)～2月25日(日)　サンシャイン劇場
大阪公演　2024年2月29日(木)～3月3日(日) 　サンケイホールブリーゼ
■世界観監修・脚本原案　河津秋敏(株式会社スクウェア・エニックス)

■脚本・演出　とちぼり木(株式会社スクウェア・エニックス)

■音楽　伊藤賢治
■出演
松⽥ 凌
⾼槻かなこ　七瀬恋彩　岸本勇太
新⽥健太　原武昭彦　野村知広　伊澤彩織　石橋直也　御寺ゆき　大平峻也
土屋アンナ　三浦涼介
中村誠治郎　平山佳延　阿見 201　川田 祐　和合真一　宮崎あみさ
佐藤アツヒロ　ほか

■公式ホームページ

https://sagastage.jp/reuniverse/

■公式X

https://twitter.com/saga_the_stage/

■公式Instagram

https://www.instagram.com/saga_the_stage/

© SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI

© SaGa THE STAGE Re;univerSe

(2024,02,21)

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